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第14話 世界は動かない

――翌日


俺はいつも通り、対神崩し科の事務所に足を運んでいる。だが、扉が閉まっている。いつもなら朝早くからかちょ……雅が開けてくれてるんだが……

まだ寝てんのかな……?


「う〜む……扉叩いて起こすか……?いや、それで起こしたら少し申し訳ない気も……」


なんで考えてたら後ろから背中を思いっきり叩かれる。


「イダァ゛ッ゛!?」


「ガハハハハハハハ!!」


後ろを振り向くとそこには赫がめっちゃ笑顔で爆笑している。


「かッ……てか……しろって……!」

手加減しろ、って言おうとしたのに、痛すぎてまともに喋れねぇ……!


――少し休んで


「痛ッてーな、テメー!」


「あははは、あんなに力が出るとは思わなかったぜ!」


全くよ!

普通に殴られたくらいに痛かったんだが!


「それよりだな……事務所が閉まってるんだよ」


「エェ!?課長はまだ寝てんのか?」


「いや、それはわからん」


俺が話し終わると、赫は立ち上がって扉の前に立つ。


「うぉぉぉぉぉぉ!」


っと叫ぶと扉を高速で叩き始めた。


――ドドドドドドドドドドン


「課長ゥゥゥゥ!起きろォォォォ!」


しかし返事がない……

心配になってきた。

あれだけの轟音が街中に響いてるにも関わらず、課長は出てこない。


「ハァ……ハァ……こんなに音出してんのに起きないのかよ……」


「赫……最悪の状況も考えておこう……ここは扉を破壊して中を確認するべきだ」


「ああ!そうだな!じゃあ俺に任せろッ!」


赫はそういうと、扉の前に再び立ち……


「うォォォォ!エリートッ!」


赫の体から煙が立ち、背後から悪魔の様な見た目で紅色の眼光、強靭な腕……

これが赫の神……破者エリートだッ!


「ウオォォォォラァァァァァッ!」


――ドガガガガガァァァァァン


赫の拳が扉に触れる……

次の瞬間、扉はクッキーのようにポロポロと崩れていった。


「よし!壊したぜ!」


「ナイスだ、赫!」


………


「周りから見たら俺ら……強盗じゃね?」


「まあ気にすんなって!」


いや、少しは気にしろよ。

なんて会話しながら俺たちは事務所の中へ入る。


「そういえば、課長っていつもどこで寝てるんだ?」


「知らんな!適当に探してればいいだろ!」


「とりあえず俺はこっちの方探してくる」


「了解!」


________________


大丈夫かな……雅……

流石に心配になってくる。


――ガチャ


扉を開けると、そこにはぐちゃぐちゃの布団、点きっぱなしのテレビ……そしてそのまま脱ぎ捨てられている下着……


――ドンッ


「俺は何も見ていない……いいね」


俺はイケメン紳士キャラとしてやらせてもらっているんだ、煩悩は消せ……煩悩はッ!


「零〜!そっちはどうだった〜!」


「いなかった、おそらく外だろう」


「そッ外ォ?探せって事?」


そうだよなー

だけどどこに行ってるかなんてわかんねーよー!


「どこ行ってるとかわからないのか〜?」


部屋にどこ行くとか書いてなかったしなー(そもそも部屋に入ってない)


「んー、とりあえずここで待ってるか!」


「そうだな」


――1時間後――


「あッ……くッ……」


「おいおい、零!次で天井だぜ!引かなくていいのか!」


「くッ……アァァァァァァ」ポチッ


チャリン


「うォォォォ!すり抜けるな……すり抜けるなぁァァァァァ!」


【八八】


「グゾォォォォォォォォ」


「ガハハハハハハ!お疲れェェェェェェ!」


俺たちはというと……

ゲームをしていた……

ちなみに課金してすり抜けた……くそっ!


「何やってんだよ……零」


「あッ、戒!おは……よう」


戒の顔を見た。

戒の顔はまるでゴキブリを見たかのような、軽蔑の目をしている。


「てか、ドアなかったんだが何かあったのか?」


「あッ……それは……」


――


「はッはぁ?壊した?」


「いつもならもう起きてるからさぁ……」


「そういうことか……」


今、俺と赫は戒の説教を聞いている。


「心配だから入ったと……」


「そりゃ、いつも通りじゃなかったら心配になるだろ……?」


「まあ、そうだな」


「ちょっと話しが変わるが、課長ならさっき会ったぞ」


『えッ!?』


――遡る程10分前……戒視点


「ふぅ……眠い……」


昨日は色々あって夜しか眠れなかったな〜

とりあえず……

スーパーは後10分で開くから……

って、あれは……


「あっ!戒ちゃん!」


「おはようございます」


「おはよ〜!戒ちゃんはこれからお買い物?」


「まあ、そういうことだ」


「そっか〜、あッ!そういえばこれ」


課長がそういうと、ポケットから何かを取り出して俺の手の中に入れた。


「鍵閉めてきたから開けてあげて!」


「了解」


「それじゃ!私は神社にお参りしてくるね!」


手を振りながら烏ヶ山神社の方に小走りで向かっていく課長に俺も手を振って見送った。


「さて……一旦事務所に行くか」

________________


「ッてことがあってな」


「なるほど……なんで雅は烏ヶ山神社に?」


「わからん……それに1時間前にはここを出てるんだろ?なんで10分前にあそこであったんだ?」


確かに……

1時間前から俺たちはここで待ってたんだ。雅がいなかったからな。

それなのに10分前に戒が雅にあってる……何かあったのかな……?


「とりあえず雅が心配だ、烏ヶ山神社に行こう」


「そうだな」


「え〜!まだゲームしてたいんだが!」


「いくぞ、赫」〈おい!俺を引っ張るな!


――烏ヶ山神社


「着いたな……」


「ああ、着いたが……霧も相まって不気味だな」


何か……

嫌な予感がするような……

霧が喉に詰まる。


________________


――ドガァン


俺の体に激痛が走る


「ングハッ……!?」


俺の体がぶっ飛ばされてる。

そのまま後ろの木に激突した。


「零!?」


何が起きたんだ……

高速で攻撃されたのか……?

理解できるわけがない……


「見つけたわ、黒野零」


どこからともなく声が聞こえる。


「なッ……お前は……!?」

読んでくださってありがとうございます!


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