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シュート《Shoot》  作者: りーく
最終章 世界は俺に応えている
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26/28

第26話 最期の精巧《フィネス》

※この物語はストーリー重視の作品です。


世界は全てを記憶する。

最期の記憶も、原初の罪も。

どんなに叫んでも世界は待ってくれない。


それでも俺は――


『この無情な世界に着いて行く』


世界は俺に応えている。

シュート《Shoot 》最終章、開幕。



「バルザーヌッ……!」


「怖いか、それとも怒りか?我には関係ないことだがな」


バルザーヌが不敵な笑みを浮かべる。その姿は悪魔そのものだ。


「影狼をッ……よくも!」


拳を握りしめる。足に力を入れて、飛び上がる。


全力超躍マックスフライッ!」


拳から大量の空気が溢れ、時が遅くなる。そして、拳はバルザーヌの顔面を捉える。


「喰らえ、バルザーヌッ!これは影狼の分だッ!」


無限の死(エンドデス・デイズ)


バルザーヌの手中から、死の気が溢れ出ている。無限の死(エンドデス・デイズ)。影狼を葬った即死の攻撃……!


「だけどよ、俺には遅く見えるぜッ!」


ゆっくりと流れる時の中で、確実にバルザーヌの攻撃を避ける。そのまま、拳はバルザーヌの顔面を殴る。すると、背後から戒の声が聞こえてくる。


「零……避けろ……!」


ふと、バルザーヌに目をやると、放ったはずの攻撃をもう一度繰り出そうとしている。


「ッ……!危ないッ!」


なんとか回避するが、死の気が俺の頬を掠める。遅い時の中でも、奴の攻撃はとても早い。


「ッ……はぁ……はぁ……危なかった……!」


「気をつけて、零ちゃん!」


雅が肩を触る。

そして、俺に下がれと言わんばかりに前に出る。


燃ゆる軸(ブレインズ・ビヨンズ)!」


バルザーヌの周りを業火で囲う。

目にも見えない回転が摩擦で火を起こした。


「やはり東方雅とうほう みやび……さすがはルナドールを葬った実力者だ」


「だが、いいか。その程度の力で、我が4柱に叶うはずがない」


すると、体の中から空気が溢れる。全開マックスが俺に問いかける。


「貴様は聞いたか、4柱という言葉を」


「4柱……なんのことだ」


その事を全開マックスに問う。明らかに"4柱"という言葉に反応していたのは確かだ。


「思い出したぞ……全ての元凶が」


全開マックスの言葉を遮るかの如く、バルザーヌが語り始める。


「4柱の目的、それは原罪の赦しだ。我が思い出したのはシュートが発動してからだ」


その言葉に全開マックスが飛び上がる。


「フィアリーはどうしたッ……!」


フィアリーと言う名前にバルザーヌが反論する。


「既に喰らった。シュートは我々が引き起こしたのだ。貴様は原罪に裁かれ続けるのか?」


淡々と語り進めるバルザーヌに戒は警戒を解かない。


「気をつけろ……零。奴がいつ襲ってくるかはわからない。気を抜くなよ」


すると、全開マックスがバルザーヌ目掛けて拳を掲げる。


全力超躍マックスフライッ……

!」


「待てッ……全開マックスッ!?」


バルザーヌは何もせずに全開マックスを見つめる。しかし、微かに死の気配を感じる。


「一体何を企んで……」


すると背後から戒が叫ぶ。


「零ッ!伏せろッ……!」


「なッ……!?」


バルザーヌが目の前に現れた。全開マックスですら気づいてなかった。全開マックスが攻撃したバルザーヌは偽者だった。


全開マックスッッッッ!」


全開マックスの名を叫ぶがもう遅い。既にバルザーヌは死の気を放つ寸前だ。


「間に合わないィィィィッ……!」


ドガァァァァァァァァァ……


まるで時が止まったようだった。

