第七話 旅行道連
すごい雨降って来ましたー。
誤字脱字は治りませんてお医者さんが…。 (*ノω・*)テヘ
「おにいちゃんおにいちゃん! あそこおっきなとりさんがいるよ!」
「そうだね。あれはプテーラって言うんだよ」
「ディー、あまりはしゃいだらダメよ」
馬車に揺られながら街道を進む司たち一行だったが、あまり街から離れたことのないディーにとって見るもの全てが物珍しいらしく、御者台に座る司に抱っこされながら大はしゃぎである。
「大丈夫ですよリッドさん」
「もう、司さんはディーに甘すぎるんです」
司とリッドがそんなことを話している間にもディーは大喜びであった。司にしても魔獣が出るようならばもう少し
ディーに大人しくするよう注意したかもしれないが、整備された街道沿いには魔獣がまず出てくることもないため、初めての旅であるディーの好きなようにさせているのだ。
「おうまさんちからもちだー」
周囲をあちこち見ていたディーだったが、次の興味は馬車を引いいている二頭の馬に移ったようだ。今司さ達の馬車は二頭の馬で牽いている。
一頭は真っ黒な毛並みの馬で司はクロと、もう一頭は真っ白な毛並みでシロと名付けた。この二頭は馬車を買いに行った司が、最後に馬をどうしようかと悩んでいると、精霊たちがこの二頭を進めてくれたのである。
精霊の勧めということで、この二頭を買うことにした司だったが詳しいことを店主に聞くと、この二頭は番だそうなのだが、力はあるのだが気性が荒く買い手がつかないということだそうなのだ。
そして、精霊からも何故この二頭を薦めたのかを聞くと、この二頭にはかなり薄くだがユニコーンの血が流れており、それが先祖返りしたらしく人間にはなつきにくいということだった。
【主様なら大丈夫なのよー! きっとこの子たちも気に入るのよ-!」】
ということがあり、司は二頭の前に行くと通じるかどうかはわからないが何となく話しかけてみるのだった。
「二人共、うちにくる?」
司がそう聞くと、二頭は嬉しそうに鳴き顔を摺り寄せてきた。
「うん。これからよろしくね」
こうして馬車を牽く馬も決まり、司たちは王都シモン目指して主発したのだった。
第七話
旅行道連
アンデレの街からシモンの街へ行くには片道で七日かかる。街道沿いには何箇所か宿があり、それ以外にも国が場所で過ごす旅人のために作った魔獣がこないように騎士たちが監視を行なっている、通称【馬車宿】という広場があり、旅人はそのどちらかで夜を過ごすのが多いのだ。
「ここが馬車宿ですか」
「はい。でも、今日は私達以外いませんね」
馬車宿についた司たちだったが、そこには他の旅人の姿はなくいるのは常駐している王国の騎士たちだけだった。
司たちは夕食の準備をし、三人で食事を済ませるとはしゃぎすぎて疲れたのかディーは直ぐに眠りについてしまった。
「あらら、疲れたかな?」
「ふふ、そうですね。あれだけはしゃげば仕方ないですよ」
リッドはディーを馬車の中で眠らせ、リッド自身も久しぶりの旅で疲れが溜まっていたのか、直ぐに眠りについてしまった。
司は二人が眠ったのを確認し、自分はいつもの日課の鍛錬を開始した。
鍛錬といっても、正拳突きを繰り返すという単純なものだが、踏み込みから体のひねり全てを考えながら、いかに拳に力を伝えるかを考えながら行なっているため、決して素早いという動きではないが、司の体からはかなりの量の汗が流れ出ている。
「ふむふむ、なかなかに良い動きじゃな」
「え?」
鍛錬に集中していた司はいきなり後ろから話しかけられたことに驚き、慌てて声の下方向に振り返ると、そこには白髪と豊かな髭の老人が立っていた。
「じゃが、まだ力に伝え方に無駄がある。どれ、見ておれ」
老人はそう言うと徐に正拳突きを放ってみせた。だが、それを見た司は驚きに目を見開くことになった。
老人が行ったことは司が目標している動きそのものだったのだ。
「どうじゃ?」
「…すごい、です」
「まぁ、年の功というやつじゃな」
老人はそう言うと笑いながら、騎士たちのいる兵舎へと入っていき、回りにいる騎士たちが頭を下げていることから、それなりの身分の人なのだろうと推測する。
その後、司は先ほどの老人が見せた動きを模範とし、二時間ほど正拳突きを繰り返したと、水の精霊に頼み体の汗を流した後、自分も寝るために馬車の中へと入っていった。
そして、翌朝。
出発の準備をしている司の所に昨夜の老人がやってきた。
「お主は急ぎの旅か?」
「いえ、王都へと行くのが目的ですが、そんなに急ぎの旅ではないです」
