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67話 唐突な出来事

それから一ヶ月が経過する。だいぶ疲労が溜まるも、なんとかたどり着けているわけだった。

一ヶ月前までは草原など、自然がある場所を走っていたが、先に進めば進むほど、背景はガラリと変わり、渓谷の道が続く。

山道の道は、まだまだ続くのであった。


一ヶ月とも経てば、十一月あたり。そうなれば、旬の食材も増えていく。

十一月の旬の食材は、白菜にほうれん草、ブロッコリーなどだ。他にもキウイフルーツだったり。だが、それらに関しては、市場で買わない限り、手に入れることはできない。


その為、国も村も今のところ見つかってない、この辺りでは、それらを食べるのは無理だということだ。

それはそうとて、橋を発見する。谷の間を結ぶ、ロープ型の橋。崩れ落ちないか心配なほど、ぐらぐらであった。


「ここ、渡るの?」


心底心配だ。エイダン達の顔も心配そうな顔つきで、共感ができる。

馬車の重さと、馬の重さ。そして、馬車の上に乗っている俺たちの体重と、荷物の量。間違いなく、落ちる……だろう。


「やっぱ、迂回しないか?」


「だけど、他に道なんてあったっけ?」


「………………ない………みたいだ」


地図を見ながら、小さくつぶやくディランの声色で、更に不安を感じる。ディランから地図を受け取り、その地図を見ると、確かに迂回できそうな場所はない。

と言うことは、この道を渡らない限り、南の国へとたどり着けない。と言うわけだ。


「わ、渡るしかないみたい」


不安そうな声で言うライアンの一言で、みんなの顔色は変わった。それは、

やけで渡ってやろう!

と言う顔だった。


「このままウジウジしたって意味ないよ……。うん、渡ろう」


「覚悟………決めたよ………」


「私も………」


「よし、慎重にしよう」


不安な顔で言うも、みんなのやる気は上がる。そんな時、クロードが呟いた。


「誰かが橋の強度を上げれば良いんじゃないかな?」


「「「「「「それだ!!」」」」」」


クロードを除く俺たちの声は、合致する。落ちないように、支援魔法サポートで橋の強度を上げ、俺たちが渡っても大丈夫なようにすれば、助かる確率は上がる。


立候補として上がったのが、クロードだった。最初に言った人物というわけで、クロードが真っ先に手を挙げる。

それを了承した俺たちは、クロードが支援魔法サポートで壊れないように、強度するまで、待機する事となる。


「オッケーだよ!!」


遠くから聞こえるクロードの、叫び声で俺たちはその橋を馬車で渡る事にした。

手汗がかいてしまうほど、緊張するこの場面は、とても心臓に悪い。悪い方へと考えてしまうこともあってか、つい下を見てしまう。


(大丈夫………大丈夫)


そう自分自身に暗示をかけるように、言い聞かせ、心を穏やかにさせる。

馬車を運転するエイダンの、技術に身を任せて、俺たちは落ちないように、ただ祈るばかりだ。


そして俺は、ふとエイダンの方を見る。

エイダンが物凄く緊張している。

いくら、仲間クロードの手助けがあろうと、この状況は厳しいものだ。当事者になれば、ここにいるだけよりも、更にやばいだろう。


なぜなら、人の命を預かってるのも同義。自分の運転次第で、橋が落ちてしまう可能性だって、無くはないのだ。いくら、支援魔法サポートが有ろうとも。


だが、エイダンは心を入れ替え、慎重に馬車を進めさせる。もう少しで反対側まで行けれる。あともう少しでこの状況を終えることができる。


(あと、もう少し)


目前まで見える反対側の道。ここを通り抜けることができれば、また後一ヶ月の時間を使えば、南の国へとたどり着けれる。


そしてやっと橋を渡ることができた。緊張の時間は長いようで短い。


「ふぅ……」


みんな安堵の感情に包まれ、冷や汗をかいていた。もちろん俺もだ。


———だが、そう思うのも束の間だ。

後ろから、嫌な音が聞こえてくる。そう思い、振り向くと橋がどんどん壊されていく。


「なんで!?」


「まずい!みんな今すぐこの場を離れるぞ!!」


馬車の歯車がまだ橋の部分にあり、急いで前にやろうにも引っかかってしまった。

乗っていたイネスさんはそのまま落ちそうになり、馬をも落ちてしまったら、後々大変な事になる。そのため、ナイフでその手綱を切り、俺はイネスさんを助けるため、谷に飛び込んだ。


その時に聞こえたのが、イネスさんの悲鳴と、リナさん達のイネスさんと俺を呼ぶ声が、聞こえ、反響で更に大きく感じる。


暗い暗い底へと、落ちてゆく。

俺は必死に、イネスさんの腕を掴み、そのまま重力に逆らえるはずもなく、真っ逆さまに落ちていった———。

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