041 「外伝・鳳の系譜と華族(付録)」
●鳳一族の概要:
・21世紀序盤での一般評:
・戦前から繁栄している大財閥のオーナー一族。
・大華族(貴族)。
・天文学的な資産を持つ。
・昭和に入ってからの日本経済界の重鎮。
・日本を裏から支配していると噂される。
・大半が容姿に優れ、中身も非常に優秀。
・水面下で、得体の知れない噂が時折聞こえてくる。
・時折、オカルトのネタにされる。
・華族として:
・家を起こしたのは大鳥(鳳)玄一郎。
・1835年(天保6年)生まれ・長州藩の下級武士出身。
・維新志士として出世。
・明治初期によくある維新功労者の新興一族(=新華族)。
・鳳玄一郎以前の一族、血縁が実質的にいないので、直接の血縁の広がりが薄い。
・明治の初期は財閥や華族としては弱小な家で、構成は純粋に家族、一族のみ。
・一族(一家)の結束は固い。
・財力とコネで成り上がった見せかけの長州閥という事で、各方面に敵が多い。
・明治維新の功労者達の弱みを握っているとも言われる。
・皇族に嫁いだ者はいない。
・国から家名を賜った鳳凰院家は、家格は準皇族扱い。
・爵位:
・玄一郎は、明治維新の功労者として明治時代初期に子爵を叙爵。
・日露戦争での功で子爵から伯爵に陞爵。
・本流(旧蒼家)は、第二次世界大戦での功で伯爵から侯爵に陞爵。
・紅龍家は、1930年代前半に鳳凰院家を賜り公爵を叙爵。
・生田流(紅家)、横浜山手流(虎三郎家)は戦前の昭和初期に男爵を叙爵。第二次世界大戦後に子爵に陞爵。
・本流(旧蒼家)の善吉は第二次世界大戦後に男爵に叙爵。ただし1代限り。
・その後も、一族郎党内で一代限りの男爵に叙爵したものが数名いる。
・一族の広がりを増やす為に他から押し付けられたり、接木(養子縁組など)した家は殆どない。
・血縁のみで広がるが、昭和に入って以後は海外との血の繋がりも持つ為か、日本の華族からは敬遠されがち。
・旧姓の大鳥の名や鳳など瑞獣の名を入れた、郎党(主家の一族や従者)の家が複数ある。
・補足:
・「華族」とは明治維新以後の日本の貴族階級。
・昭和初期の日本で爵位(華族の位)を持つのは900家程度。
・公家、大名、明治維新の功労者、歴代首相、国家に勲功ある者に限られる。
・爵位(男爵)を授かるには余程の功績が必要。内閣総理大臣でも珍しく、他の大臣、軍人など殆どいない。特に明治以後は稀。
・三井、三菱などの大財閥でも通常は男爵止まり。
・爵位は簡単にもらえない。
・世間が思うほど特権はない。
・鳳玲子:
・1920年生まれ2020年没。享年99歳。
・一族の長子の一人。
・かなりの期間、鳳一族の中枢にあったと噂される。
・子供の頃は「巫女」と揶揄されるほどの神童。
・学歴は一旦は女学院卒だが、後年大学の学位、博士号を取る。
・1923年に祖父の麒一郎が後見人となったので伯爵令嬢に。
・1937年に結婚。伯爵令嬢から伯爵家の夫人に。
・1947年に夫の鳳晴虎が爵位を引き継ぐと侯爵夫人となる。
・子供を4人もうける。
・1970年にノーベル経済学賞を受賞。一躍、世間の脚光をあびる。
・表向きは内外を問わず交流ばかりしている侯爵夫人。
・大衆文化振興に熱心。
・篤志家として世界的にも有名。
・裏があると噂されるが、表立った話になった事はない。
・非常によく似た直系の子孫が、時折世間の脚光を浴びている。
・一族全体の特徴:
・本流(旧蒼家)は華族特権の家範により長子相続。(普通は長男)
