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48話 山賊

翌日の昼の時間帯。馬車に乗り、俺の肩にはカーパンクルのフォルディが乗っている。

馬車の空気は昨日よりかはだいぶマシだ。談笑を交わし、笑顔が増える。その日の風は心地よいものであった。


「なぁ、アルベール。魔力の器を増やすにはどうしたら良いんだ?」


隣に座っていたライアンから聞かれ、俺は魔導書を開きながら、説明した。


「魔法をたくさん打てば良いよ」


「いや、説明テキトーだな」


そう言われたが、なんて説明すれば良いか分からなかった。つまりは“慣れるより慣れろ”だ。


「慣れるより慣れろ。休憩に入ったら早速練習な」


ライアンにそう言い、微笑むと苦笑しながら前を向く。





♦︎





休憩し、馬車を止める。馬車から降りたあと、木陰がある場所を確認したあと、ライアンと共にその場まで行く。

木陰がある木から一定の距離を保ち、魔法を放つ準備をする。


「これで良いのか?」


「あぁ、いつも通りにすれば良いよ」


俺は杖を召喚し、ライアンは右手を前に出す。息を整え、心臓を落ち着かせる。

心臓は確かな鼓動を繰り返している。意識を集中させると、内部から音が聞こえてくるようだ。

そんな音を静かにさせる。


「じゃ、行くぞ」


簡単な水魔法の詠唱を唱え、木に目掛けて発射した水弾は綺麗にど真ん中に命中した。


「おぉ!命中!」


ライアンと共にハイタッチを交わし、それから何度も魔法を放ち続け、ある程度の魔力量が増えた……と思う。









♦︎







木陰に移動し、休憩した。魔力を回復するためだ。

遠目から見えるエイダン達の楽しそうに、はしゃぐ姿。その光景で一昨日のことを忘れているかのように、遊んでいた。お陰で俺たち二人も、一昨日の出来事を忘れる事ができるぐらいだった。


「小さい頃から出会っていたら………」


そう呟くライアンの横顔は、とても嬉しそうに言っていた。

確かに幼少期から出会い、今もその関係が続いていたら、きっと今以上に信頼できた“親友”になっていただろう。

だが、俺は信じる。大人になってもその関係が続くことを…。


「そろそろ行くか」


「そうだな」


エイダン達の名を呼び、馬車に戻る。そしてまた馬車を走らせ、道のりを縮める。











♦︎









それからまた数時間後。山が出現し、そこから盗賊が現れてくる。山から出てきたため、山賊であろう。そいつらに絡まれ、馬車を一旦降り、相手は武器を持ってるため、俺たちも武器を持つ。


「なんなんだよ……こいつら……」


「気をつけた方が良さそうだな」


互いに背中をくっつけ、エイダン、ライアン、イネスさん、リナさんは右手に黒椿の刀を持ち、左手を前に出す。

クロード、ディランは騎士用の剣を左手に、右手に黒椿の刀を持ち、二刀流の形となる。


「おい、お前ら。金目のものがあればさっさと出しな?痛い目に遭いたくなかったらなぁ?」


ナイフを片手に持ちながら、舌を出す。不敵な笑みを浮かべながら、そう言った。その笑みは俺たちを倒せることができるほど、自信に満ちていた。


「ふっ、残念ながら、あんたらに渡すものはないんだよ」


俺がそう言うと、エイダン達みんなで、山賊どもの後ろに回り込む。


「「「「なっ!?」」」」


俺は山賊のボスであろう相手と、一騎打ちをすることにした。杖を召喚し、右手に黒椿の刀を持つ。


「しゃーねぇーな。相手してやるよ」


先程の声よりも、少し低くなり、そいつは地面を思いっきり蹴り、距離を詰めた。


「ぐっ!………ふっ」


目をガッ!と開かせ、相手の手に打撲を当て、ナイフを取り出す。そこから一気に刀のつかでお腹に更なる打撲を加えた。


「ぐはっ!!」


「まだだぞ」


杖をそいつの前へとやり、至近距離で魔法を放つ。


「『風切ウィンド・ブレード!!』」


風切りが空気を裂き、山賊のボスは吹っ飛ばされ、近くにあった木に衝突し、頭を強く打ったのか、そのまま項垂れていた。


「な、ボスが!」


「嘘だろ!?」


「はっ、あんたらのボスは俺たちの友人にやられたんだよ」


「そうだぞ。懲りたらさっさと去るんだな」


そう不敵な笑みを浮かべながら、余裕のある言い方をするエイダンとライアンであった。

自分たちの立場が不利であると分かった瞬間、嘆いてボスを連れて行く部下達であった。


「ふぅ、終わった」


戦いながら肩に乗っていた、フォルディは恐らく酔ったのか、制服のポッケの中に入っていた。


「さっすが!」


「なんだよ………」


肩をポンッと叩かれ、気恥ずかしさに目を逸らす。

小物なあいつらを颯爽と倒し、俺たちはまた馬車に戻り、出発する。

風を切り、草原を走る。そんな自然な道を馬車で走り、揺れるその上で自然の風を顔全体、そして一心で浴びた。


ユスフリカ王国につくまで、あと六日———。

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