「ふむふむ。ならば儂の願いを聞いてもらえんかの?」
「頼み、ですか?」
「うむ。一時間ほどでいいんじゃが、組手を頼めんかの?」
そういう老人の格好は昨日とは違い動きやすい道着みたいなものに変わっていた。司自身としては願ってもない提案だが、今回の旅は自分だけではなくリッドたちもいるため一人で勝手に判断することはできない。
「私達はかまいませんよ」
「おにいちゃんのかっこいいとこみる-」
だが、二人にも問題はなかったようだ。
「では、お願い出来ますでしょうか?」
「ほっほ。頼んでいるのは儂じゃがの」
こうして、急遽司は謎の老人と組手をすることになったのである。
「さて、では始めるか」
「よろしくお願いします」
二人は自分達の間合いよりも少しだけ距離をとって同時に構える。老人は右手を前に出し左足を後ろに引き軽く膝を曲げ重心を後ろに置いた構えを取り、司は両手はぶらりと下に下げ、やや前傾姿勢をとっている。
そして、先に動いたのは司だった。
「ハァッ!」
一足飛びに老人との距離を詰め、動いた次の瞬間には老人の目の前まで移動しており、回りで見ていた騎士たちから感嘆の声が上がった。
大きく踏み込んでからの一撃はあっさりと老人に避けられるが、司自身もそのことは織り込み済みなのか、突っ込んだ勢いそのままで左回し蹴りを相手の眉間めがけて繰り出した。
「おっと」
だがそれも老人は簡単に避け、司から距離をとった。
「次は儂からか」
今度は司の目の前に老人が一足飛びに移動し、そこから連続攻撃を繰り出してきた。連続突き、ローキック、手刀などを織り交ぜ、さらにはフェイントも交えて攻撃をくりだしている。
「よく見ておる」
「くっ!」
危なげなく攻撃をさばいているようにみえる司だったが、内心はかなり焦っていた。老人攻撃は続けば続くほど鋭さを増し、さらにはバリエーションが増えているのだ。
司は攻撃をいなしながら、相手の一挙手一投足を見逃さないように注意している。
(強い! 速いだけじゃなく上手い!!)
老人の戦い方はまさに司が目指している格闘接近戦そのものだった。多彩な連携技、その中に含まれる一撃必殺の一撃、全てが理想的だった。
「…いきます」
「ほほう。もう盗んだか」
老人の攻撃を捌ききった司は、大きく相手から距離をとって呼吸を整えると、今度は先ほどとは比べ物のにならないくらいの遅い速度で、老人に近づいていく。
だが、その司の動きを見て何人かの年配の騎士がざわついている。
「抜きも入りも甘い、が見事じゃな」
そう、その動きは老人が先ほど司にしてみせた動きと同じだったのだ。
司が老人の技を盗み、老人は司の攻撃をかすらせもしない。
老人の攻撃を司はなんとか捌き、司はこの組手から少しでも何かを得ようとする。
「そろそろ時間か。次の一撃に今のお主の全力を込めてみせろ」
「分かりました」
司は一度目をつむり、体の力を抜き頭のなかを空っぽにする。なにも考えず、ただ思うのは自分が最高とする一撃。
そして、司が目を開け構えをとると、それを見て老人は先程よりも笑みを深めるのだった。
「まさに鬼の子よな」
二人の間の空気が張り詰める。その緊張感に周囲の騎士も影響さたのか誰も物音ひとつ立てない。
二人が動かなくなってから数十秒、緊張は可愛い音によって破られる。
「くちゅ」
それはディーのくしゃみだった。
数人がディーのくしゃみの音に目をやった次の瞬間には、老人と司は互いのいた位置の丁度中間地点でぶつかり合っていた。
「まだ荒いが、見事だ」
「ありがとう、ございます…」
二人はそう声を掛け合い、司はその場に尻餅をつき、老人はたったまま楽しそうに笑い声をあげ、周囲にいた騎士たちは大歓声で二人を迎えるのだった。
「おにいちゃんだいじょうぶ?」
「うん。とってもいい勉強になったよ」
座り込んでいる司の所にディーがやってきた心配そうに司の顔をのぞき込んだ。司は心地よい疲労感に包まれながらも、ディーの頭を軽く撫でてから立ち上がり、そのままディーを抱っこして老人のところへと歩いて行く。
「ありがとうございました」
「それは儂のセリフじゃな。良い経験をさせてもらった」
「自分は司と言います。よろしければお名前を聞かせていただけませんか?」
「儂か? そうじゃな儂はペトロ言うただの爺じゃ」
あれほどの強さでただの爺ということもないだろうと司は思うが、相手が言わないことには何かしらの理由があるのではないかと考え、深く詮索するのはやめにした。
「ディーはディーだよ!」
