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最終章 地獄の血戦、迫る

モニークが消えた瞬間、カスミたちがその場で崩れるように座り込んだ。

「あの・・・私たちを襲ったあいつら、何者なんですか?」

グリードリヒは華を見てそう言った。

「黄金の剣技を使っていた奴は剣神モニーク、もう一人に関しては憶測でしかないけれど、"封じる者"っていう暗黒神だと思う」

華はそう言うと拳銃に信号弾をセットした。

「封じる者・・・」

カスミたちは上空に向かって信号弾を打った華を見てそう言った。

「剣神モニークはどうして封じる者が来たことに驚いていたの?それに、裏切り者って・・・」

アイリアは華を見てそう言った。

「わからない」

華は薄い雲がかかった空を見てそう言った。

「・・・」

ヒルデガルトは優しく胸を押さえる。

「大丈夫よ。夜見はそんな軟じゃない」

華はヒルデガルトを見てそう言った。

「・・・気付いていたのか・・・」

ヒルデガルトは華を見てそう言った。

「一年も経てば機能は回復する」

「あいつの近くに居るだけで神気が削られる感覚が絶えなかった。まるで巨大な気気滅却瓶に閉じ込められているような感覚だった」

ゆっくりと立ち上がったヒルデガルトは華たちの近くに座った。

少し休憩していると信号弾を確認した飛行船が地上に来た。

「よっしゃー!帰れる!!」

キャリッシュは伸びをしながら嬉しそうに言った。

「じゃあ、戻ろうか」

華はカスミたちを見て笑みながらそう言った。


同年、六月二十九日。

七陽の勇者が帰還し、各地で宴会が始まったようだ。

私たちは華の帰還を祝して家族全員で食事を行う。

「今回もよく頑張ってくれました」

梨々香は華を見て笑みながらそう言った。

「もっと褒めて。すっごく頑張ったんだから」

華は梨々香と白梅を見て笑みながらそう言った。

「はい、よく頑張りました。今日はクリームスープを飲んでゆっくりと休みなさい」

梨々香は華を見て笑みながら言った。

「うん!」

華は嬉しそうに笑みながらそう言った。


-虚空領域(こくうりょういき)望喰(ぼうしょく)黄金世(おうごんせい)-

「・・・」

濁り湯に浸かる黒眼、長い黒髪の真っ白な肌の女性は天井の壁画を見つめる。

日本という国に生まれ、人として過ごしてきた私は、ある日六律(ろくりつ)栄地(えいち)という異世界に転生した。

私はその地で黒魔女(くろまじょ)権能(けんのう)という力を手に入れ、その力を使っていくうちに自分が原初の存在であることを知った。

原初の存在、創造と再生の権化・金華。

私はこの力を使って白き魔神と戦った。

白き魔神との戦いの末、私たちは勝利した。

しかし、私たちは帰る場所を失った。

私は帰る場所を失った魂に帰る場所を与えるために新たなる世界を創造した。

それがこの四影世界(よんえいせかい)だ。

「・・・」

黒眼、黒髪ロングヘア、黒いドレスを着た真っ白な肌の女性は歩みを進める。

私は帰るべき場所を失った者たちのために奔走してきた。

そんな私を裏切る者が現れるなど信じられなかった。

禁忌(きんき)(ろう)に足を踏み入れ、剣王(けんおう)の領域と禁忌の牢を繋いだ裏切り者が現れた」

黒眼、黒髪ロングヘア、黒いドレスを着た真っ白な肌の女性、望喰真影(ぼうしょくしんえい)は片膝をついて頭を下げる暗黒神と魔塊を見てそう言った。

「それだけに留まらず、度重なる敗北・・・」

望喰真影が怒りが籠った声でそう言うと魔塊たちが弾け飛んでモニークが液状神気を吐いた。

「大聖の一匹すら討ち取れないとはな・・・お前には失望したぞ、モニーク。私は心の底からお前を侮蔑するようになった」

望喰真影はモニークを見てそう言った。

「次こそは・・・次こそは必ず討ち取ります・・・ですから・・・力をお貸しください・・・」

液状闇を口から垂らすモニークは頭を下げたままそう言った。

「なぜ大聖程度に負ける弱者に力を貸さねばならぬのだ?」

「・・・」

モニークは頭を下げたまま黙った。

「力は貸さない。お前の力だけで勝手に戦え」

望喰真影はモニークを見てそう言うと暗黒の霧になって消えた。

「テルメス」

モニークはテルメスを呼び止めた。

「何?」

テルメスはモニークを見てそう言った。

「もう一度、私と共に戦ってくれないか?」

モニークはテルメスを見てそう言った。

「・・・」

テルメスはモニークを見つめる。

最後まで読んでいただきありがとうございました

次回は華ノ話 第五話-黄金の夢見神-です

なお、華ノ話の番外編をいくつか挟んでからの連載となります



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