第9章 黒き星の鉱脈
銀河辺境の小さな惑星《ルイナス=アーヴ》。
そこはフェリクサール族が悠久の時を過ごす森林惑星だった。
豊かな緑に覆われたこの星は、外界から隔絶され、ほとんど文明の手が入っていなかった。
だが、その地中深くに眠る希少重金属の鉱脈が、新たな波乱の火種となろうとしていた。
その鉱脈は、超高性能兵器の原料として銀河中の勢力が喉から手が出るほど欲しがる資源だった。
帝国、評議会、連合はそれぞれ裏で動き、情報収集と傭兵派遣を始めていた。
さらには犯罪組織も暗躍し、誘拐や密輸が頻発。フェリクサール族の安全は脅かされていた。
「このままでは、我々の平和は終わる」
フェリクサールの長老は厳しい表情で語った。
「惑星の守護と子供たちの未来を、何としても守らねばならん」
王女アーシェは、彼らの保護を決意し、蒼一とともに鉱脈の守りを固めるため、武装勢力と対峙する準備を進めていた。
二人はこの争いが単なる資源争奪戦ではなく、銀河の未来をも左右する大きな戦いであることを理解していた。
戦闘は不可避となり、フェリクサールの若者たちも自らの誇りをかけて立ち上がった。
誘拐された子どもたちを奪還するための決死の作戦が始まる。
「嘘に騙されるのはもう終わりだ」
フェリクサールの戦士たちは決意の声を上げ、銀河に新たな希望の火を灯した。
蒼一とアーシェは彼らと共に戦い、銀河の闇に抗う光となる。
だが、戦いの影はさらに深く広がり、銀河全体を巻き込む大規模な紛争の予兆を孕んでいた。
運命の歯車は確実に回り始めていた。