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Flame,Plus  作者: 鉄箱
27/42

第二十話 虹睨祭編① 爪痕

学校の倉庫の奥。

その場所に、大きな箱があった。


布のようなものでがんじがらめにされて、厳重に封印されている、箱だった。


だが、その厳重な封印も、過去のもの。

手入れがされていなかったのか、もうぼろぼろだった。


――カタ


その箱が、揺れる。

見ているものが居れば、気のせいだったと感じる程の、小さな揺れだった。


――カタカタ


繰り返し揺れる。

だが、まだ揺れは小さい。


その箱に近づく影があった。

どこにでもいる、何の変哲もないネズミだった。

物音に反応して警戒し、何もいないことを確認して出てきたのだろう。

ネズミはそのまま、餌を探す。


やがて目に止まったのは、先ほどまでの音の発信源である、箱だった。

ネズミはその箱に近づくと、箱に巻かれた布を囓りだした。


――カリカリカリカリ、カリ


だんだんと緩くなってきた布が、一枚、また一枚と地面に落ちる。

ついに全ての布が落ちたとき、ネズミは折角あらわにしたのに、箱に侵入せずに逃げていった。


新たに人の気配を感じたのではない。

自分たちの――生きとし、生けるものの、天敵の“匂い”を感じ取ったためだった。


――カタ、カタカタ、カタカタカタカタ


箱が、揺れる。

先ほどまでのように小さいものではない。

大きく、箱から飛びださんと、中のものが揺れているのだ。


――ゴトンッ


そしてついに、箱が倒れる。

中から転がって出てきたのは、壺だった。


不気味な程に真っ白な、壺。


その壺から、黒い煙が生まれた。

煙はやがて人の形をとると、その壺を持ち上げた。


そして――――どこかへ、消えていった。











Flame,Plus











十月四日の月曜日、朝のLHRを、楓がにこやかに始めた。


「さて、それじゃあ、今日のロングホームルームは――“虹睨祭”の出し物について決めるぞ!」


虹睨とは、虹が具現化した龍を指す。

その虹睨の名を持つ行事……それが、楼城館女学院の“文化祭”の、名前だった。


「虹睨祭では、入場客による投票が行われる。その投票で一位を手に入れると、応龍祭同様に内申に色がつく。まぁ、そうでなくても伝統ある、名誉の賞だ。頑張れよ」


簡単に概要だけ話すと、楓は教室の端へ行き、パイプ椅子に座る。

入れ替わるようにミアが教壇に立つと、指揮を執り始めた。


「それでは、まずは用紙を配るから、それに希望する出し物を書いてくれ」


ミアがそう言って、紙を配る。

椿はその紙を見ながら、首を捻った。


「出し物、かぁ」


やりたいことはなんだろうと、考える。

お化け屋敷と書いても良かったのだが、いざやる段階になって震えるのは目に見えている。


考えたあげく、椿は“喫茶店”と書いて提出した。

ミアは、それを集めると、黒板に書いていく。


お化け屋敷、射的、魔法料理教室、喫茶店、読書喫茶、応龍祭の歴史(展示)……。

書き終わって、そのまとまりのなさに、ミアはため息をついた。


「一部よくわからないのもあるが……まぁいい」


ミアはそう言うと、教壇に手をついて身を乗り出す。

このクラスは、割と全員ノリが良いため、その様子に真剣な表情を作った。


「普通にやるのも、おもしろくない。そうだろう?」


クラスメートが、息のあった動作で頷く。

出遅れたのは、椿とルナミネスだけだ。


「ならば、一番普通そうなものに、何かしらの“要素”をつけたら、どうだ?」


再び、頷く。

今度は椿も、合わせることが出来た。

だが、ルナミネスは少し遅れてしまった。微妙な表情で悔しがっている。


「さて、どれが一番普通だと思う?――佐倉」

「喫茶店かな」


