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27話 赤光の一筋

魔法競技場で、剣技の練習をしていたアルベールは、練習用の剣を必死に振っていた。


「ハァ…ハァ…ッ、もっと……強く!」


汗を拭っていた時、扉の方から誰かがやって来た。それに気づいたアルベールは鍛錬を一時やめた。そこから、リアンがやって来る。


「やぁ、こうやって話すのは、初めてだよな?デイヴィス」


「………リアン先輩。どうしたんですか?」


「いや、それよりさ。何してたの?鍛錬?」


「え、あーうん。そうだね」


曖昧に答えながら、休憩する。地面に座るとリアンもアルベールの元へ行き、腰を下ろす。真面目に話すのは、今回が初めてだった。


「そういやさ、あれから幻獣の子どうなった?」


「あぁ、ちゃんと飛べてたよ。だいぶ前からね」


「そっか。それなら良かったじゃん」


「そうだな。デイヴィスのおかげだ」


そう感謝され、アルベールは内心嬉しかった。少し頬を赤くしながら、頭をぽりぽりとかいていた。


「なぁ、デイヴィス」


「ん?」


真剣な表情となり、空気が一変する。口を開き、リアンはアルベールに心中を打ち明けた。


「お願いがあるんだ」


「お願い?」


首を傾げ、キョトン顔となった。


「あぁ、それは———」


それは、と言った後、唇を噛んだ。一体どうしたのだろう……と。




♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


俺は、リアン先輩から言われた内容に、呆気を取られた。一体なんだ、それは。と。二年生になったばかりのはずなのに、何故そんな事がすぐに起きるのか。訳がわからなかった。


その日は、一旦去りその期日まで待つ事にした。その日が来るまで、準備を進める。大事な準備を。


一ヶ月後、魔力の上限と魔法の勉強。やれる事だけをやり、魔法も新たな魔法をたくさん覚えた。そして、剣術を磨き入れ、騎士団であるジュールさんに剣技を教えてもらい、雑魚敵の魔物を剣技で倒せるまでに成り詰めた。


剣を振り風を切る。ザシュッと音を立てながら、鍛錬をする。


「ハァ…ハァ…ハァ…、よし。もっとだ……!」


また鍛錬の練習をし、徐々に筋力と速力、足力を上げ続け、だいぶ上がった気がする。


「………あと五ヶ月。だいぶ先は長いな……」


帝国に行こう。と考え準備をし夜の帝都を歩く。


「風一つない……。そしてなんだ?この声?」


帝国の外に出ると呻き声のようなものが、聞こえた。


「一体、どこから」


声が途切れ途切れと聞こえ、その場までいくとまさかの魔獣の住処と言われている森にまで入って来てしまった。


「ここから……」


森の中に入り、奥へとドンドン進んでいく。


(なんでこんな森から………?)


やはり、魔獣の住処と言われるだけあり、魔獣の数が多かった。


「………これで終わりか?」


最後であろう一匹を倒し、ある事に気づく。


「え、何これ……」


森の奥には石の壁があった。暗く見えなかった為、何の意味があるかは分からなかったが、その壁に触れると何かが動き出す。


「………………!?」


光はじめ、森を飲み込む。


「………………これが、まさか。リアン先輩の言ってた………!」


リアン先輩から忠告を受けた。それは———。


『え?森の奥に?』


『あぁ、だから。お前に頼みたいんだ!』


そう真剣な顔で言われたが、何故俺なのか。と感じた。


『なんで俺?』


『………………ッ、俺さ。いや、もしかして、なんだけど。一万年前に存在した帝国と学院を作った人物……』


直感でやばい。と悟った。心臓が跳ね上がり、バクバクとうるさかった。


『デイヴィスってさ、一万年前に存在したアーベル・ジャルディノじゃないか?』


なんで分かったんだ。どうしてそんな事が分かる。誰にも言っていないはずなのに。そんな言葉が俺の頭の周りをぐるぐると回り、思考がおかしくなるほどの、衝撃だった。


『な、なんで………それを』


『いや、直感なんだ』


『は、直感?』


直感で何故そこまで分かる。また新たな言葉が回り始め、可笑しくなりそうだった。


『………………俺の家に仕えている古代科学者が居るんだ。そいつが調べてくれたんだ。そしたら、可能性は十分にある。だと。だけど、俺の中では確信に近かった。だから、改めて聞く。頼む。森の奥で、何が起こっているのかを、確かめてくれないか!?』


♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


(まさか、こんな時にこうなるとは………)


光に包まれ、数分が長く感じた。その光は俺のつけていた“炎の晶石”に反応があった。空高く舞い上がる赤い光の一筋。


「な、なんだあれ!?」


夜の空に赤く光る一筋の明かりが、天まで届きそうなほど、すごい勢いで伸びていた。

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