世界の時がゆっくりと流れて、死の気が戒を蝕んでいく。


「か……い……?」


「はぁ……はぁ……ギリギリ……間に合ったみたいだ……!円光アディは発動したッ!」


戒がバルザーヌの一撃死を無効化して、その場に立ち尽くす。しかし、すぐに膝から崩れ落ちた。


「戒……大丈夫かッ!」


「だが……死の力は俺が思ったよりも強いようだ……俺は……もう死ぬ……」


「なッ……何言ってるんだよ……戒!」


戒の衝撃的な言葉に俺の心は音を立てて崩れ落ちた気分だ。すると、戒の拳が俺の胸に当てられる。


「零ッ……最期だッ……最期の精巧フィネスだッ!どうか、伝わってくれッ……!」バサッ


倒れた戒の体から光が発せられる。

その光はバルザーヌの死の気を浄化し、静かに消えていく。


「か……戒……?」


その顔は安らかに……けれどどこか寂しげに眠っている。


「あ……ああ……ッ……うごぁあぁあぁぁぁッ!」


何も考えられない。何も聞こえない。俺は世界に拒まれるのか?何もわからない……なぜ世界は俺をこんなにも……


「零ちゃん……!油断したらダメ!」


──

【???視点】


「戒……許してくれたか?」


視界を光が見たし、謎の声が俺の名前を呼ぶ。


「俺は……何を……」


「戒……俺はお前を守り続けた、だけどお前を救うことはできなかった」


その声はどこか懐かしく、聞き覚えのある声だ。その声はどんどん近づいてきて、ついには背後から聞こえてくる。


「誰……だ……」


勢いよく振り返る。

そこには、自分の顔とよく似た男が立ち尽くしている。


「戒、俺はお前の為になったかな?」


「あ……お前は……ッ……」


視界が濁る。涙がどんどん溢れて、視認すら難しい。


「刃……じゃねえかよ……クソ兄貴ッ……」


「俺を叱ってくれるか?俺は殺人鬼だ、そんな俺を叱ってくれるか?」


「クソ兄貴ッ……お前はブラコンで、俺のことをずっと大事にしてくれた。だけど、お前の正義は度がすぎてるんだよッ!だから死んで当然だと……だけどよ……俺はお前とまた遊びてえよッ!」


傀儡戒は光となって消えた。

その光は数々の想いと記憶を世界に保存するだろう。


傀儡戒、死亡


――


ドカァァァン


衝撃波がボロボロの俺を襲う。

雅が身を挺して、俺を庇う。


「ダメだッ……ダメだッ……もう……」


心がボロボロだ、友人を5人も失った。影狼、要、赫に焔。さらに目の前で戒が死んだ。


「雅……俺はどうすればいいんだッ!」


雅に手を伸ばす。雅はバルザーヌの攻撃を受けてかなりの傷を負っている。即死攻撃ではない。ただし、それでも奴の攻撃は危険だ。


「どうやら今、ここで世界は再び生まれ変わるだろう。新世界に貴様らは存在しなくて良い。我ら神々の世界として生まれ変わるのだ」


バルザーヌが俺たちを見下し、嘲笑する。俺の体は鼓動と他の振動で揺らがされる。


「ッ……ここで終わるのか……?」


振動がさらに強くなる。それと同時に、真空戦線が揺らぎ始める。


「なんだ、この揺らぎは。アルス、確認しろ」


バルザーヌはアルス、赤髪の少女に命令を下すが、一向に動かない。


「アルス、聞いているのか?」


バルザーヌがアルスに立ち寄ると、太陽が輝き、爆音を立てて砕け散る。


ドガァァァァァァァァァン


砂煙が舞い上がり、その中に2人の影が映る。

ここまで見てくれてありがとうございます。

そして投稿遅れてすみません


ついにシュート《Shoot》が最終章を迎えました。


最終章は零の仇、バルザーヌ・ドンドレドとの最終決戦。物語の都合上、短い章になりますが!ぜひ最後まで、零の旅路を見届けてください!


予定では全2話の最終章を予定しています。

後日談、エピローグも書く予定ですので気長にお待ちください。

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