名指しで問われた奈津は、迷うことなく答えた。

彼女も、お化け屋敷と答えることは出来なかったようだ。トラウマである。


「では、ベースは喫茶店にしよう。いいかな?」


三度、頷く。

今度は二人とも合わせることが出来た。

クラスメートが生暖かい目で自分たちを眺めるのには、気がつかないことにしていた。

おもに、精神衛生上のために。


「特殊な要素が欲しいのだが、何かあるかな?――鎌倉」


鎌倉と呼ばれた生徒は、金に近い薄い茶色の髪を、頭の後ろでアップにした少女だ。

フルネームは、鎌倉里美である。


「我々は、常日頃から“淑女たれ”と教わってきました」


里美がゆっくりと告げると、ミアがその言葉に合わせて頷く。


「ならば――――たまには、“紳士”であっても、よろしいのではないでしょうか」

「うむ、なるほど」


その言葉で意図を読み取ったのか、ミアは口の端を持ち上げて、ニヒルに笑った。


「みんなも、それでいいかな?」


クラスメートが、一斉に頷く。

何のことか解らずに首をかしげたのは、椿とルナミネスだけだ。

他の人は、解らなくても頷いている。ちなみに、奈津も解っていない。


「ならば、決定だ。……草加先生、私たちのクラスは――“男装喫茶”を行います」

「ホント、ノリ良いな。おまえたち。……よし、それじゃあ私は報告してくるから、後はよろしく」

「はい」


そのやりとりを見て……椿は、固まっていた。

紳士……それは男装を指す言葉だった。


よく考えればわかるものだが、この妙な空気の中で気がつけと言う方が無理がある。


ちなみに、しっかりと頷いていた奈津は、机に突っ伏していた。

どうやら、本当に解っていなかったようだ……。















文化祭の出し物を決める段階ではあるが、まだ準備期間というわけではない。

本番は来週から。本格的に準備を始めるのは木曜日からだ。


木曜日の午後から、授業の代わりに準備を進める。

だが、それまでは普通に授業がある。この浮ついた雰囲気の中で、どうやって気を引き締めさせる授業を行うのかは、教師の腕の見せ所だった。


実力者であるが故に、のほほんとしながらもしっかり教えられるミファエルは、こういった空気の中でもしっかりと授業を進めることが、得意な教師だった。


ちなみに、新任であるせいか、神楽は苦手である。

……自分まで浮ついた気持ちになりがち、というのも、否定は出来ないのだが。


「今日の座学は、精霊さんと仲良くなりましょう~……という、お話ですよー」


教壇に立つと、のんびりと話し始める。

耳に良い声は、良く通る。すんなりと頭に入ってくるので、集中しやすかった。


「精霊さんと仲が良くなると、自創言語による詠唱や、精霊言語の魔法が扱えるようになります。他にも、魔力の消費量が少なくなったり、威力が上がったりと、様々な恩恵があるのですよ~」


精霊との絆を深めて、信頼関係を構築する。

それは、魔法使い達にとって、とても重要なことだった。


「精霊さんと仲良くなって、精霊さんに愛されると、特別に渡されるアイテムがあります。私が持っているので、まずお見せしますね~」


そう言うと、ミファエルは黒い宝石を取り出した。

大きさは直径七~八センチ程度。加工された形ではなく、そうやって出現したかのような不思議な球体だった。


ミファエルがそれを握ると、手のひらの中へ消える。

そして、そのまま手の裏、左手の甲に紋章が浮かび上がった。


「精霊さんが、“貴女のことを認めました。ずっと仲良くしましょうね”という証が先ほどの石です。これを“霊秘宝|≪エレメントクリスタル≫”と呼びます」


再び手のひらに出して、かざして見せる。

そして、再び握る。


「浮かび上がる刻印は、精霊さんの名前です。固有の名を持つ精霊さんは、契約時に皆さんに教えていると思います。逆に、固有の名を持たないものは、皆さんに名を求めたことでしょう」


