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第17話 東方から響く一日

「はあ、今日は朝から散々だぜ」


よくよく考えたら。

世界と戦ったのも、楓冴と戦ったのも、今日の内に起こったことなんだよな。


「雅ー!居るかー!」


やはり返事は無い。

一体どこに行ったんだ?

と思ったが、心当たりがある。

要だ、要の遺体がある場所に居る可能性が高い。


「それにしても、少し肌寒いな……」


今は一体何月なんだ……?

日付上は7月なんだが、太陽の軌道やらなんやらで今の気候はほぼ冬なんだよな〜。


「ここら辺に居るはず……」


ガサッ


「誰だッ!?」


「うわぁぁぁ!燃ゆるフレインズ・ヒヨンズ〜!」


音の鳴った方を見ると、雅が俺に向かって指を差し、その先から炎が燃え上がる。


「うわぁぁぁ!ストップストップ!」


「って!零ちゃん!びっくりさせないでよ〜!」


「こっちのセリフだよッ!」


「そういえば、雅はなんでここに来たんだ?」


俺が雅に問うと、雅は少し顔を曇らせた。


「要ちゃんのさ、遺体を見に来たの」


「やっぱりか……」


「そういえばさ、前のニュースって覚えてる?」


前のニュース……?

__________________________


『先日、烏ヶ山神社の敷地内に男性2人の遺体が発見されました。検察によりますと1人の男性の遺体は右腕がなくなっており、もう1人の遺体は謎の力で近づけない状態だそうです』

__________________________


「あのニュースがどうかしたの……?」


「見つかった遺体って影狼ちゃんと、要ちゃんのだけなんだよね」


雅の言いたいことが分かる気がする。確かにニュースでは遺体は2人の物しか見つからなかった。

でも確かに、もう1人の遺体があったはずだ。


「フレア……か……」


「そう、今日私がここに来た理由って要ちゃんを追悼しに来たのもそうなんだけど、フレアちゃんの遺体の行方の調査の為でもあるのよ」


一体フレアの遺体はどこに行ったのか?それとも生きていたのか?

今の俺には証拠を探すしか無い。


プルプルプル


俺のスマートフォンに着信が来た。それも戒からだ。


「もしもし、どうした?戒」


『楓冴を病院に連れて行った。全治は数週間程度だそうだ。零の方はどうだ?課長見つかったか?』


「ああ、こっちも見つかった!

今から課長を連れて、事務所に帰る予定だ」


『ところで世界は無事か?』


「ん?世界?」


そういえば、世界は戒について行ってなかったな。つまりまだここに居るのか?


ベシッ


瞬間、背中に衝撃を感じる。

それと同時に、世界の声も聞こえる。


「何忘れてんのよッ!」


「痛ッ!」


後ろを振り向くと、頬を膨らませて俺を睨みつける世界と、その光景を眺めて、微笑んでる雅が居た。


『どうした!零!大丈夫か!』


「だいじ、世界に背中を叩かれただけだ」


『そうか、よかった』


「俺たちはフレアの遺体についてを探してから帰る」


『確かにあのニュース、違和感あったもんな、じゃあ頑張ってくれ』


ピッ


「フレアの証拠に関してなんだけどね」


雅がそういうと、神社の本殿の後ろに連れて行かれた。


「これ」


雅が指を指す。

その先には、まるで熱でも受けたように、不自然にそこだけ円形に枯れ切っていた。その地面には文字が刻まれている。


「何これ……」


地面にはCum omnia transcendam, ego certe revertar.と書かれていた。


「これが……フレアの痕跡か……?」


一瞬、誰かの視線を感じた気がした。

でも、それもすぐに風に紛れた。


「Cu…わっかんねーよッ!」


「私、高校中退だからわからな〜い!」


「私は英語苦手だから分からないわ」


全員わからない。

俺はバカだし、世界は英語とか苦手らしいし、雅に関しては……

うん。気にしないでおこう。


「戒なら分かるかもだから、写真を撮って送ろう。」


「おっ!いいね!戒ちゃん、頭いいもんね!」


パシャ……ピコン


「オッケー、送信ッと!」


「よ〜し!重要な証拠も集めたし!みんな〜帰るぞ〜!」

読んでくださってありがとうございます!


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