19話 古き記憶
九月となり、この時期は剣術の授業があるそうだ。
「今日は剣技の授業を始める。帝国騎士団、第一騎士団所属のアンドレアだ。俺はお前らには体力作りを担当する」
茶髪の髪をし、瞳が紫色をしている人は、以前魔獣たちをしたアンドレアだった。
「そして俺は、オリバー。帝国騎士団、第二騎士団所属だ。弓術担当だ」
青紫色の顔をし、瞳がアンバー色しているのが、オリバー。
「帝国騎士団、第三騎士団所属のジュールだ。俺は剣技担当だ。よろしく」
深緑の髪の色をし、瞳が桃色をしているのが、ジュールだ。
「「「「「あっ」」」」」
アルベール達は息を揃えて言う。
「………!?君たちは!?」
「なるほど、やはりこの学院の生徒だったか」
「マジでか……」
3人の声で、クラスメイト達はざわめき始めるが、補足として続ける。
「あ、だからと言って贔屓はしないから、安心しろよ」
「いや、多分そこじゃないと思うが……。まぁ、良い。とにかく、最初は基礎体力から鍛え上げていく。まずは魔法競技場の周りを走る様に」
嫌そうな顔をしながらも、重い足を立たせ、魔法競技場の周りを走っていく。
「合わせて五周だ!」
「頑張れよ!」
騎士団である3人が応援すると、クラスの女生徒達はなぜかやる気に満ち溢れていた。
(顔なんかね)
疑問に思いつつも、颯爽と走る。息を切らす事なく、余裕で走り抜けている。
「ほぉ、あいつ他のやつより体力あるみたいだな」
「確かあの子、古代式魔法を使ってた子だ」
「古代式魔法?杖を使うやつか?へぇ〜、今時の子供にそんな魔法形式を」
古代魔法は1万年後の世界では、使うものがほとんどおらず、大人で有名な魔法使いでも使わない。
そんなこんなで、五周走り終わり、次は足腰を鍛える運動が始まる。
「足腰を鍛えれば、地面を思いっきり蹴る事ができ、剣を持ちながらでも、敵の背後に回り込むこともできる」
足腰の運動が終わると、次は腕立て伏せや、筋力を上げる運動が始まる。
「もちろん、筋力を上げるのも大事な事だ。剣を振り下ろすには筋力を第一と考えるためだ」
この時点で殆どが、疲労で潰されていた。
「では、次は〜………」
他のメニューが出ようとした時、非難の声が聞こえ始めるも、容赦なく続けた。
「ハァ…ハァ…つ、疲れた〜!」
アルベールも潰されかけている。
「こんなに大変なの!?」
「うん、そうだよ。アルベール」
「あ、クロード。クロードはすごいなぁ」
「私は慣れているから」
アルベールが地面に大の字になり、そこへクロードがやってき、一緒に大の字になっていた。
「疲れた?」
「もう疲れたよ〜!だけど、剣術を覚えるのって、結構大事なのかも」
(ここは大魔導師のいた時代じゃないんだし。色んなことで強くならなきゃだよね。せっかく産まれて変わって、自分の作った学院に通ってるんだし)
疲労はありつつも、結果的には学院生活は楽しいに、等しかった。
「うん、結構大事だよ。自分の手で大事なものを守れるんだからさ」
「大事なもの………」
“大事なもの”がなぜか頭に引っかかる。
『また会おうな。未来でも』
大魔導師と、誰かもう一人。指切りをしていた。それがなぜか今、アルベールの脳裏に焼き尽くされる。
(あいつの髪色、なんだっけ………)
古い記憶のため、思い出すことさえできなかった。名前も、匂いも、顔も。それら全てその時代に置き去りにしていた。だけど、なぜか。クロードといると凄く、落ち着く。アルベールはそう感じていた。まるで昔に出会った、大魔導師の友人に。




