表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/28

第16話 爆轟破者メタSP

あれから少し歩いて、烏ヶ山神社の本殿についた。

しかし、まだあの薄暗い空気は抜けない。まだ、何かが居る気がする。


「カチョォォォォーーー!」


「課長!居ますか!」


赫と戒が声を上げて雅を呼ぶが返事はない。それに、霧がどんどん濃くなってきた気がした。


「何か……来るッ……!」


――ドガァァァァァァ……


____________________


背後からとてつもない爆音と共に、爆風を感じた。しかしそれは一瞬にして力を失う。

俺が後ろを振り返ると、そこには霧と共鳴する銀髪、地面を盛り上げる拳、その拳は指が3つしかなく、SPという文字が刻まれている。


途端、身体がとても重く感じた。

動く事も一苦労だ。


「ひとまず離れた方が良かろう」


俺は声を聞いて、違う神格を感じた。それはマックスとはまた違う力。


「これはッ……!」


「貴様に神格の一部を分けてやった。我が世界マンバの静止した世界の一部となったのだ」


俺はマンバの力の一部を手に入れた。俺は世界の時を止める事が出来るのか……?


「早く離れろ、死ぬぞ」


「かッ……身体が重いんだよッ!」


「世界はこの重さに耐えたんだぞ、黒野零」


俺はやっと世界の辛さを知った。

この重い世界を動く事がこんなにも大変だとは。


「クソッ……もう動けねぇ……!」


「まあ良いだろう、世界は再び動き出す」

____________________


――ァァァァァン……


「うおッ!?なんだぁッ!」


「爆破!?」


時が再び動き出し、止まっていた爆風と爆音が再び鳴り響く。それと同時に地面が盛り上がり、煙が舞い上がる。


「避けたッ……!?奇襲したんだがな……」


「誰だお前はッ……!?」


煙を踏み殺し、現れたのは銀髪の男、その背後には髑髏ドクロの顔に鮮血の目、3本の指、拳にはSPの文字が刻まれている。


「俺は常盤楓冴ときわ ふうご、そして俺の能力は触れた物を爆破させる事が出来る」


そういうと、地面に落ちていた石を拾い上げる爆散させる。


「破壊力は相当な物だろう……」


戒はそう呟きながら、フィネスを繰り出す。


円光アディ……!」


そしてフィネスの手の平から光のバンドが生成され、楓冴目掛けで飛んでゆく。


「無駄な足掻きだッ!」


「メタッ!爆散させろッ!」


そういうと、楓冴と共鳴するように共に腕を上げ、円光に向かって手を振り下ろす。


爆轟メタッ!これが俺の神格の名だッ!」


楓冴の手刀は円光を捉え、そのまま振り下ろす。そして、楓冴の手が円光に触れた瞬間、円光が弾け飛ぶ。


「クソッ……やはりダメかッ……スピードが足りないッ」


戒がボソッと呟きながら、足を一歩下げる。


空気反発エアーズーム……」


俺が飛び上がろうとした瞬間、肩を引かれた。


「ここはオレが行くぜッ!」


赫が目を紅く染め上げながら、楓冴の前に立つ。


「俺の破者エリートでお前の頭をぶちまけてやるぜッ!」


「そうか、ならお前からだッ!」


両者が拳を振り上げ、飛び上がる。


「爆轟破者《メタSP》ッ!」


楓冴が声を上げながら、拳を赫に振り下ろす。その拳は赫の拳と衝突する。


「破壊しろッ!崩れろやッ!」


赫の拳が弾ける。

しかし、楓冴の拳は崩れ落ちる。


「何ィィィィッ!」


「どうだッ!これが俺の破者エリートだッ!」


楓冴はそのまま腕を押さえながら、屈み、赫を睨みつける。


「ハァ……ハァ……お前、強いなッ……」


「もう一発ぶん殴られてえかッ!」


そう言いつつ拳はすでに振り上げている。


「やめろッ、赫ッ!」


戒が大声で赫を止める。

すると赫は顔を振り向き、拳を下げる。


「はぁ?なんでだよッ!」


「そいつも、世界みたいに洗脳されている可能性がある」


戒が言うには、楓冴も世界と同じく、ゲリュウに洗脳されてる可能性がある。


「だとしてもよッ!どうやって洗脳を解くんだッ!」


世界には攻撃したら、洗脳が解けたッぽいけど、楓冴に攻撃して解けるという確信はないし、ただ攻撃しただけで、洗脳が解けるなら

洗脳として弱すぎる。

まさか、洗脳じゃないのか?


「楓冴に攻撃をすれば……」


その一瞬の油断を突いた。

楓冴は拳を振り上げ、赫の頭部を狙う。


「赫ッ……!?」


世界マンバッ……!」


ダメだッ……

間に合わないッ……

一瞬にして、楓冴の拳は赫の頭部に触れる。


「赫ァァァァァッ……!」


――ドガァァ


「なッ……なんだよ零!脅かしやがってッ!」


楓冴が消えた。

一瞬にして、姿を消した。

そして、近くの木から砂煙が上がる。


「なッ……何が起きたッ……」


「俺の拳は……奴の頭にッ……」


高速で楓冴が吹き飛ばされたようだ。あの一瞬の隙に何があったのか理解できなかった。


「大丈夫か!赫氏ッ!」


「この声ッ!まさかッ!」


声の方に目を向けるとそこには、

焔が立ち尽くしていた。


「焔ッ!」


「オォォォォ!焔ァッ!俺を助けてくれたのかァッ!」


赫はそう言いながら焔に向かって走る。


「良かったぁ……赫が無事で!」


「そうだな、零」


心の底から赫の無事に安堵した。

すると楓冴の方から声が聞こえる。


「ウゥッ……俺はなんで……こんな傷だらけにッ……」


「どうやら洗脳が解けたみたいだ」


楓冴の体はボロボロで、至る所から血が噴き出ている。


「楓冴……大丈夫か?」


「なッ……なんで俺の名前を……」


「いいからッ!おんぶしてやるからよッ!病院行こうぜ」


「俺が運んでやるから零は課長を探してくれ」


そういえば烏ヶ山神社に来たのって、雅を探すためだった。


「別に……おんぶしなくても……」


そう言う楓冴を無視して、戒は楓冴をおんぶして赫と焔と共に、神社を後にした。

読んでくださってありがとうございます!


もし「続き気になる」と思ってもらえたなら、

ぜひブックマーク・評価・感想のいずれかを!

めちゃくちゃ励みになりますし、続きへの勢いにも繋がります!


次回もよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