田中はどうやら本物です
予想だにしていなかった展開に固まる中田の脳内は刹那の時間で目まぐるしいほどの思考が飛び交っていた
いやいやいや~ダメだろダメだろ~!本当に出来ちゃダメだろー!!
有り得ないだろ・・・うん、有り得ない!
もっとこう・・・やっぱり変な形の痣とか見せて
「〇〇家の紋章ー!」だろ正解は!いや、正解とかねーけど・・・
てか何だよアレ!『メラ』かよ『メラ』!!!
いや待てよ・・・アレ大きさ的に『メラ』って言うより『メラミ』じゃね?本物見た事ねーけど
・・・って見れねーよ!!!見れちゃ不味いだろ!見れちゃ!!
でも大魔王様なら『アレはわしのメラだ!』みたいに言うんだろうな・・・
取り敢えずちゃんと証拠見せてくれたし何か言わんと気まずいな・・・
中田はありとあらゆる葛藤の中で言葉を絞り出した
「わ、悪いな・・・ホモだって疑って・・・」
速攻で返す田中
「第一声そこ!!?違うでしょ!もっとツッコむとこいっぱいあったでしょ?」
困惑の表情を隠せないまま中田は
「アレって『メラ』?『メラミ』?流石に『メラゾーマ』ではないよな?」
「それゲームのだろ?違げーよ!それパクリじゃんか!」
「これ出来るようになった時必死で一晩中名前考えたんだよ・・・」
「へー!何て言うんだ今の?」
「『ファイラ』だ!」
「ダメだろ!『ラ』はダメだろ!『ラ』は!それもパクリじゃん!」
「あ、あるのか?一晩中寝ないで考えた名だぞ?有り得ないだろ!」
「ああ、どっかの黒魔導師が使える魔法だ!変えろ!」
「そ、そうなのか・・・じゃあ『ファイガ』ってのはどうだろう?」
「流石にこれは大丈夫だろ?」
「さてはお前知ってるな。超有名ゲームだし」
「あるのかよ~八方塞じゃねえか~」
「離れろよそのゲームから!何だったらもういっその事『ファイヤー』とかで良いんじゃね?」
「嫌だよ、普通じゃん。見たまんまじゃん。」
「もっとカッコいいのプリーズ!『邪王炎殺黒龍波』みたいなのプリーズ」
「龍出ねーじゃん。今日は無理だから明日までには考えておいてやるよ」
「恩に着るよ~流石親友~!」
「じゃあ今日は取り敢えず帰るわ」
立ち去ろうとする中田
「おう!でも一つだけ言っておきたいんだけど・・・」
立ち止まる中田
「ん?何?」
「俺、龍位なら出せるよ。」
予想を遥かに超えた言葉に中田は「きっと本当に出せるんだろうなぁ」と一つの答えを導き家路を急いだ




