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52話 西の国の王女

後もうすぐでユスフリカ王国に着く。その距離までたどり着いた。


「後二日か。長かったなぁ」


長い旅路はもうすぐで終わる。と言ってもユスフリカに着くまで……まだ序の口だ。

北の国までだいぶ時間がかかる。時間を費やし、炎の晶石が作られたとされる北の国。その高度な文明を見つけなきゃいけない。


そう馬車で乗ってる時、前に馬車を発見した。今までそのようなものは見ていなかったため、不思議に思い、その馬車と肩を並べるように、並行となる。


「なんだ……?」


よく見ると、馬車の中には少女がいた。喋れないように口に布を噛み締めさせ、口枷のようにしていた。


「………!」


見られたと思ったのか、相手の馬車は俺たちが乗ってる馬車に衝突させようとしていた。


「避けろ!ディラン!」


「あぁ!」


馬車を運転していたディランに、そう叫び残ってる俺たちは、もしもの為に、武器を持つ。


「ディラン、その馬車を止めろ!」


「了解だ!」


ディランは相手の馬車を止めるように、急いで前へやり、道を塞がれた馬車の運転手は馬車自体を止める。人質に少女を捉え、俺たちの前へと見せた。


「おい!お前ら、この事を誰かに告げ口してみろ!下手な真似をすれば、このガキの命はないと思え」


不機嫌な重々しい声を発しながら、ナイフをその少女の首筋に持っていき、声を上げられない少女の顔は強張った。


「………………ッ」


最悪な展開に陥るのは、今日が初めてでは無い。みんなに目配せをし、それに気づいたみんなは頷いた。

少女の両腕は縄で結ばれ、抵抗ができる状態では無い。




俺は杖を召喚し、相手の目線を俺の方へと向けさせる。その間にクロードが後ろへと回り込み、剣の鞘で思いっきり殴り、その衝撃で少女を俺の方へとやってくる。それをキャッチし、急いでイネスさんたちに渡した。


「クソォ、やりやがったな!!」


後ろを振り向き、腰につけてあるベルトから剣を取り出し、クロードと一騎打ちをするが……。


腕の上はクロードの方。帝国内、騎士団の中で一番優秀な人物。


剣豪グラディウス”の称号を持っている彼女なら。肩慣らしにすらならない程度だ。


「ぐっ!クソアマ!!」


それでも己のプライドなのか、諦める事を知らない様子だ。


「悪いけど、諦めな?あんたじゃ勝てないさ」


「なにぃ!?」


追い討ちをかけるかのように、俺は告げた。


「俺たちの仲間であるそいつは、帝国内随一の腕を持つ。女でありながらも、騎士団に入り、“剣豪グラディウス”の称号を獲得した、強者。そんな相手に叶うはずないさ」


告げた後、その男は顔が真っ青になり、力が抜けるかのように、倒れ伏した。その場にいたディランとクロード以外のみんなは、驚きの顔を見せる。


「え!?剣豪グラディウス!?クロードが!?」


俺に関しては、相部屋であったディランに話を聞いた。もちろん最初は驚いたが、授業で見たクロードの剣術は素人からも分かるほど、凄まじい腕だった。教えていた騎士団の団長たちも、“流石”と言う顔をしているのは、目に入ったから。


その男を縄で縛り、馬車に放置、そしてその少女の縄と口につけられた布を取り外し、何があったのか経緯を話してもらうよう頼んだ。

ぽつりぽつりと話し込み、その場にいたみんな驚愕した。もちろん、俺もだ。


「え?って事は、西の国出身なの?」


「はい。私はリルメス王国の王女。アストリ・リルメスでございます」


「り、リルメス王国の……お、王女?」


「はい。まさか、こんな所でユスフリカ王国の第一王女様と第二王女様に出会えるとは……。光栄です!」


象牙色の髪、桃色の瞳。輝かしく光る透明な肌。それは見惚れるほどであった。だが、それよりも。なぜ西の王国。リルメス王国の王女様がここにいるのか。


「実は、お兄様たちに頼まれて、帝国に行こうとした所、先程の人に捕まり、五日間あのような状態でした」


「五日間!?それ大丈夫なんですか!?」


王女様が五日間居なくなれば、西の国はパニックに陥るだろう。そうなってしまえば、大捜索だ。


「それにしても、ここにいるイネスさん達とは大違いだね」


「ん?どう言う意味?」


つい口に溢れてしまい、二人からの威圧ある笑顔が近づいてくる。


「いや、別の意味でね?二人は可愛いけど、アストリさんは綺麗な方じゃない?ね?みんな」


俺は助けを求めるかのように、エイダンたちの方へ顔を向ける。それに気づいたエイダンたちは、目を逸らしながら、曖昧に答えた。


「あー、そう言う……。勘違いしちゃった!あははっ!」


「そうだね。勘違いしちゃったね。お姉様」


二人は口では笑ってるが、顔は笑っていなかったのが、一番の恐怖であった。







♦︎





アストリさんはリルメス王国の王女な為、“俺たちもリルメスの方に行く”と答えると、一緒に向かうことになった。

あの男を気絶させ、そのまま西の王国へ一緒に連れて行こうとしたが、アストリさんがそれを止めた。どうやら、その男の顔を一生見たくなく、一緒に乗りたくもない。との事だった。





アストリさんを乗せ、残り二日でユスフリカに着く。ユスフリカに着いた次第、そのままリルメスの方へ行こう。と満場一致で決まった。


残り、ユスフリカ王国に着くまで後二日———。

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