二十四章 東月に集いし勇者たち・・・
剣神モニークが剣を構えた。
次の攻撃が来る。この子たちを気にしながら防がなきゃいけないなんて難しすぎる。
「・・・」
聖剣サンフラワーを握った華と黄金騎士剣を握ったモニークが接近したその瞬間、悲鳴のように聞こえる轟音と共に地面が真っ白に染まって青白い光がドロドロと広がり始めた。
「ッ!!」
モニークは驚きながら地面を見る。
「体が楽になってく・・・」
キャリッシュは体から消えていく神気浸食症の症状を見て驚きながらそう言った。
「この感覚・・・気気滅却法だ!」
ヒルデガルトは苦しみながらそう言った。
「・・・この匂い・・・この匂いは・・・」
ソラは華とモニークの足元に広がる青白い泥沼を見てそう言った。
「マジか・・・ついに出てきやがった・・・」
華は音もなくゆっくりと青白い泥沼のようになった地面から這い上がってくる少女を見て冷や汗を垂らしながらそう言った。
「地獄を見せてやる・・・」
青白い液状神気塗れの白い髪を垂らした少女がか細く綺麗な声を発した瞬間、白い霧が青白い沼から爆発するように噴き出して大陸東部を包み込んだ。
雨と土の香り・・・見たことがない青色の小さな花が咲く真っ白な地面、表現できない寂しい色の空、こんなにも寒くて悲しい場所は見たことがない。
どこかに転移させられたのかな。
「はぁ・・・!?何ここ!?」
周りを見るアイリアは起き上がりながらそう言った。
「寒っ!気味悪い!」
慌てて起き上がったミッケは周りを見ながらそう言った。
「師匠!?」
ソラはアイリアを見て驚きながらそう言った。
「母さん!!」
キャリッシュはミッケを見て驚きながらそう言った。
「どうして師匠たちが・・・」
グリードリヒはカスミたちを見て困惑しながらそう言った。
「・・・界創術・・・?」
華は周りを見てそう言った。
「・・・」
顔を見合わせた勇者たちは一斉に一方向を向いた。
「・・・君だね・・・?使ったら小さな花になって崩れるハンカチの持ち主は・・・」
ソラは紫陽花畑に立つ青眼、色が抜けた水色髪ロングヘア、白色の綺麗なワンピースを着た少女を見てそう言った。
「・・・」
青眼、色が抜けた水色髪ロングヘア、白色の綺麗なワンピースを着た少女は振り向いてソラを見た。
驚くほど澄んだ瞳・・・溢れ出す神気に威圧感なんてない。
長く垂れる前髪さえなければきっと可愛い子だ。
「・・・なぜこの俗世に居る・・・」
黄金騎士剣を握ったモニークは青眼、色が抜けた水色髪ロングヘア、白色の綺麗なワンピースを着た少女を見てそう言った。
「エクスカリナ!!」
モニークは黄金騎士剣を構えて怒鳴った。
「恐ろしい・・・末恐ろしい」
青眼、色が抜けた水色髪ロングヘア、白色の綺麗なワンピースを着た少女、エクスカリナはそう言うとアニカの魔杖を生成した。
「大した覚悟もなく人を騙して幸せになろうとする恐ろしき生き物たち・・・加えて罪の自覚すらないとは・・・」
エクスカリナがアニカの魔仗をゆっくりと握り込んだその瞬間、青色の紫陽花が一気に変色して赤色になった。
圧倒的な殺意と圧倒的な威圧感が私たちを襲う。
まるで見えない神気風を受けているような感覚だ・・・
「お前たちに必要なものはやはり絶望だ」
アニカの魔仗を握り込んだエクスカリナはゆっくりと浮かび上がった。
「フェルタの氷風」
アニカの魔仗を握ったエクスカリナがそう言った瞬間、冷たい風が吹き荒れた。
「状況説明!」
ソラの腕を掴んだアイリアは下がりながらそう言った。
「あの金色の鎧をつけた奴は剣神モニークという暗黒神です。あの魔法使いの正体は不明です」
ソラは剣技を放つモニークとエクスカリナを見ながらそう言った。
「こっちは調査中に発見したテルメスを追跡していた最中白い霧に襲われた。白い霧に呑まれたと思ったらここに居た」
アイリアはソラを見てそう言った。
「白翔長官は?」
ソラはアイリアを見てそう言った。
「わからない。何とか逃げたのかも」
「白翔長官なら陛下たちを呼んでくれるかも・・・」
「そうだね」
アイリアはそう言うとフェルタの氷風をみた。
目に見えないほどの速さで放たれたモニークの剣技は冷たい風に穴をあけてエクスカリナと呼ばれる少女に向かった。
剣神モニークの攻撃をいとも簡単に回避する封じる者・エクスカリナ
華は封じる者・エクスカリナを打ち破るため四華の力を解放する
次回
二十五章 真なる姿はまだ現れず・・・
封じる者・エクスカリナ
四華神力、昼華が生み出した意思ある影。
封じた者の力を己の物にして戦う。
身長 百五十五センチ
体重 五十四キロ
髪色 薄青
髪型 ストレートロング
使用する武器 アニカの魔杖