「ほほう。そうかそうかディーちゃんか。ディーちゃんのお兄ちゃんは強いのぉ」
「そうだよ! お兄ちゃんはつおいんだよ!」
嬉しそうに笑うディーに老人は目を細め、傍にいた騎士に何かを言うと、白い袋を持ってこさせた。
「挨拶の出来るいい子には、飴玉をあげようかの」
「ほんとー!? お兄ちゃんもらっていい?」
「うん。いいですよねリッドさん?」
「はい」
「時間を取らせて悪かったの。これは儂からのプレゼントじゃ、何かあったら使ってくれ」
組手の後30分で出発の準備を完了させた司は、見送りに来てたペトロからペンダントをもらい、仲良くなった騎士たちに挨拶をして、馬車宿を出発していった。
「団長、すごいやつがいるものですね」
「うむ。あの若さであの動きができるとは、さすがの儂も予想外じゃな」
「はい」
「それにあ奴、魔法の腕も相当なものとわしは見ておる」
「!? いやはや、末恐ろしいですね」
ペトロと騎士団員はそんなことを話しながら兵舎へと戻っていくのだった。
馬車宿をでた司たちは順調に街道をすすみ、王都シモンを目指していた。アンデレを出てから3日が経ち馬車の旅にもだいぶ慣れてきた頃、次の駅馬車を目指していた司たちの所に騒がしい音が聞こえてきた。
「これは、森の動物達が騒いでいる? リッドさん、ディーちゃんと一緒に後ろに入っていてください。自分がいいと言うまで出てこないようにしてください」
「わかりました。ツカサさんは無理をしないようにしてくださいね?」
「はい」
司は街道のじゃまにならない所に馬車を止めると、精霊にお願いして馬車に変なものが近づいてこないようにして、音のする方に近づいていった。
「動物たちが集まっている?」
森に入って司が見たものは、大きな樹の根元に倒れている一人のダークエルフの女性だった。
(ダークエルフ? このへんにダークエルフの集落はなかったはずだ…)
女性に近寄り、司には倒れている女性が間違い無くダークエルフだとわかった。
ダークエルフ族はエルフ族と同じ森の種族であり、精霊の声を聞くことのできる一族である。よく、ダークと言う名前からいいイメージを持たれないが、得意な属性がエルフと違うだけで何らかわりはないのだ。
エルフは風と水、ダークエルフは火と土の精霊と相性がいい。
「あ…」
「大丈夫ですか?」
「お…、い…」
「なにが言いたいんですか?」
「お…、なか、すきま…、した」
その一言に司は大きく脱力してしまうのであった。
ミハイエルさんの一言
「お、お年寄りは大事にですし!? また女性にあってますし!?」
いかがでしたでしょうか?
ではまた。
旅の途中
【四条 司】パラメータ
年齢 15歳
種族 ハーフエルフ
職業 拳闘士
ステータス
体力 5000
精神力 6000
力 B (物理攻撃力・物理防御力)
魔 B (魔法攻撃力・魔法防御力)
速 B+ (回避)
器 B- (命中率)
運 AAA+(?)
※ステータスの値はFが最低でAAAが最高。さらにその中で『- ブランク +』の三段階にわかれている。(例 A- A A+ の順になります)
※普通の人の平均がFで、駆け出し冒険者はD-、一流と呼ばれるにはC+以上が必要になる。
※身体強化時、運以外のステータスが3段階上昇
スキル(基本持っているだけで発動する)
必要経験値1.5倍(ステータスが上がるのに必要な経験値が1.5倍になる。しかし、上がる時の幅が大きくなるかもしれない)
スキル習得率上昇(スキルが覚えやすくなるような気がする)
剣の加護 (剣類の扱いに+補正 極大)
拳の加護 (近接格闘に+補正 極大)
風の加護 (風系の魔法に+補正 極大)
光の加護 (光系の魔法に+補正 極大)
付与の加護(付与系の魔法に+補正 極大)
力の加護 (全ての攻撃力に+補正 極大)
魔の加護 (全ての魔法の威力に+補正 極大)
必要MP10分の1 (魔法を使う時のMP10分の1になるかもしれない)
賢者 (勉強がよく出来るかもしれない。物覚えも良くなるかも)
投擲の達人(スライムさんの串刺しとか可哀想ですし!?)
いつかはいいお父さんに (良い父親になれます可能性がある)
身体強化 (魔力を使っての身体強化)
縮地 NEW ((短距離の高速移動)
祝福
ミハイエルの祝福(ステータスが上がりやすくなるかもしれない)
称号 NEW
スライムハンター(スライムさんいじめすぎですし!?)
ドラゴンフレンド(ドラゴンさんとお友達ですし!)
闘う男 NEW (24時間戦えますし!?)