42話 巨大雷狼
魔獣の大きさはピンキリ。もちろん、力や威力もそうだ。俺は夜空に大きな魔法陣を浮かばせ、電気の矢を降らせる。———ビリビリ!と音が鳴り、次から次へと感電していく魔獣達。
硬直しながら、感電している魔獣達に剣で切り裂くアヴェリーノ兄妹。刻まれた魔獣達は体内にある血を吐き出しながら、倒れ込む。残った魔獣たちは倒れる魔獣たちを踏み、俺たちに走りながら、襲いかかってくる。
「ぐっ、ハァ!!」
剣で押し返し、隙を作る。神州国の侍の人たちと協力しながら、魔獣の数を減らす。そんな時、また炎の晶石が強く輝く。
「………!?なんでまた…?」
炎の晶石が光るのは、魔獣を察知すると言う意味。魔波が仕組み込まれているため、その波動を察知することができる。今、魔獣の大群に襲われているのに、なぜまた光るのか。もしかして、また魔獣が来ているのか……?考えるのも必然だった。
(一体、どう言うことだ)
「おい!なんか森の方にでかい影があるぞ!!」
一人の侍がそう叫び散らし、その方向を見る。でかい魔獣が地鳴りを鳴らしながら、森の木を倒しながら、神州国の方へとやってくる。
(な、なんだあれは!?あのデカさは……!?)
おそらく、3メートルぐらいの大きさ。馬鹿でかい魔獣が———ドスン!ドズン!と鳴り響き、立って入れるのが困難なほど、地面が揺れる。
炎の晶石が目を直視出来ないほど、閃光を走らせる。
「ぐっ!!」
そんな時、足がふらつく感じを覚えた。これは前に感じたのと同じだった。学院にいた頃、炎の晶石が光った時、体内にある魔力を吸われ、倒れたあの時。それに似た感覚が体を襲う。
(くそっ、こんな時に………!)
必死に自身の意識を保たせ、もう直ぐそこまで来ている3メートルぐらいの魔獣。
「あ、あれは………!?」
「あぁ、あいつはこの辺地帯を占領している魔獣!巨大雷狼!!む、無理だ!に、逃げよう!!」
指を指し、侍たちは国の中に逃げて行ってしまう。その巨大雷狼は威嚇の叫びを放ち、空に大きな魔法陣を展開させ、そこから天雷を落とす。残った侍たちに当たり、黒焦げになり、死んでしまう者たちもいた。
「何がどうなってんだよ!?アルベール!!」
「くそっ、どうしたら………」
俺たちの戦力じゃあいつを倒すことができない。それほど、戦力が圧倒的に差があった。
(一体………どうしたら………!!こんなところで、止まるわけには行かない。だけど、死んでしまったら元も子もない……。どうすればいいんだよ………!!)
俺たちの目の前には、さっきまで戦ってた侍の人たちの死体が転がっている。その間にも敵は忍び寄ってくる。
手を握りしめ、作ってもらった刀、杖を握りしめる。その間でも炎の晶石は光を、放ち輝き倒す。
「………!!おい、アルベール!!」
ライアンの声で、我に帰った俺は状況を理解した。今、俺の目の前には巨大雷狼が目の前に立っていた。雷の如く、俺の目の前に現れ、その巨大な手に生えている爪と、その影が俺の体全身を包み込む。
(やばい………また………油断した)
その光景を見ているだけだった。正直、死が脳裏に蘇る。
額に汗が浮かび、俺は巨大雷狼に顔を見せ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。




