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第5章 銀河の門
銀河ドーム宙域。
そこは銀河中立地帯として知られ、カルダシェフスケール文明レベル1以上の種族しか入れない特別な空間だった。
帝国、評議会、連合、中立国――
多種多様な勢力の代表が一年に一度、ここに集い、銀河の命運を左右する対話を繰り返していた。
その静謐な会議場の周辺で、異様な存在感を放つ白銀の流線型艦体がゆっくりと姿を現した。
「まさか、あの伝説の艦が……!」
驚きと動揺が会議室内に広がる。
ゼル=レクス――銀河最古の超古代戦艦。
その出現は、均衡を揺るがす警鐘であった。
蒼一は第三王女アーシェと再び邂逅し、緊迫した状況の中、互いの思惑を探り合う。
王女は中立国の威信を背負い、蒼一はその艦の“コアリンク者”として、銀河の未来に向けて歩み出すのだった。