二十五章 真なる姿はまだ現れず・・・
「・・・」
アニカの魔杖を握ったエクスカリナはモニークの剣技を最低限の行動でいとも簡単に回避した。
「壊刃！！」
銀華の大剣を生成して握った華はエクスカリナに銀華の大剣を振った。
「・・・」
エクスカリナは舞うように銀華の大剣を避けた。
「ッ！！」
華が驚きながらエクスカリナの顔を見たその瞬間、突風が吹き荒れて華が吹き飛ばされた。
「ハァァァァ！！！！」
黄金騎士剣を握ったモニークは吹き飛ばされる華を踏み台にしてエクスカリナに連続で剣技を放った。
ダメだ・・・当たらない・・・
あいつはモニークの剣技を全て避ける。表情一つ変えずに・・・
「ユーヴィの結晶」
アニカの魔杖を握ったエクスカリナがそう言うと凄まじい数の尖った結晶がモニークに向かって放たれた。
「・・・」
モニークは尖った結晶を全て一気に冷や汗をかきながらも尖った結晶を全て斬って黄金騎士剣を構えた。
「な、なんじゃあの速度・・・」
流れ弾を避けるキャリッシュはモニークを見てドン引きしながらそう言った。
「さっさと帰れ！エクスカリナ！！」
モニークはそう大声で言うと至近距離で剣技を放つ。
しかし、また簡単に避けられた。
本当に当たらない・・・あんなに強い奴の攻撃がここまで当たらないなんて頭がおかしくなりそうだ。
「グレイスの雷」
アニカの魔杖を握ったエクスカリナがそう言うとモニークに雷が落ちた。
（なんて速さだ・・・もう次が来る・・・）
雷を受けたモニークは驚きながらエクスカリナから溢れ出す風を見た。
「ウィンドグルの嵐」
アニカの魔仗を握ったエクスカリナがそう言うとモニークが突風で吹き飛ばされた。
「凄まじい奴だな！お前は！！」
吹き飛ばされるモニークは笑いながらそう言った。
「壊刃・・・」
銀華の大剣を握った華はエクスカリナに銀華の大剣を振った。
「・・・」
エクスカリナはいとも簡単に斬撃を避けた。
「二連！！」
華はそう言いながらもう一度銀華の大剣を振った。
「斬れた！！」
カスミたちは胴が割れるように切り裂かれるエクスカリナを見て笑みながらそう言った。
「流石は現人神だ！」
笑みながらそう言うモニークがエクスカリナの腕を掴んだその瞬間、エクスカリナが霧のようになって消えた。
「幻影ッ！？」
モニークは白い霧を見て驚きながらそう言った。
「レオニクの炎霊」
アニカの魔仗を握ったエクスカリナはモニークの背中にアニカの魔仗を突き付けてそう言った。
「ッ！！」
モニークは振り向く暇もなく炎に包まれて吹き飛ばれた。
「思ったよりタフだね」
エクスカリナは立ち上がるモニークを見てそう言うとアニカの魔仗を消滅させた。
「私はヴェルノーレの黄金騎士だ・・・簡単に倒れはせんよ・・・」
モニークはそう言いながら黄金騎士剣を構えた。
「・・・」
ライルの魔短剣を生成して握ったエクスカリナは飛んでくる剣技を消滅させてモニークを冷たい目で見つめる。
「・・・」
エクスカリナは振られる黄金騎士剣をライルの魔短剣でいとも簡単に弾いてモニークを大きくのけ反らせた。
「ッ！！」
ライルの魔短剣で突き刺されたモニークは液状神気を吐いた。
「この程度でクラウスになったつもりでいるなんて笑いすら出ないよ」
エクスカリナはモニークを見てそう言うとライルの魔短剣を抜いてモニークを蹴り倒した。
「う・・・嘘だ・・・悪い夢なら覚めてくれ・・・」
カスミはエクスカリナの影から次々と現れるエクスカリナを見てそう言った。
「・・・」
銀華の大剣を握り込んだ華は地面を強く踏む。
ラヴィ様を中心に空気を割るような神気風が広がって小さな花が砕け散っていく。
「レイニの死光」
舞うように浮かび上がった大量のエクスカリナは空中で静止して一斉にアニカの魔仗を構えた。
一斉に放たれた赤黒い光が一点に集まり、巨大化した光が地上をめがけて降る。
「破壊ッ！！」
ラヴィ様が振り上げる動作をしたその瞬間、地上に降り注がんとする光が、光を放ったエクスカリナと呼ばれる少女たちがガラスのように砕けて割れていった。
その瞬間、白い霧が弾けるように消えて私たちはいつの間にか剣神モニークと戦った大陸東部に戻ってきていた。
「・・・」
モニークがゆっくりと立ち上がる。
「ッ・・・！！」
モニークを見たカスミたちは最上大業物を構えた。
「裏切り者を・・・裏切り者を探さねば・・・」
モニークはそう言うと暗黒の霧に包まれて消えた。
次回
最終章 地獄の血戦、迫る
