58話 一つの可能性
図書館から出た後、王宮内を彷徨っていた。王宮はユスフリカ王国の王宮内とは違い、大階段に肖像画が飾られていた。
(………………!?これって………)
一つの絵に目を疑った。銀髪で、瞳の色が紫色の女性。俺は、その人を知っていた。見た目は、クロードに似ているが、違う。この人は、俺の夢にも出てきたマーティナ・ヘルグビュイ。
「その人は、マーティナ・ヘルグビュイ。1万年前にこの国を作った人だよ。デイヴィス」
「………………!?」
声をかけられ、後ろを振り向く。そこにはアストリさんの兄。この国の第一王子であるヒューゴさん。象牙色のショートヘアで、瞳の色が桃色。
アストリさんによく似た人だ。他の二人は髪の色も瞳の色も違う。二人は栗色の髪色で、緑色の瞳をしている。
「………ヒューゴ……さん」
俺は、ヒューゴさんに聞いた。この国を作ったマーティナ・ヘルグビュイ。情報が掴めるかもしれない。
「あの!その、マーティナ・ヘルグビュイの情報ありますか!?」
「マーティナ・ヘルグビュイ様の?」
(……様?)
ヒューゴさんから、話を聞き始めるため、色々と聞いた。王宮の外、庭に行きガーデンテーブルに座る。
メイドさんが持ってきた紅茶とクッキーを食べたり、飲んだりしたあと、ヒューゴさんに質問攻めする。
「……あぁ、マーティナ様は、この国を作った人。そして、リルメス国にある魔法学園を作った人でもある。オルテーリオ魔法学園の創生者だ」
オルテーリオ魔法学園。この国にある学園にあるみたいだ。そのため、俺はヒューゴさんに頼んだ。
“魔法学園に連れてってくれ!”
と。コップの取っ手を掴み、目を見開き、驚いた様子を見せた。
馬車に乗り、オルテーリオ魔法学園にヒューゴさんと一緒に行く。
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馬車の中にて、俺はヒューゴさんに一つだけ疑問を投げつけた。
「………ヒューゴさん。もし、もしも転生というのがあるのなら……。どう思いますか?」
初対面であるヒューゴさんにそう告げた。自分でも何言ってんだ?って感じた。だが、もし。もしも転生という手段があるのなら。
クロードの見た目が、マーティナに似ているのも、何となく頷けた。そしてクロードに既視感があるのも。納得できた。
「うーむ……。だけど、転生というのがあるのなら、禁書に書かれているだろうな。あるんだとしたら、だけどね?」
余裕のある笑みを浮かばせ、目線を逸らした。一つの可能性は一縷の望みがある。
なぜなら、俺が転生した理由も、マーティナとクロードの姿が似ているのも。
———頷けたから。




