第一話 無双転生
タグに偽り! あるかもしれない内容です。
まぁ、よろしくお願いします。
「はぁ。…つまり私は生き返れると言うことですか?」
「簡単に言うとその通りです」
「はぁ。…しかも、生き返った先の世界で楽に過ごせる特典をもらえて?」
「そうです」
「はぁ。…そしてそのための条件というのが」
「別の世界に行ってもらうことです」
白一色に覆われた世界にもう何度めになるかわからない、同じ会話が木霊するのであった。
【前略 異世界の土の上から】
第一話 無双転生
「人の魂は輪廻転生を繰り返します。でも、それが同じ世界だけでとは誰が決めたのでしょうか? そう! 人の魂は、時間も! 距離も! 世界をも越えていくのです!」
男の目の前にたつ女性はそう力説すると、男に詰め寄っていく。
「はぁ。でも、何で俺なんですか?」
「貴方が選ばれた理由ですか? 理由は至って簡単です。貴方は生前にとても良い行いをしました。その結果、貴方の死後、貴方に心からの感謝を捧げた人が規定数に達したのです。そのため、貴方には転生する権利が与えられたのです。異世界ですが」
「はぁ。でも、自分そんな事した覚えないんですけど?」
「貴方がどんな気持ちでしたかは関係ありません。結果、貴方がした行動によってその人達は救われ、あなたに感謝をしているのです」
男は女性の説明に納得いっていないのか首をかしげている。女性はそんな男を見て苦笑するが、このままでは埒があかないと踏んだのか、強引に話を進めていく。
「それでですね、貴方が生まれ変わる前にしてもらうことがあります。これです!」
そう言って女性が取り出したのは、タブレット端末だった。
「今からこれを使って貴方には数値を割り振ってもらいます。ゲ-ムで言うとこのステータスの割り振りと特技の習得ですね。私邪魔しないように向こうに行ってますので、出来たら呼んでください」
そう言って女性は少し離れたところへ行き姿を消し、一人残された男は仕方なくタブレット端末を手に取ってみると、そこにはこう書かれていた。
『四条 司 残りポイント100000P』
男はそのポイント数が多いのか少ないのかわからないが、何時までもこの真っ白な世界にるわけにも行かないのでとりあえず、タブレット端末を操作してポイントを割り振っていく、なんだかんだ言って案外乗り気なようであった。
「それではこれからあなたが生活する世界を説明させて頂きます。世界の名は『ユグド』あなたの世界でいう中世という時代の文明レベルの世界です。但し、あなたの世界と全く違うところは、世界には様々な種類の人が生活し、凶暴な魔獣と呼ばれる生き物が多く生息しています。特に悪魔族という種族はその世界に住む様々な種族の共通の敵と言われ、特に高い能力を持っています。悪魔族や魔獣は人を襲いますが、人はそれに対向するための力を持っています。それは魔法であったり、スキルといわれる技であったりと、多種多様になります」
「はい」
「今のことを踏まえた上で、スキルとステータスを決めてください」
「わかりました」
そして、ポイント割振り開始から約2時間司は少し離れたところにいる女性に声を掛けた。
「出来ましたー」
だが、司が声を掛けても女性は反応せず、不審に思った司はもう一度名前を呼んでみると、名前を呼ばれてから少しして体を、ビクッ! と振るわせあたふたと当たりを見渡してから、女性は司の元にやってきた。
「…寝てましたね?」
「ね、寝てませんし!?」
「…今、ビクッ! てなりましたよね」
「な、なってませんし!? あ、あれは筋肉動かす特訓ですし!?」
「…不随意筋肉の痙攣なのに?」
「う、動かせますし!? 不随意筋肉でも動かせますし!」
「…へぇ」
「…」
司の追求に女性はだんだんと涙目になってきていた。司にしても別に寝てても全く問題なかった訳なので、この話はとりあえずこれで終わらせることにした。
「ポイント割り振り、終わりました」
「確認させて頂きますね」
司からタブレット端末を受け取った女性は、割り振られたステータスを見ていく。最初は普通に見ていた女性だったが、途中から珍しいものを見るような感じになっていた。
