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前略 異世界の土の上から  作者: ハチ
王都旅行 編
15/16

第十四話 王都出発

どもです。

最近何故か忙しい模様…、 (´Д`)ハァ…


歳のせいなのか、遅くまで起きてられない…。

ま、あそんな感じです。

王都出発を明日に控え、一週間分の旅の準備を整えた司達は宿でのんびりしていた。


「~♪」


部屋の中では司の膝の上に座ったディーが機嫌よくクレヨンを使って絵を描いている。司は後ろから覗き込みながら、ディーが何を描いているのか考えていた。


「~♪」


リッドもそんな二人の横に座って司のようにディーが描いている絵を覗き込んでいた。


「ディー、背の高い人がツカサさん?」


「うん! おにいちゃんだよ!!」


ディーは絵を描く手を止めリッドの質問に答えると、元気よく顔を上げてそう答えた。


「どうして黄色の色をたくさん使ってるの?」


「おにいちゃんはねとってもやさしくて、いっしょにいるとたいようさんみたいにぽかぽかするの! だからきいろいろなの!!」


ディーはそう言うと満面の笑顔でツカサの方に振り返り、司もそれにつられるように笑顔を返す。


「ディーちゃん、この赤い人?」


「ままー!」


「ママは赤いの?」


「うん! ままはね、おにいちゃんといるといつもおかおがあかいの!! だからあかいろなのー!」


ディーはそう言い上がら今度はリッドの方に顔を向ける。


「もう、ディーったら!」


「やっぱりとまとさんみたいにあかいの!」


ディーが顔を向けた先には、ディーの言葉にほんのりと頬を染めたリッドがいた。司はそんな二人のやり取りを見て小さく微笑んでいる。

司達は明日には王都を出発してアンデレへと戻ることになる。ディーとリッドもこの旅行を喜んでくれたことが司にとっては一番嬉しいことだった。

司自身は特に自分の物で購入したものなどはないが、リッドとディーの服を何点かプレゼント用に購入していた。リッドは調理器具を何点購入し、ディーは司から画用紙とクレヨンを買ってもらっていた。


「ねぇねぇおにいちゃん!」


「ん? なんだいディーちゃん?」


「ディーはなにいろ!?」


ディーはそう言うと、司にクレヨンの箱を渡し、そしてとても期待した目で司を見ている。


「お兄ちゃんが塗っていいの?」


「うん!」


司はクレヨンに手を伸ばすと迷いなくその内の一本を手に取り、画用紙に描かれている司とリッドの間にいるディーを丁寧に塗っていく。


「ディーちゃんは真っ青な空かな? 青空を見てると楽しくなってくるから、お兄ちゃんの中ではディーちゃんは青色だね」


ディーは司から色を塗られた画用紙を渡されると満面の笑みを浮かべ、青色に塗られた自分をリッドに見てもらっている。


「良かったわねディー」


「うん! ディーはおそら-! ありがとおにいちゃん!」


こうして、王都最後の日はゆっくりと過ぎていくのであった。




第十四話

王都出発




「二人とも元気だった? 大変だと思うけど、アンデレまでよろしくね」


「「ぶるっ」」


司が二頭の首筋をなでるようにしてそう話しかけると、二頭は人泣きしてそれに応え顔を司にすり寄せていく。司はそんな二頭の鬣をもう一度なで、最後の馬車の点検を行う。

食料その他の積込みも問題なし、王都からアンデレまでの配達の依頼を受けた積荷も問題なしだった。


「リッドさん、そろそろ出発しようと思います」


「はい、こちらは問題ありません」


「ディーもいいよ!」


「よし、それじゃ出発―」


「ツカサよ、少し良いかの?」


いざ出発しようとした司達だったが、その時後から声を掛けられた。

司が声のした方に振り向くと、そこにはペトロと七条兼重が立っていた。


「ペトロさん! それに七条さんも! 一体どうしたんですか?」


「なに、お主がアンデレへ戻ると小耳に挟んでな。見送りにきたのだ。それと、こいつが少し話があるというでな、良ければ少しだけつきあってやってくれ」


「こうして面と向かって挨拶するのは初めてですね。七条兼重と言います」


「ハンターギルド所属、ランク3の司と言います」


「司さんですか…、すいませんが二人だけで少し話をしたいのですが、よろしいですか?」


「…わかりました」


そういうと、司と兼重はリッド達のいる場所から少し離れたところへ移動する。司は兼重がどういう意図で自分と話をしたいと言い出したのか、その真意を測りかねていた。


「ああ、そんなに警戒しなくても良いですよ。少しだけ私の話を聞いていただければ」


兼重はそう言うと、司の返事を待たずに話を始める。


「私はこの世界の人間ではありません。私たちの呼称では地球と呼ばれる星の日本という国からやってきました」


司は兼重の言葉を聞きやはりという思いだった。司が最初にもらったこの世界の一般常識では、日本名というのは使われていなかった。それに、司の目から見て、目の前にいる七条兼重は黒髪、黒目のどう見ても日本人だった。


「今から五年前に私はこの世界に召喚されました。私を召喚したのはこの国を奪い取ろうとする邪教徒でした。もっとも、召喚陣に間違いがあったのか、召喚の余波でその場にいた邪教徒は全員死んでいましたがね。幸い、召喚されたのが王都の地下だったので、地上に出た私は邪教徒の壊滅を指揮していたペトロ爺さんに拾われたのです。あ、ちなみにこの世界では、別の世界から来たと思われる人達を『異神』と呼ぶそうですよ」


