45話 迷子
ある程度の物資は集まった。食料に薬草、そして水。あとはガラクタ物。コップもないし、ナイフやフォークもない。
神州国から出た時に、動物の群れに会い、大事な食器類を落としてしまったからだ。
落ちていたガラクタ物を集め、なんとかしようと考えた矢先。ある一つの魔法を思い出した。
(確か、生活魔法があったな。拾ったガラクタでフォークなどの食器類を作るか。それが終わったら毛布なども作ろう。そうなれば、布が必要だな)
腕を組み、あれこれと考えていた。必要な食器の数、毛布の数。
今は夜になると冷え込むため、毛布がないと正直きつかったのもある。
そのため、必須条件だった。それが終わり布が足りれば、どうにかして防寒着を作れるだろうが、それに関しては買った方がいいと感じる。
素人の作る防寒着は色々と危ない。そのため、帝国を通る時に帝都で、防寒着を買っておいた方がいいだろう。
(一先ずは、食器類を作らないとだな)
一旦馬車を止めるように言い、馬車から降りる。草原に魔法陣を描き、その上にガラクタを乗せ、その詠唱を唱える。
「『変換』」
そう唱えると魔法陣の大きさに対して、光が放たれる。
ガラクタから食器類に変わり、それを荷物の中に入れた。
あとはユスフリカ王国がある方面へと、馬車を走らせまた十日間の道標を歩く。
そしてまた一日目が終わる。月が顔を出し、月の光が地上を照らす。外に出て焚き火を焚き、食料を焼く。談笑しながら、食べるとさらに美味しく感じた。あとは見張りを交代しつつ、体を休めるのであった。
そして翌日。馬車を発車させる。
今度は俺が馬の上に乗る係なため、目的地の案内に関しては地理が得意であるディランに任せた。
「次はその右だね」
「了解。右ね」
馬を右へやるように手綱で指示をし、右方向へ行く。それからちょくちょくと休憩しながらも、馬車を走らせ、いい天気の中草原をまた走る。
馬車を走らせていると、石の壁が前を塞ぐ。これが一体なんなのかは定かではない。
「な、なんだこれ?」
「これじゃあ進めなくない?」
みんなの心中の中は一致していた。
“こんなのあったけ?”
と。道に迷ったりするも、ちゃんと来たことある道を通ったりすることもある。
だけど、確かに目の前にあるやつは見たことがない。仕方ないため、来た道を戻りまた新たな道で行くことになった。
それからも行ったり来たりするが、見たことある道へと辿りつかなかった。
そう簡単には辿りつかなかった。
そう思ったのも束の間。来たことある道へと出れた。さっきのがなんだったのかは、理解ができなかった。だけど、終わり良ければすべて良し!とも言うし。
———あと九日。草原を走る。