椿が前者で、奈津が後者になる。

椿は、始めに精霊石に刻まれていた名を呼んだ。

奈津は、精霊に名を求められて名付けると、精霊石に名が刻まれた。


「いずれにせよ、精霊石には刻印が浮かびます。名前をつける、名前を呼ぶという行為は、現実世界と幻想世界の繋がりを濃くする効果がありますからね」


そう言って微笑みながら、改めて刻印を生徒達にかざした。


「霊秘宝にも、精霊石と同じ刻印が刻まれます。そして、その霊秘宝を身体に取り込むことで、精霊さんとの繋がりを、より強固なものとすることが出来ます。精霊さんと一心同体である、という証ですね。……この証のことを“刻印|≪エレメントコード≫”といいます。みなさんも、しっかり覚えておきましょうね~」


黒板に大きく書かれた二つの単語。

霊秘宝と、刻印。


「精霊さんと仲良くなるには、まずは一生懸命精霊さんとお話をすることから始めましょう。魔力を使ってこちらへ顕現させ続けるという行為だけでも、精霊さんに熱意は伝わりますよー。ちなみに、私は顕現させて、一緒に寝ました。暖かいんですよ~」


ちなみに、ミファエルの精霊ベヒーモスは、一言でいうと“巨大なカバ”だ。

部屋に入るはずもなかったので、校舎の屋上に忍び込んで、一緒に寝ていた。

当然、許可はとっていない。


「それでは、今日の授業はここまでです。みなさん、精霊さんと仲良しさんになれるように、頑張ってくださいね。お疲れ様でした~」


最後まで、のほほんとしながら、ミファエルは教室から出て行った。

精霊と仲良くなる――信頼関係を築く。それは、今後の大きな課題だった。















放課後の、ヒーロー研。

ここでも、虹睨祭の出し物について話し合っていた。


「英雄の歴史を調べて展示をする、というのはいかがかしら?」

「ヒーロー喫茶、とか」

「ヒーロー、ヒーロー……うーん」


関連づけるのなら、英雄の歴史が一番“らしい”出し物だろう。

一部よくわからない案が出ていたりする中、奈津が立ち上がる。

突然の行動になれた椿たちは平然としているが、そうでない神楽は肩を跳ねさせて驚いていた。


「ふっふっふっ……ヒーロー研というのなら、出し物は一つしかないじゃないか」


髪を掻き上げて、言い放つ。

その仕草に、レイアはあからさまに退いていた。失礼である。


「一つって?」

「よくぞ聞いてくれました!」


そんな奈津にわざわざ聞き返す椿は、甘いのだろう。

調子に乗ってしまった奈津の様子に、レイアは肩を落として息を吐いた。

諦めと呆れである。


「そう、それは――――“ヒーローショー”さっ!!」


しん、と空気が静まる。


ぽかんと口開けるレイア。

いつもと変わらないラミネージュ。

首をかしげる神楽。

そして――――目を輝かせる、椿。


「ショー、ですの?」

「ブラウン管の向こうの世界をミュージカル風に再現する、架空の英雄劇」


