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73話 リヴァイアサンの脅威

———それから時間はだいぶ経つ。


オーラドピア共和国を散策していた、アルベール達は何かの違和感に気づき始めた。

それは国の人たちが慌ただしいと言うこと。ざわつき始めている。そんな時、国家議員会という場所から、この国のトップ。“大統領”が顔出す。


その人はこう告げた。


“海の方から異常な波動をキャッチ、魔物の可能性が大。直ちに安全場所への移動を命ずる”


との事だった。淡々と話す大統領の真剣な目で、国中の人たちは、大慌てだった。


(それにしても、タイミング悪すぎだろ)


内心イライラしていた。まだオーラドピア共和国に居るのは、アルベールとイネスだけだった。二人と行動しているのは、戦いを交わした人物。サルヴァトーレの三人のみ。その三人だけが海面の方へと向かっていった。


「ここあたりか………?」


急いで来た為、息が上がっていた。動悸も激しく動き、額から汗が流れているのが、わかる。


「魔物って、どんな魔物なんだろう?」


「さぁ?でも………海からやってくるのなら、いい予感はしない」


嫌な予感がしてならない。それは、直感で感じるものだった。海の魔物で思いつくのだとしたら、“リヴァイアサン”


凶暴かつ巨大な体をしている海の生物。仮にリヴァイアサンだとすると、海面戦場での戦いとなる。陸地に上がらせるわけには行かず、かと言って空を飛ぶような芸当はできない。その為、今回ばかりは時間がかかりそうなのは、承知の上だ。





そして、元凶の魔物のお出ましだ。やはり、的中通り、リヴァイアサン。海面には波が際立ち、足元が不安定になる程揺れる。


表すその顔は険悪そのものだ。見上げるほどの巨体なその体は、海では出会いたくないランキングになるほどの、嫌なやつだと直感する。


(ほんと、ついてない)


武器を召喚し、リヴァイアサンを目の前に、三人で挑むことに決めた。エイダンたちが今日中に来ることは不可能な距離にいるはずだからだ。








♦︎





リヴァイアサンとの交戦中にて、水飛沫が大きく跳ね上がる。緊張感が走る中、やはり戦力不足は否めない。


(弱点が分かればいいんだが……。俺が大魔導師アーベルだって悟られないようにしなくちゃ)


やはりアルベールの中では、サルヴァトーレが厄介な人物。

バレかけそうになった時は、冷や汗が止まらないほどであった。


(だが、エイダンたちがやって来るまでは時間がかかる…。その間に俺たちがなんとかしなくちゃ……!)


魔法で交戦し、国の方は被害が行かないように全力を尽くす。

そんな時、後ろから矢がやって来る。一体なんだ?と言う気持ちで後ろを振り返ったアルベールたちは、目を見開かせた。


後ろにいたのは、弓矢を持った国の人々。自身の魔力を矢に込め、放たれるその一撃は渾身の一撃と成り上がる。


「…………俺たちも頑張ろう」


国の人々に勇気をもらった感覚だった。自分たちの魔力を最大限に活かし、リヴァイアサンに攻撃を交わらせる。


「『水よ、高く唸り、台風の如く。敵を包み込め!!水のウォーター・ウォール』!!」


力一杯叫び、海の海面が上がる。それは意思を持っているかのように、リヴァイアサンを包み込ませ、そこでイネスが電撃魔法を唱えた。


「『雷の灯火よ、彼のものに電流を。感電エレクトリック・ショック』!!」


空に浮かび上がる魔法陣から、電撃の一線がリヴァイアサンを包み込んでいる壁に衝突する。

抵抗するリヴァイアサンを、鎮めさせるために感電するため、そしてその電流が海へと行かないようにするため、磁力対抗で上へと上がらせた。


「散れ!!」


最後にトドメを刺す、サルヴァトーレの重い一撃の魔法の弾丸を放ち、大きく穴が空いたリヴァイアサンは灰のように、粉々となり、消滅した。








魔法陣は消え、リヴァイアサンも消え、国には平和が訪れる。

リヴァイアサンの脅威は無くなった。それはとても喜ばしい事だ。


だが、一つだけ心に引っかかった事がある。


(これでこの国での魔獣の鎮静は終わったのか…?)


今まで巨大な魔獣を相手にしてきた事があるが、今回は群れじゃない。

そう思い始めるアルベールは、あまり心地の良いものではなかった。


(何も起こらないでくれよ……)


そう天に淡い願望を、呟く。これが虚しく散るかなんて、この先のことは予想つかない。


(できれば、エイダン達がやってきたときに起こって欲しい)


と言う私的な願望まで、空に向かっていった。


———エイダン達が来るまであともう少し。

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