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37話 更に東の国 旅一日目

魔獣騒動が終わり、炎の晶石の光は収まった。事情を説明し、理解を得る。そんなとき、一人の騎士が口を弾む。なんと炎の晶石が作られたと思われる、北国周辺出身地の人物が、友人にいると言う。その人が言うには、ここより更に東の国に居るのだそう。


地図を開き、その場所を確認する。出発は明日の早朝が望ましい。なぜなら、ここからの距離であると10日はかかるのだと言う。


「イネス王女様、リナ王女様、どうかお達者で」


「うん。行ってくる」


「行ってきます」


制服に着替え、馬車に乗る。馬に乗るのはディランだそう。ディランは馬に乗った後、手綱を掴み発車させる。後ろには手を振るユスフリカ王国の国民たちであった。そこからやや遠い場所にある王宮から、二人の父親———この国の国王が黙って佇んでいるかのように見えた。



まだ太陽は登っておらず、暁が出ていた。


「ユスフリカ王国って、すごいんだね」


「帝国ほどじゃないよ。でも、私はあの国が大好きなんだ」


「私も」


王国を見つめるイネスさんとリナさんは、多少寂しそうに見ながらも、すぐさま笑顔となった。それになんだが、俺も嬉しくなる。そして、騎士の一人が言っていたここから、更に東の国にある人に聞く。長い道のりを通って。




そして時間は経ち、太陽が登る。明るくオレンジ色をする太陽。太陽が登ったことで、大地に光が宿る。小鳥が鳴き、心地よい風が吹く。旅の目的を忘れてしまうほど、のんびりした空気で、いつまでもこの時間が続けばいいのに……と思ってしまうほど、今の時間を楽しんでいた。


「今やっと8時くらいだね」


「そっか、まだ8時なんだ」


懐中時計を見ながら、そう呟き倒す。時刻は8時台を指し、早朝から朝になったのは、言うまでもない。




そしてまた時間は流れる。太陽が空高く登り、斜めに傾いていたのが、真ん中まで来ていた。そう。つまりは、12時になったのだ。あれから四時間が経ち、気温が上がる。早朝は寒かったのに、今となっては暖かなっていた。


「ここら辺で、一旦休憩入れるか」


馬車を止めお昼休憩にした。王国で買った食材とかで料理を作り、それを平らげる。クロード、イネスさんやリナさんは後片付けをし、俺とエイダン、ライアンとディランは周りを警戒していた。


いくら魔獣が現れていないとしても、油断禁物。背後から取られる可能性もある。


「魔獣どもは居ないみたいだな。アルベール、炎の晶石の反応はどうだ?」


エイダンからいつもの感じで、そう聞かれ炎の晶石を見る。手のひらに置き、反応を見るが無反応であった。その事をエイダンに示し、見せた。


「反応はない……か。ここら辺に魔獣たちは居ないみたいだな」


確認した後、炎の晶石を元に戻してくれた。昼休憩を取った場所で、一時間休憩し終わった後は、また馬車に乗り出発させる。


今度はライアンが馬の上にのり、馬車を運転していた。馬車に乗っている俺たちは、揺られながら地図を見て、指示していた。そんなとき、———ガタン!となり、馬車が大きく揺れる。


「うわっ!なんだ!?」


突然の出来事により、慌てて馬車の外に出て車輪を見る。その車輪の近くには小さな石があり、それでさっきの揺れが鳴ったのだと、確認した。危険性も特になかったため、馬車の中に入り、また移動を開始させた。



それからまた時間は流れ、夕日が地形を照らす。そろそろ夜になるため、馬車を止め、火を起こさないとダメなため、近くに木がないか見渡すが、それらしき木はなかった。と言うより、ここら辺更地である。


「木がないと火が起こせないな………」


困ったことに、今夜はまた冷えるため、火を起こさないと正直まずい。なんとかして木を見つけなきゃいけないため、みんなにもそう伝え、手分けして探した。



「集まったのはこれだけか………」


集まったのは、近くに落ちていた木の棒、葉っぱだけだった。森なんて愚か、林でさえ見つからなかった。


「とにかく、これでやるしかないよ」


「そうだな。火を起こすには、多少足りなくとも炎魔法で補えばいいだけだし」


「「うんうん」」


やることも決まり、時間を有意義に使う。


アルベール→魚釣り


エイダン→お肉取り


ライアン→水汲み


ディラン→火おこし


クロード→見張り


イネス→見張り


リナ→見張り


と言う仕事に分け与えられる。俺は釣り竿を持ち、近くにある川で魚を釣る。それを今晩のおかずにするために。もちろん、エイダンも動物のお肉を取り、食事のメニューとして。ライアンは水汲み。水は人間には不可欠な存在。火起こしはディランがやり、炎魔法で先程拾ってきたのを、燃えたぎっていた。クロードとイネスさん、リナさんは周囲の警戒をお願いした。


食料としては、取れたお魚、お肉。魚は串をさして火炙りにし、お肉も似たような工程にした。魚の生臭さも無くなり、中にある骨を取り除き、口の中に入れる。塩の加減が口の中で広がり、———カリッとなり、いい音が聞こえっぱなしであった。


お肉はジューシーな香りが鼻の中に入ってきて、更においしく見えてしまう。炎の灯りでお肉に白い艶が入り、お腹の虫の音が鳴ってしまう。


「普通に美味しい〜!」


「だねー!」


みんなで囲み合いながら、食べるこの瞬間は“幸せひととき”と言うべきだ。それぐらい、この瞬間が最高だった。


その日は終わり、ユスフリカ王国を出て一日目が終わった。






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