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78話 糧となる力

一方アルベールが、影族シェードの一人と戦っている時、イネスも別の場所に転移させられていた。


「ぐっ!……ハァ…ハァ…」


影族シェードの一人、横から見た時、女性だと言うことが分かる体型だった。そんな影族シェードと戦っているイネスは、圧倒的に押されていた。


(どうしよう。ここがどこなのかも分からないのに…、時間なんてかけられない………!)


一刻も早く、先に進みたいという思いが強いイネスは、魔力量の激しい魔法を放つ。それは強力かつ、魔法の威力は約四倍。


理由としては、体内にある魔力を全注ぐことだった。あまりにも無謀かつ無茶な作戦。それで倒せるなど、最大の一撃を与えるしか方法はない。イネスもそう考えているのだろう。だが、時間は待ってくれないのだ。


(………やった事ないし、本でしか見た事ないけど…。でも、友達を助けるためには、惜しまない!)


その魔法は炎魔法の一つ。そして広範囲に広がる攻撃魔法。


それは———【火雨イグニス・インベル


炎魔法の中の一種であり、広範囲に広がる魔法。大量の火の雨が降り注ぎ、一瞬で火の海となる可能性がある。


(【火雨イグニス・インベル】に全魔力を注いで、一気に型をつけたい所だけど……。上手く行くかどうかは分からない…。でも、やるしかないのは、確かだよね……!!)


片手を大きく天井にあげ、そして唱える。感電嵐)の詠唱を。

広範囲に広がる魔法なだけあり、詠唱も若干長い。それを、どうやって工夫するか。詠唱を唱えているときは、防御が薄くなる。そうなってしまえば、相手に流されるままとなってしまうのは、火を見るよりも明らかである。


「———【火雨イグニス・インベル】!!」


喚き散らしたイネスと、声に合わせて共鳴する魔法。手から広範囲に広がる魔法陣が展開される。その魔法陣は、赤じゃ無く、青色に光、そしてそんな魔法陣から、火の雨が直接降り注ぐ。


全魔力を注いだ為、疲労を感じ始めるイネスであるが、いつでも流れるように、準備していた。


(………これで、相手が諦めてくれたらいいのだけど………)


多少の不安を感じていた。そう簡単に、倒されるのかと———。


「アハハ!!」


後ろから声が聞こえたイネスは、咄嗟に振り向く。黒いシルエットで、身長が高めな女の人。大人のだろうか?と、思ってしまった。しかもスタイル抜群と言った感じである。


「さぁ、どうする?そのまま引くかしら?」


妖艶や声で影族シェードの女は言う。そんな声色の中に、煽りが入っているようにも感じ取れる。


(あの技を受けて、一瞬で後ろに…?)


どう言う事?と、イネスは思う。あの技は闘技場のような場所では、ほぼ半分くらいの範囲に火の雨を降らせる。と言うことは、周りは火の海になれ果てるはずなのに、そうならないように火の雨が地面につく小さな、時間の隙間を使い、イネスの後ろに移動する。


イネスは混乱に陥っていた。なぜ?と。


「………引くわけない。私は、先に進みたい。それは、私個人の意地として……!」


イネスの放った言葉からは、信念を感じるほどである。怖いもの知らず…と言った方が正しいかもしれない。


(私は、もうあんな光景を目に入れたくない……!だから、私はそうならないように、先に進まなきゃいけない!!)


嫌な思い出が一斉に見えてくる。それがイネスの希望の糧となり、そして理由にもなる。


「そう。はっ、馬鹿ね。あなたじゃ、古代人わたしたちには勝てない。そう———運命さだめられている」


勝ち台詞をいう、その女は余裕に満ち溢れていた。だが、イネスは退けるわけにはいかなかった———。



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