そう言って兼重は肩をすくめ、司は少しだけ振り向いてペトロを見る。


「爺さんに保護された私はとりあえずこの世界での一般常識等を教わりながら、この世界の魔法をいろいろと調べたりしていました。ですが、ある日この国の姫御子に神託が下りました。『異界より現れし異神は、魔を滅し闇を払う勇者なり』って感じで。それでその時確認されていた異神が私一人だったので、勇者にさせられたのです」


そういって兼重は司を意味ありげに見る。その視線を受けて司は、兼重は多分司が何らかの形でこの地にやってきた人間だと確信を持っているのだろう。


「私がこの世界に来たのは1年前、私たちの世界で西暦2012年です。私のいた国、日本では皇暦144年でした」


「皇暦?」


司は聞き慣れない年号に首をかしげ、それを見た兼重も少しだけ怪訝そうな表情を浮かべる。


「司さん、単刀直入に行きますが貴方は別の世界、日本という国から来たのではないですか?」


司は兼重の言葉に首を縦に振ることで答える。


「やはりそうですか。ですが貴方は皇暦を知らないのですね?」


「はい。私がいたのは西暦2013年、その時の日本の年号は平成でした」


それから二人は簡単に互いの国の情報を交換しあった。歴史自体は大まかに似ているのだが、大きな違いが二点あった。

一つは、平安時代の終わりに陰陽寮が独自の魔術体系を確立し『神術』という名前で以降は呼ばれることになり、それは幕末に開国をしたことにより、国外の魔術などを取り入れたことで明治初期に完成されるに至った。

二つ目の違いは、日本が戦争で負けなかったことがあげられる。

日本は世界大戦時どの国にも攻め込まず、専守防衛を貫き通したのだ。日本が海外に軍隊を派遣したの数回だけで、同盟国であるイギリスの為に軍隊を派遣したことがあるだけであった。


「と言うことは私たちは日本という国から来たのは間違いはないが、どうもパラレルワールドの日本だったみたいですね」


パラレルワールド、ある日ある分岐を境に全く別の歴史を歩んだ世界のことである。

もっとも、自分は女神の力で異世界にやってきているし、兼重は召喚されてこの世界にきているので、いまさらという感じでもある。


「よければ貴方のことを聞かせていただけますか?」


兼重からの質問に答えるかどうするか、一瞬だけ司は悩んだが自分のことを話すことにした。


「…なるほど、女神の力でこの世界に…」


「そうです。元の世界の自分は五十五歳で死にました。そして、気がつけば女神の前にいてこの肉体でこの世界で暮らせることになったんです」


「五十五歳…?」


「はい。今は体に精神が引っ張られているようで、この体は十五歳の年齢になります」


「そうですか。それでは最後に聞かせていただけますか。貴方の地球での名前は、なんというのですか?」


「四条 司と言います」


「四条ですか…。ありがとうございます。もしなにか困ったことがあれば、自分を頼ってください」


「ありがとうございます。もしもの時は遠慮なく頼らせてもらいます」


二人は最後に握手をし、リッド達の待っている場所へと戻っていく。

司と兼重、初めての出会いから数日が立っていた。異なる日本から同じ異世界にやってきた二人、これが生涯の友になる二人の初めての会話であった。

いかがでしたでしょうか?

ではまた。


王都出発時

【四条 司】パラメータ


年齢 15歳

種族 ハーフエルフ

職業 魔拳士

ステータス

体力  7500

精神力 8300

力 A (物理攻撃力・物理防御力)

魔 A+ (魔法攻撃力・魔法防御力)

速 A+ (回避)

器 A (命中率)

運 AAA+(?)

※ステータスの値はFが最低でAAAが最高。さらにその中で『- ブランク +』の三段階にわかれている。(例 A- A A+ の順になります)

※普通の人の平均がFで、駆け出し冒険者はD-、一流と呼ばれるにはC+以上が必要になる。

※身体強化時、運以外のステータスが3段階上昇


スキル(基本持っているだけで発動する)

必要経験値1.5倍(ステータスが上がるのに必要な経験値が1.5倍になる。しかし、上がる時の幅が大きくなるかもしれない)

スキル習得率上昇(スキルが覚えやすくなるような気がする)

剣の加護 (剣類の扱いに+補正 極大)

拳の加護 (近接格闘に+補正 極大)

風の加護 (風系の魔法に+補正 極大)

光の加護 (光系の魔法に+補正 極大)

付与の加護(付与系の魔法に+補正 極大)

力の加護 (全ての攻撃力に+補正 極大)

魔の加護 (全ての魔法の威力に+補正 極大)

必要MP10分の1  (魔法を使う時のMP10分の1になるかもしれない)

賢者         (勉強がよく出来るかもしれない。物覚えも良くなるかも)

投擲の達人(スライムさんの串刺しとか可哀想ですし!?)

いつかはいいお父さんに (良い父親になれます可能性がある)

身体強化 (魔力を使っての身体強化)

縮地((短距離の高速移動)

魔術の基礎  (基本は大事ですし!)

お手玉三段  (7つまでいけますし!)



祝福

ミハイエルの祝福(ステータスが上がりやすくなるかもしれない)

精霊たちの主様  (主様とか不、不潔ですし!?)


称号

スライムハンター(スライムさんいじめすぎですし!?)

ドラゴンフレンド(ドラゴンさんとお友達ですし!)

闘う男 (24時間戦えますし!?)

精霊の主 (主様とか以下略ですし!?)

教えを請うもの (勉強は大事ですし!)

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