よくわかっていない様子のレイアと神楽に、ラミネージュが的確に説明した。

普通のお嬢様は、ヒーロー好きでもそんなものは知らない。奈津や椿はともかく、ラミネージュが知っているというのも、おかしな話だが。


「虹睨祭でミュージカル、ですか。よろしいのでは?」

「そうですね、面白そうだろ思います」


的確な説明ではあったが、知っているものと知らないものでは、聞こえ方が違っていた。

ミュージカルを連想したレイアは、それでもいいかと頷き、神楽もそれに倣う。

椿は、少し恥ずかしいが、レイア達も賛成したのなら、と頷いた。


ラミネージュと奈津は、申し合わせたかのように目を合わせて、やはり頷いた。

特に打ち合わせはしていないが、息のあったコンビプレイだった。


「そっかそっか。良かったよ、賛成してくれて」

「それでは、私は報告をしてきますので、みなさんは細部を煮詰めておいてください」

「わかりましたっ……ちょうどここに、見本のVHSが……」


実に、準備が良い。

ニヤリと笑う奈津の意図に気がつき、椿は顔を引きつらせた。

この手際はひとえに、レイアを逃さないためのものなのだろう。


報告を済ませて、後戻りは出来ない。その上で現実を突きつけることで、レイアに“言い訳を作ってあげる”のだ。


最近染められているレイアなら、嫌がりはしないだろう。

だが、確実に照れるので、こちらから“こういったわけだから仕方がない”という理由を用意してあげるのだ。


そうすれば、レイアとて最終的にはノリノリで参加することが出来るだろう。


そこまで考えた手順に、奈津の本気さがよく表れていた。

ヒーローショーでヒーローをやるなど、ヒーローファンの憧れの体現。

出来る機会が転がっているのだから、やらない理由はなかった。


そして――真っ赤になったレイアは、結局どこか嬉しそうに、この案を呑み込むのだった。















夕暮れ、寮への帰り道。

奈津は上機嫌に鼻歌を歌いながら、歩いていた。


椿たちは、そんな奈津と一緒に歩ている。

奈津程ではないが、こちらも上機嫌だった。


「まったく、嵌められましたわ」

「顔がにやけてる」


肩を竦めるレイアに、ラミネージュが間を置かずに言う。

すると、レイアは顔を赤くして言葉を詰まらせた。


奈津が厳選した、ヒーローショービデオにすっかりはまってしまったようで、そわそわしていた。ビデオやゲームなどの娯楽道具は部室でしか使えないため、続きが気になって仕方がないという様子だった。


寮の前につくと、見たことのない子供が立っているのに気がついて、足を止める。


「あんなところでどうしたんだろ?」

「虹睨祭が近づいてきたので、都市部のホテルに泊まりに来た、生徒のご家族ではありませんこと?」


虹睨祭は、チケットを入手すれば一週間前から都市部のホテルに泊まっていることが出来る。これは、移動に時間がかかる海外からの客にも対応するためだ。疲れを癒すための期間である。


