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第22話 深淵を覗く者達

「はぁ……はぁ……まッ……待て〜ドロボ〜」


「くそ〜、アイツ……足が速いッ……

!」


少し前、事務所に盗みが入りその犯人を今追っているところだ。


「……待てッ!」戒が大声で犯人に静止を呼びかけるも、全く聞く耳を持たない。


見た目はそこらに居るチンピラのくせに、逃走経路は一流すぎる。


「クソッ……!こんな時に海斗が居れば余裕なのにッ!」


海斗は非神格者だから、この件に関わらなくていいと言ったが、こう言う時に限って必要になってくる。


「大事な物は失ってから気づくとは……こう言うことかァ……」


「ハァ……ハァ……」


クソッ……あの資料は結構大事な奴なのに……!だけど、もう酸欠……


「酸素……酸素くれェ……」


「クソッ……誘われてる気がして落ち着かないッ……!」


確かに、アイツの足取り……側から逃げる気は一切感じない。やはり俺たちを誘っているのか……?


「岸は……そんなに走って疲れないのか……?」


「俺がオッサンだからって舐めないでもらいたいな」


「くッ……ダメだ……先に行っててくれ……後で合流する……!」


「ッ……零氏はギブアップか……わかった、先に行くぜ!戒ッ!」


そう言い残すと、戒たちは犯人を追いに行った。


――プルプルプル


「海斗ッ!お前に頼みがあるッ!」


『なんだ?零?』


「前に言った資料泥棒の件で話がある」


『おッ!俺に頼る気になったか!』


「犯人を捕まえるように俺を導いてくれ!」


『おうよ!』


俺はスマホを片手に戒の後を追いに足を運ぶ。


『そこの通路を右に、その次の角を左に』


「了解!」


細い路地裏を駆ける。


「次はッ……て危なッ!」


『どうした、零!?』


「ネコが俺の股を潜って行きやがった!」


『ふざけんなッ!』


「すまんすまん、それで次はどこだ?」


『そこで待機だ!』


「は?」


『30秒後にそこにくると思う!ただの勘だ!』


クソっ……やはり勘か……

だけど、アイツの勘は当たるからな。


「待てッ!」


路地の角から戒の声と複数の足音が聞こえる。


「来たかッ!」


『だろ?俺の勘は当たるんだッ!』


路地の角から犯人が顔を出した。


「何ッ!?しまったッ……」


咄嗟に犯人はジャンプをしたが、時すでに遅し。戒が裏から犯人を押し倒す。


――バサッ


そして戒が犯人に馬乗りになりながら、尋問が始まった。


「誰の差し金だッ!」


「俺は……これでもプロの端くれだッ……そんな簡単に言わないッ!」


「そうか……」


すると、犯人の周りから光の輪が現れる。そして犯人の腹部を圧迫させる。


「ウグっ!?」


「早く吐いたほうが身のためだ」


「だけどッ……ウグァッ……!」


恐ろしい……戒がこんなに怖いと思ったのはこれが初めてだ。


『戒はさ、前まではあんなんじゃ無かったよな』


「……そうだな」


戒は頭が良くて、真面目で……だけどどこか抜けてる。そんないい奴で、尋問……というか脅しというか。そんな事はする人間じゃ無いはずだ。だけど、ここ最近……というより神崩し科と出会って、神格者になってから変わっていっている気がする。


「わがった……わがったがらァァァ」


「言え」


――ギュッ


「ゲホッ……グッ……式……式部様にッ……」


――バチュっ……


「……は?」


犯人が式部と言う名を上げた。

その瞬間、犯人の顔が弾けた。


「依頼主のプライバシーは守らなきゃじゃないか」


光を遮る建造物。

その上から見下す声。


「お前は……!?」


「また会ったな!黒野……そして岸!」


自由アバンチッ!」


――パァン!


岸の指から銃弾が放たれる。

それは、闇の上に立つ伏見に向かって。


「鈍いッ!そんな鈍足な球が僕に当たると思っているのかッ!」


笑みを浮かべながら、伏見はその銃弾を――指先で摘んだ。

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