「今までいろいろな方がポイントを振ってこられましたが、あなたのような振り方をされる方は珍しいですね」
「そうなんですか?」
「はい。大抵の方が最初から強いほうがいいということで、パラメーターにポイントを多く振られますね」
女性の言葉に司も思い当たる節がある。最初司もパラメーターに多くポイントを割り振ろうとしたが、折角新しい世界にいけるというのならばその世界を精一杯生き、十分に楽しみたいと考え、才能に関する才能を多くとったのだった。
「ユグドに行く時にその世界の基本情報はわかるようになっていますが、それは一般の人が知る程度のものです。それ以上に知りたいことがあれば、自分の眼で見て、自分の力で探してみてください。あまり長々と説明してもあれですから、なにか聞きたいことはありますか?」
「自分はその世界で好きなことをしていいんですか?」
「もちろんです。あなたは自分の好きなように生きていいのです。ただし、その結果には全て自分で責任を取らないといけません。悪いことをしてその世界の警察機構に捉えられるかもしれません。冒険に出た先で魔獣に殺されるかもしれない。その全てがあなたの考えた結果によるものになります。この部屋からでた瞬間から、私たちはあなたの行動には干渉することはありません。まあ、あなたの行動に対して何かしらのプレゼントはあるかもしれませんが」
その後、女性の説明を聞いた司はいよいよ、新しい世界に行くこととなった。
持ち物は、予めポイントを使って手に入れていたお金20万Eと、大きさ以上のものを収納できる袋、ミスリル製の篭手と脛当て、バジリスクの皮で作った道着、ミスリルナイフ×2、後は回復用のポーションが20個ほどだ。
「ええと、年齢は15歳、種族はハーフエルフですか。でしたら寿命まで生きれば500歳まで生きられます。だいたい人間の寿命が70歳、エルフの寿命が800歳ですね」
女性はそこまで言って一度呼吸を整え真剣な表情で司を見つめてきた。その表情に、自然と司も姿勢を但し真剣な表情をする。
「私の名はミハイエル、人の才能と努力を尊びます。私の名はミハイエル、新たな世界へと旅立つ『四条 司』に祝福を』
女性の、ミハイエルの言葉が終わると同時に司の体が淡く光ったが、すぐにそれは治まり元の状態に戻った。
そして、司の目の前にはいつの間にか扉が現れていた。
「では、良い人生を」
「…あまり居眠りしてたら怒られますよ?」
「ね、寝てませんし!? 起きてましたし!?」
「ははっ。お世話になりました。またいつか逢うことがあれば、その時にはたくさんのみやげ話をさせてもらいます。…ありがとう」
司は最後にそう言い残し、扉をくぐっていった。
物語開始時
【四条 司】パラメータ
年齢 15歳
種族 ハーフエルフ
職業 戦士
ステータス
体力 1000
精神力 1000
力 E (物理攻撃力・物理防御力)
魔 E+ (魔法攻撃力・魔法防御力)
速 E+ (回避)
器 E+ (命中率)
運 AAA+(?)
※ステータスの値はFが最低でAAAが最高。さらにその中で『- ブランク +』の三段階にわかれている。(例 A- A A+ の順になります)
※普通の人の平均がFで、駆け出し冒険者はD-、一流と呼ばれるにはC+以上が必要になる。
※身体強化時、運以外のステータスが3段階上昇
スキル(基本持っているだけで発動する)
必要経験値1.5倍(ステータスが上がるのに必要な経験値が1.5倍になる。しかし、上がる時の幅が大きくなるかもしれない)
スキル習得率上昇(スキルが覚えやすくなるような気がする)
剣の加護 (剣類の扱いに+補正 極大)
拳の加護 (近接格闘に+補正 極大)
風の加護 (風系の魔法に+補正 極大)
光の加護 (光系の魔法に+補正 極大)
付与の加護(付与系の魔法に+補正 極大)
力の加護 (全ての攻撃力に+補正 極大)
魔の加護 (全ての魔法の威力に+補正 極大)
必要MP10分の1 (魔法を使う時のMP10分の1になるかもしれない)
賢者 (勉強がよく出来るかもしれない。物覚えも良くなるかも)
祝福
ミハイエルの祝福(ステータスが上がりやすくなるかもしれない)
はい、こんかんじです。
ではまた。