エピローグ 世界は俺に応えている
あれからどれくらいの月日が流れたのだろう。
天気は相変わらず、予測不可能だ。
空が荒れる日もあれば、今までの悪天候を忘れるくらいの快晴の日もある。
「零、ニュース見た?」
「烏ヶ山神社のことだろ、流石に目に入ったよ」
「良かったね……要さん」
今朝、ニュースで要の遺体が回収できたことが判明した。
近い内に葬式を執り行うだろう。
「要……お前は今、ここに居るのか……?」
要は重力に還った。肉体は尽きても尚、その力は強大なものだった。
如何に、あの戦争が過酷だったかを表している。
「懐かしむ物なのか……あの時のことは今でも忘れられないな」
「零……」
すると電話が鳴る。雅からだ――
「もしもし」
『要ちゃんの見つかったわね……近い内に葬式をする予定だから来てくれるかしら……?』
「何いってんだよ、行くに決まってるだろ……!」
『そうよね……変な質問者ちゃった……!』
「お前は相変わらず変わってないな、対神崩し科の元課長さん」
『えへへ、懐かしいなー』
あの戦争を知っている者は3人しか居ない。世間に知られることのない悲惨な戦争だ。
「今では神崩しなんて居ないしね、何なら神崩し科を国家公認にした人はもう覚えてないだろうな!」
『そうだねーそうだ、零ちゃん!今度、お話したいことがあるの!世界ちゃんも連れて来てくれるかしら?』
「世界も?まあ、良いけど」
電話を机に置き、世界を呼ぶ。
「世界、なんか雅から呼ばれてるんだけど行けるか?」
「ん?別にいいけど、なんでいきなり?」
「わからない、なんかおめでたいことかね……てかむしろそうであってくれ」
受話器を再び手に取る。
「世界から了承も得たから日付決めよう。あ、先に行っておくが9月27日はダメだからな!」
『はいはい、わかってるわよ!零ちゃんの誕生日と結婚記念日だものね!』
『じゃあ明日とか空いてるかしら!』
「お前は子供かよ!」
「まあ、俺は構わないよ……世界は明日空いてる?」
後ろを振り返り、世界に問う。
「うん、もちろん」
そう言って、急いで玄関にを出てどこかへ言ってしまった。
(どこ行くんだろ……)
「あ、世界も大丈夫だそう。明日……9時くらいでいいかい?」
『ええ、もちろんよ!やったー久しぶりに零ちゃんに会えるー!』
「はあ、まったく。もうちょっとフレアにも構ってやれよ!」
『だってフレアちゃんはちゃん呼びしたらすぐに怒るんだもーん!』〈おい!だからその呼び方やめろって言ってるんだよ!
『うわーん、零ちゃん助けてー!』〈イタイ
『零か?久しぶりだな。明日、少し俺から話があるんだ』
「フレア、久しぶり。雅から聞いてるよ。明日9時集合ね」
『了解、じゃあまた明日な』〈ピッ
電話を終える。ふと、玄関を見るとびしょ濡れの世界が立っていた。
「ちょっと、世界。大丈夫かよ、風邪引くぞ」
すると世界がゆっくりと足を進めて、びしょびしょのまま家に上がってくる。
「ご、ごめん……お仕事の人に明日休み取れるか聞いてきてさ」
「明日本当は仕事だったのかよ!……まあいいか、とりあえず風呂入ろうよ、風邪引くから。お風呂掃除してくるね!」
急いでお風呂場に向かう。いざ、お風呂掃除くを始めようとすると玄関から世界の声が聞こえてくる。
「できれば玄関からお風呂場まで濡れないようにタオル敷いてー!」
「はあ、全く……」
「わかったよ、今は体でも動かして温めてて」
なんとか掃除を終えて、お湯を沸かせた。
その日は何事もなく一日を終えた。
―――
翌日
約束通り、9時に集合場所についた。場所はもちろん旧対神崩し科のオフィス。今では雅の物置になっている。
「懐かしいな、今ではあの頃の面影もないけど」
すると奥の部屋から雅の声が聞こえる。
「零ちゃーん、こっちの部屋だよー!」
声のする部屋を開けると、課長のデスクに案の定雅が座っており、その近く。
フレアの席にはフレアが座っている。
「零ちゃんの席はここだよ」
俺は雅の指の先にあるデスクに腰を下ろす。
「なんか懐かしいな」
ふとデスクの上を見る。そこには何も置いておらず、映画とかで見る廃オフィスのようで少し悲しかった。
「ところで雅、話って何なんだ?」
「あ、そうね。そのことなんだけど……ところで世界ちゃんは?」
「え?」
ふと周りを見渡すと世界が居ない。世界はしっかり後ろを付いて来ていたはずなんだけど。
「世界、どこだ!?」
すると背中に衝撃が走る。
「後ろよ、バカ!!」
「イダァァァァァ……なんだ、後ろに居たのかよ」
「後ろについて行ってたのよ!」
世界がちゃんと居て、安心して話が聞ける。
「それで話なんだけどね……」
雅が淡々と語り始める。
「零ちゃんがあの時、バルザーヌを倒して、更にフレアちゃんがゲリュウを倒した。つまり、黒幕的な立ち位置の人は全員倒したってことだと思うの」
「だけどね、バルザーヌが死んでから不可解な未解決事件が多発しているのよ」
「それってつまり……」
雅が俺の質問に答えようとするが、フレアが口を挟む。
「そうだ、話したいこと。俺から話したいことがあるんだ、零!」
「ん、何だ?」
するとフレアが淡々と話し始める。
「これは、あの天空戦線だっけか?あれがあった後の出来事だ……」
「俺はこの物語に名前をつけているんだ!その名も……」
「永炎のフレアッ!」
シュート《Shoot》を読んでいただきありがとうございます!作者のLeakと申します。
この度は、みなさまのおかげで3章……最終章『世界は俺に応えている』……更にプロローグ『世界は俺に応えている』を無事に完結させることができました!
全27+1話という中途半端な話数となってしまいましたが、ここまでこれたのは皆様のおかげです!
我ながら拙作といった形ですが、次回作や同時進行で進めている『暇だから爆破魔法を集めてたら、いつの間にかLv.99になっていたのでギルクエ制覇を目指します』の方も見ていただけると幸いです!
これからもいろいろなジャンルに挑戦していくつもりですので温かい目で見守っていてください。




