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【最終章、開幕!】シュート《Shoot》/ 世界は俺に応えている  作者: りーく
プロローグ 惨劇もただ過ぎて行く
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第3話 フィネスの束縛

――うわっ、眩しい……。


さっきまで土砂降りだった空はいつの間にか晴れ渡っていた。長い雷雨がやっと終わったのだろうか。


「零……もう一人を追わなくていいのか?」


マックスの声にハッとする。そういえば、運転手ともう一人の男が乗っていたはずだ。


「そ、そうだ……!」


だが、そのトラックはもうこの場から消えていた。


「決心したところ悪いが、トラックはとっくに去ってる」


惨殺事件と異形の運転手。全く結びつかない謎に頭を抱える。


「ところで、マックス。なんで急に現れたんだ?」


「さっきも同じ質問された気がするが……」


それにしても、なぜマックスが俺の中から出てきたのか。今回の事件と関係があるのか?


「お前は“終怒シュート”という現象を知っているか?」


“シュート”――人間が何かを失い、それに怒りを覚えた時、内なる力が目覚めるというもの。


「つまり、マックスは俺の怒りが生んだ存在だと?」


「ああ、そうだ」


「だが……今回は俺だけじゃない」


俺だけじゃない? どういうことだ? 同じような事件が他にも?


「違う。零の怒りが運命を大きく動かした」


「零の“シュート”が引き起こしたのは――神世界しんせかいとの繋がりだ」


頭の中が混乱する。マックスは俺の心を読めるらしい。運命が変わった。そして“神世界”――?


「神世界とは我々が元々いた世界のことだ」


「我々?」


「ああ、我以外にもデウスは存在する」


なるほど。デウスはマックスだけではない。では他のデウスは誰に憑いている?


「一つ忠告がある」


「神崩しには気をつけろ」


“神崩し”……新たな謎が浮かぶ。シュート、神世界、そして神崩し。この三者は繋がっているのか?


「神崩しって何だ?」


「全ての世界に存在する神を殺す組織だ」


神を殺す組織……そんな力を持つ奴らがいるのか。


「なあ、マックス……」


――ドガァン!


突然、屋根を破って何かが目の前に現れた。


「マックス、なぜ貴様がここに?」


「零、お前の考えていることは丸見えだ」


「こいつは……神崩しだ」


鉄のように硬い空気がまとわりつく。相手はキキョウ、神崩しの3位。


「無駄な抵抗はやめろ。シュートを早く納め、マックスを返せ!」


「マックス……やるか?」


「ああ、行こう!」


俺の体から煙が噴き出し、マックスが拳を振りかぶる。


「ぶちのめすぜ!」


だが、その瞬間、周囲の空気が鉄の壁となり拳を跳ね返した。


「まだわかっていないようだな!」


「何……!?」


金属の鎧に包まれた俺。だが突然、背後から鋭い声。


「大丈夫か、零!?」


「戒!? どうしてここに?」


戒が駆けつけ、鋭い目つきと共に煙のデウスを放つ。


「俺のデウス、精巧フィネスだ!」


戒のフィネスが光るバンドのような拘束具を投げつけ、キキョウの動きを封じた。


「零、今のうちに倒せ!」


「わかった! マックス!」


轟音とともに激しい戦いが始まる。残ったのは、傷だらけのキキョウと俺たち二人。


「キキョウ、他に神崩しはいるのか?」


マックスの声が拷問官のように響く。


「言うわけが……」


キキョウは絶望の表情を浮かべ、鋼鉄の空気に包まれながら自害を選んだ。


「運命は我に味方しているようだな」


マックスは俺の体に戻り、静寂が街を包んだ。


「助かったぜ、戒!」


「たまたまだが、来てよかった」


「お前のフィネス、カッコよかったぜ!」


この事件でまた謎が増えた。トラックの運転手、異形、シュート、神崩し、神世界……俺たちは何に巻き込まれているのか。

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