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28話 信頼と秘密

赤光が空を貫きそうなぐらい、伸びきっていた。何が起こってるんだ!?そんな思いで森を抜け、草原にたどり着く。炎の晶石の光はもう消えていたが、打ち上げられた、赤光は収まらず。そんな時、地面が揺れるような感覚が起きた。


「うわっ!わわっ!………なんだ!?」


地中から謎の生物がやって来る。俺よりもデカく、巨大魔獣に分類されそうな、大きさであった。体格さが違く、ジリジリも下がってしまう。


(いや、戦わないと。だが、敵意満々じゃなさそうだ……)


一向に襲って来る気配はなく、熱りが冷めると地中へ帰っていった。


「………………なんだったんだ?」


謎の生物が出て来た穴を見下ろしながら、真剣な表情で見つめた。穴の大きさに関しては、1mメートル。幅はよく分からなず、大きいものなのか、小さいものなのか、検討が付かない。


「なんであんな事が………」


その穴は近づき、外から覗いてみた。ただ土が縦に掘られているだけだった。そんな時、後ろから大声が聞こえる。


「ハァ…ハァ…ハァ…、どうだった?」


汗だくでやって来たリアン先輩は、心配そうな顔と剣幕な表情を浮かべる。


「さっき土の中から何か出たんだ!」


そう慌てた状態で言うと、「やっぱり……」と声を立てた為、耳はその言葉が入っていた。


「やっぱりってどーゆう事?」


「あっ……。………………くっ」


ため息を大きく吐いたあと、先輩は俺の方を見た。決心したかのように、少しずつ話していく。


「さっき、お前が見た生物……。そして森の奥にある石の壁……。あれ、実はこう言う言い伝えがあったんだ」


“森林の最奥に存在する、鉄壁の壁。近づこうとするものは、天まで貫く光が宿らん。邪悪な獣達が襲い、その守り神である獣は、最悪の結果を招く”


「———って言うのがあるんだ」


「え、じゃあつまり………」


「ごめん!」


突然謝られた。オロオロするのも無理はなかった。何故なら、思考が停止してしまうほど、驚いたから。


「俺、試すような真似をして、お前に誘導文句を言った。ほんとにごめん……」


頭を思いっきり下げられた。誘導文句?試すような?


「じゃあ先輩は、俺が大魔導師アーベルである事を、知ったんですか?確実に」


「確実、とまでは行かない。だが、本当にそうなのだとしたら………」


顔を俯きながら、ぽつりぽつりと呟く。俺は警戒心で先輩に近づき、肩に手を置く。


「知ってるのなら、その情報をどうするの?流出するの?」


「い、いや!俺は、お前に幻獣を治してもらった恩がある。今更になったが……。これだけは信じてくれ!!俺は、お前が大魔導師アーベルである事を、誰にも話さない!!心に誓って!!それがダメだと言うのなら、首を切ってでも大丈夫!!」


焦りすぎて、やばい事を口にしたが、あえてスルーした。


「………分かった。何も言わないんなら、それでいい。だけど、ちゃんと守って。お願い」


今度は俺が頭を下げる。俺の秘密が世間に公表されたら、色んな意味で立場的に危うい。そう感じ取った俺は、先輩に向かって思いっきり頭を下げる。そうすると、先輩が「うん。約束する」と穏やかな声で言ってくれた。


「………………!………ありがとう」


お礼を言い、帝都に戻ろうとしたところ、また地鳴りが聞こえる。


「うわわっ!なんだ!?」


「まさか………」


立っていられなくなるほど、地鳴りが大きくなって来る。


———それから、数十分後。地鳴りは治った。「ふぅ」とため息をつき、安堵していたところ、帝国の中から騎士団達がやって来る。


「一体、なんの騒ぎだ!?」


(………………!?あれは!!)


ここより森側の方の木々が倒れていく。そこからゾウの姿をした魔獣が姿を表す。


(なんでまだ!?)


9セプテンブルの辺りの頃に、魔獣の大群がやって来て、大変な目にあった事を、今でも覚えている。それなのに、また魔獣の発生。何かあると感じた。


(………!!そういえば、学院長が……)


学院長が言っていた。


「世界各地で魔獣の発生情報が寄せられ、魔獣騒動にまで陥っている」と。


王国や帝国などの国は騎士団がいるため、まだ平気だが辺境の村、集落はいくつか崩落した。と言っていた。


(また、炎の晶石が光ってる。何か関係性があるのか?)


杖を召喚しながら、考えるも何も思いつかなかった。そのため仕方なく、目の前にいるゾウの形をした何かを倒すため、その場にいる騎士団達、そして俺と先輩。陣形取りつつ、戦いを始める。


巨大魔獣との、戦いが———。

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