だが、当然だが校舎どころか演習場付近にも近づくことが出来ない。

あくまで都市部だけなのだが、何故か子供がいたのだ。


「おーい、そこの少年っ」


奈津が呼びかけると、少年が奈津達を見る。

その目には、警戒の色が浮かんでいた。


「誰か待ってるの?呼んでこようか?」


それでも気にせず、奈津が話しかける。

そんな奈津を、少年は未だ険しい目で見ていた。


「誰だよ、あんたら」

「僕たち?僕たちは……ヒーローさっ」


子供相手に、胸を張る。

自信に満ちあふれる奈津を見て、椿は苦笑する。

そして、少年を見て……目を、瞠る。


「……ばっかじゃねぇの」


その目に映るのは、憤怒、憎悪、そして――悲哀。

幼い少年が、“ヒーロー”に宿す感情とは、真逆のものだった。


「はい?」

「ヒーローなんか、いるわけねえじゃんっ!」


奈津は、憤りを向けようとして……それを、呑み込む。

少年の目を見て思うところがあったのか、深呼吸をして、少年と目を合わせる。


「いるよ。――ヒーローは、いる」

「っ……じゃあ、どこにいるんだよ!どこにもそんなものいないから、姉ちゃんがっ」

「悟っ!?」


少年が、声を上げる。

その声を遮ったのは、椿たちの後ろから響いた、少女の声だった。


赤茶色の髪を三つ編みにして、肩口から垂らした少女。

緑色のネクタイをしていることから、一年生であることが伺えた。


「どうしてここにいるのっ?お父さんと、お母さんは?」

「ね、姉ちゃん」


怯む少年――悟を、奈津は未だに、じっと見つめていた。


「父さん達は、学院長に挨拶してくるから、姉ちゃんのところへ行ってろって」

「そう……中に入れて貰えなかったの?」

「入って待っていても、いいって」

「それなら、入ってよう。ね?」


姉に言われて、悟は渋々と笑顔で待っていた寮母のところへ歩いて行った。

そんな少女を見て、ラミネージュが抑揚無く呟く。


「思い出した。同じクラスの、浅川洋子さん、だ」

「浅川さん?」


聞いたことがない名前のはずなのに、どこか引っかかるものがあって、椿はその違和感に首をかしげた。


「あ、あのっ……その、弟が何か、失礼なことをしてしまわなかったでしょうか?」

「うん?……いや、元気があって良いと思うよ」


奈津は、悟から目を話すと、そう言って朗らかに笑った。

明里曰く、“とりあえず誤魔化せる笑い方”である。


「えーと、浅川さん?」

「あっ……はいっなんでしょう?」


意を決して、椿が話しかける。

すると、洋子は妙に緊張したような、返事をした。

その様子に椿は首をかしげるも、奈津達は微妙に嫌な予感がしていた。


「奈津、これってまさかとは思いますが……」

「どうしても気になるんだったら、赤谷に聞けば良いんじゃないかな?」

「確定だと、思うけど」


三人で輪になって、そう話す。

椿は、その様子に気になりはしたものの、聞かない方が自分にとって良さそうな“予感”がしたので、話を進める。


「悟、くん?……は、その、ヒーローが苦手だったり、する?」

「ヒーロー、ですか?――あっ」


怪訝そうに眉をひそめるが、考えれば思い至ったのか、洋子は手を打った。


「おそらく、私のことだと、思うんです」

「浅川さん、の?」


洋子は、こくりと頷くと、苦笑した。


「私は、蛇の邪霊が出たときに、襲われてしまったんです」

「――――大角、大蛇」


そう、椿は、被害者の名前を聞いたときに、洋子の名を耳にしていたのだ。

彼女は、あの事件の被害者だった。


「それで、私は……後遺症で、右目が光を失ってしまったんです」


そう言って苦笑する洋子の右目は、極端に色素が薄かった。

ラミネージュの様に“真紅”とは言わないが、赤茶色の左目に比べると、紅い色に見えた。


「今は、アンジェリカ先生のおかげで奇跡的に回復に向かっているんですが、悟は小学校でも“英雄”の話が出る度に、「そんなのがいるなら、姉ちゃんが傷つくこともなかったのに」って」


子供から、夢を奪ってしまった。

洋子は、そんな風に考えさせてしまうことが、辛かった。


「で、でもっ…神崎さん達には、とても感謝しています。あのまま閉じ込められていたら、それだけでは済まなかったことでしょうから、だから……ありがとうございましたっ!」


アンジェリカの力を以てしても、“奇跡的”と言われる。

それは、一般の病院や治癒魔法使いが相手では、治らなかった可能性がある、ということだった。


頭を下げて寮の中へ入っていく洋子を見送ると、椿は奈津を見た。

奈津は、ヒーローを否定されてもなお、力強く笑っていた。


「成功させようね、ヒーローショー」

「……うん。そうだね、成功させよう!」


奈津がそう、意志の込められた声で、言う。

そのまっすぐな目に、椿は大きく頷いた。


「そうと決まれば、もっと煮詰めませんと、ねぇ?」

「頑張ろう」


新たな決意を、胸に。

少年の夢のためにも、と、奈津は虹睨祭への意志を固める。


「ヒーローは、いる」


そう、教えてあげるんだ。

言葉に出さずとも、奈津の意志は、しっかりと椿たちに伝わっていた――――。

今回から、文化祭編に入ります。

二章の大きいイベント、その二です。


文化祭の名称、虹睨祭ですが、これは「こうげい」と読みます。

古代中国の民間伝承に出てくる龍で、虹と睨という夫婦の龍です。


それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回も、よろしくお願いします。

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