22話 光り輝く魔石
そのまた翌日の昼頃。二人だけの秘密と言っていた“炎の晶石”を首飾りとして、首につけたアルベールは学院にある図書館で『マーティナ・ヘルグビュイ』と言う人物が書かれている本を片っ端から読み始める。一方でディランは帝都内にある書店を調べ、情報を探す。
一つ、見つけた本にはこう書かれていた。
“マーティナ・ヘルグビュイ。彼女は生前生きている時、困っている人物達を助け、現代に甦り、今では“治癒の目神”として存在し続ける”
と。太陽の日光があたり、炎の晶石は光り始めた。
(何だ…?)
困惑に満ちたアルベールは、炎の晶石を手のひらに乗せる。未だに光り始める炎の晶石は止む事なく光を放ち、目を瞑ってしまうほど、光の強さは上がっていく。
(ぐっ…、眩しい!)
手で抑えるほど、光は増し、止んだと思ったら、魔力が吸い込まれるみたいな感覚に陥り、最終の果てには、意識を失ってしまった。
『アルベール、アルベール』
(———だれだ?マーティナ?)
意識の深い中で、誰かが彼の名を呼ぶ。
『アルベール、アルベール!』
(いや、違う。仮にマーティナなのだとしたら、アーベルって呼ぶはずだ。なら、クロード?)
意識の深い中から脱出し、現実世界に飛び込んだ。
「………!?ハァ…ハァ…ハァ…」
「目が覚めた?」
「………………クロード」
「うん。そうだよ。学院内にある図書館にて、倒れてしまったんだって。先生は貧血なのか、寝不足か、脱水症状かって言ってたけど。何もないなら、安心したよ」
クロードの声を聞き、さっきの声が幻である事を知った彼は、再び調査をしようにも、体が鈍り重く、動く事ができなかった。
「大丈夫?」
「うん。平気」
「後もうすぐで、イネスさんとリナさんがやってくるよ」
イネスとリナというのは、双子で東側に位置する、ユスフリカ王国の王家の血を引き継ぐもの。第一王女と第二王女の事だ。
「アルベールが倒れたって聞いた時、二人ともびっくりしてたよ。今はお花を買いに行ってるみたい」
「ほんと、ありがとう」
クロードにお礼を言うと、クロードは「そんな事より」と言い、腰を屈め、心配そうな顔で覗き込んできた。
「本当に大丈夫なの?ここ最近おかしいよ?」
「え?」
「だって心配だよ。ほんとにここ最近、ボッーとすることが多いし。………あれ?それ」
クロードはアルベールのつけているネックレスに、気が付き、指を指す。
「これって………」
「あ、それ貰い物」
息を吐くように嘘をつき、クロードからは更に怪しまれた。
「何か隠してない?」
声は心配そうな声をしていたが、目は怒っていた。
「別に」
またしても嘘を吐く。そんな態度のアルベールに呆れ、ため息をつき、立った。
「言いたくないなら良いよ。でも、また倒れたら大変だよ」
「そうだね。そうしないように用心する」
「そうしてね」
そんな時、後ろから扉の開かれる音が聞こえ、外からイネスとリナが入って来た。
「あ、起きてたんだ」
「もう大丈夫?」
「うん。ありがとう。二人とも」
今となっては、2人とは難なくタメ語で話せるようになり、2人はご満悦な表情を浮かべていた。
『王女だからと言って、他国の王女なんだし。ね?』
と威圧感ある言い方で、しどろもどろになりながらも、了承してしまった。
「この花ね、結構貴重品なんだって」
「へぇー、そうなの?お姉様」
「うん」
(俺別に入院するわけじゃないんだけど………)
嬉しいような、悲しいようなそんな二つの感情が混ざり、何とも言えない気持ちになった。その後、クロードは先に部屋から出て、アルベールはイネスとリナと楽しく、談笑していた。時間が経ち、2人は寮に戻る時間帯となった為、医務室から出て行った。
(せっかくやる気になってたのに、何であんな光が………)
意味不明なあの光で、謎が更に深まった。もう少し、一眠りをし頭をスッキリさせる為、目を閉じた。




