十四章 出撃、統制討伐隊
同年、六月二十五日。
僕たち統制討伐隊が出撃する時が来た。
目指す場所は統制の本拠地と化した旧月浜。
メンバーはソラ、カスミ、キャリッシュ、華、そして、僕ヒルデガルトだ。
アタッカーになるのはカスミと殿下、サブアタッカーはキャリッシュ、シールダーは私、ヒーラーはソラになるだろう。
「殿下ー!」
神護国民たちは華を見て嬉しそうに小さな旗を振る。
「天気が変わりやすい時期なので体にお気をつけて」
華は神護国民たちを見て笑みながらそう言った。
「頑張ってください!!」
「はい、頑張って参ります」
華は挨拶しながら船に乗り込んだ。
「結構すごい船っすね!」
キャリッシュは飛行船団を見て笑みながらそう言った。
「殿下が居るだけでこんな待遇よくなるんだね・・・」
カスミは蔑んだ目でグラディス・オブ・イェーツを見て笑みながら言った。
「どうして魅惑魔塊の時は船を用意してくれなかったんですか?私たち、七陽の勇者なのに・・・」
ソラはグラディスを見てそう言った。
「民が抱く印象が違うからだ。殿下は華千﨑家のご息女として恥のない素晴らしい行動をしてきた。お前たちと違ってわかりやすい実績がある」
グラディスはヒルデガルトたちを見てそう言った。
「・・・」
ヒルデガルトたちはグラディスから目をそらして黙った。
「七陽の勇者だけでこんな船団に乗るなんてニュースになってみろ。報道各社の特ダネになって信用がなくなるぞ」
「突っ立ってないで早く乗ってくれない?離陸できない」
船の出入り口に立つ華はヒルデガルトたちを見て大声でそう言った。
「さっさと行け。あまり待たせると不敬罪だと騒がれるぞ」
グラディスはそう言うと報道各社の記者たちを見た。
「・・・」
ヒルデガルトたちは黙って船に走っていった。
「行って参ります」
ソラはグラディスを見てそう言った。
「アリスに似て律儀なやつだな」
グラディスはソラを見て笑みながらそう言った。
「いってらっしゃい!」
グラディスは笑みながらそう言うと力強くキレのある動きで二回手を振った。
「・・・」
ソラは嬉しそうに船に向かって走っていった。
グラディスに何か言われたのか、ソラ以外の七陽の勇者が落ち込んでいる。
私たちが船に乗り込むと飛行船団が離陸した。
私たちは部屋まで移動して部屋に入った。
部屋を見た瞬間、七陽の勇者の表情が明るくなった。
「めっちゃ豪華!!」
ソラは目を輝かせながらそう言った。
「すげぇ!!」
キャリッシュは目を輝かせながらそう言った。
陰気な雰囲気も消えて室内は賑やかになった。
会議で緊張していたソラも今回は大丈夫そうだ。
「私・・・暗黒神相手に何すれば良いですか?」
ソラは華を見て不安そうに言った。
「烏輪の勇者がやるべきことをやればいい」
華はソラを見てそう言った。
「烏輪の勇者がやるべきこと・・・」
ソラは華を見てそう言った。
「一人では勝てなくても、各々が自分の役目を理解して力を合わせれば暗黒神だって倒せる」
華は前を見ながらそう言った。
「あなたたちはパパが認めた七陽の勇者なんだから」
華がそう言うとカスミたちが目を輝かせて拳を握り込んだ。
感動、その後に再び強固に固まる決意。
この七陽の勇者たちはまだまだ成長する。
凄まじい可能性を秘めている。
華のために用意された超豪華飛行船、エンティオール号で豪華な食事を
次回
十五章 船内で豪華な食事を