・創業者玄一郎の方針で、安易に養子、他家の受け入れなどで一族を増やさず。
・1930年代以後は一族の数が増加して安定。
・代々、優秀な人材を輩出。
・分家ごとに輩出する人材に特徴が出やすい。
・旧紅家は分家を含め、医者、学者、教育者の家系。
・鳳凰院家は医者、医学者を多く輩出。
・虎三郎家は技術者、科学者の家系。
・龍也家は軍人(と政治家)の家系。国防大臣を二代にわたって輩出。また他の大臣も務める。
・虎士郎家は音楽、芸能の家系。当主は晩年の2000年代まで第一線で活躍。
・一族内に時折、奇行に走る者が出るという噂がある。
・廃嫡、断絶、事実上の幽閉があると噂がある。
・『巫女』などと呼ばれる特異な者がいると噂される。
・財閥(グループ企業)の特徴:
・財閥(企業グループ)は、21世紀になっても半ば一族経営(支配)。
・持ち株の多くはグループ中心の鳳金融持株会社が保有するが、その事実上の上位に一族保有の巨大ファンド(投資会社)がある。
・1925年頃より、アメリカ株で未曾有と言われる大成功を収める。
・1927年春に、豊富になった資金力を背景として旧鈴木商店を実質的な合併の形で飲み込み、さらに積極的な投資により一気に巨大化。
・新興財閥とも分類される。
・昭和初期に日本の4大財閥(三井、三菱、住友、鳳)の一角を占める。
・第二次世界大戦の戦時生産の中で、日本一の座に上り詰める。
・戦後は少し地位を下げるも、日本有数の財閥として君臨。
・満州にも大きな勢力を持つ。
・戦後はテレビ進出を契機にメディア企業としても飛躍。
・20世紀終盤頃からは、電子産業、携帯電話事業、インターネット事業でも他より早く飛躍。中には世界的企業も登場。
・鳳と同様に一族が直接経営に関わる事が多い三菱財閥と関係が深い。
・旧鈴木商店のしがらみから三井財閥との関係が悪い。
・政財界の水面下で『女帝』と言われた鳳玲子は、2020年3月に99歳で死去。
●1930年代の鳳一族:
・本流は玲子ひとり。
・虎三郎家は4人兄弟姉妹。アメリカの名家の血を持つ。
・玄二家、龍也家もそれぞれ4人兄弟姉妹。
・蒼家全体で13名。
・紅家の同世代は合計10名。
・鳳凰院公爵家は4人兄弟姉妹。欧州の名家の流れを汲む血を持つ。その後も欧州の名家との繋がりも深い。加えて、日本の古い高貴な血筋も取り入れている。
・それぞれ長子(長男)が家を立てる。
・一族長子の玲子に、虎三郎家の長子の晴虎が入り婿となる。
・他は、女子の多くが他家へ嫁ぐが一部は入婿を迎える。
・虎三郎家の系譜は、時折欧米の名家と結婚する。
・これらの子女が、第二次世界大戦後に鳳一族を規模の面で大きくしていく。
●戦後の主な鳳一族の系譜:
・鳳本流(宗家) =玲子家(晴虎家)(侯爵家) =本家
・蒼六家(昭和後期)
・虎ノ門流 =玄太郎家(玄二家) =金家 =金融
・六本木流 =虎士郎家(玄二家) =華家 =芸術
・三宅坂流 =龍一家(龍也家) =兵家 =軍人
・横浜山手流 =竜家(虎三郎家) =工家 =技術(子爵家)
・山王流 =舞家(涼太家) =調家 =総合研究所
・赤坂流 =沙羅家(エドワード家)=商家 =商社
・紅三家(昭和後期)
・生田流 =鳳紅家
・薬家(生田本流)(子爵家) =製薬
・療家 =病院経営
・学家 =学園経営
・鳳凰院公爵家(紅龍家) =医家
第二次世界大戦後になると、一族の多くが川崎生田の広大な私有地に居を構えるので、地名で「〜流」と分けて命名できない。また名前で「〜流」とするも相応しいとは言えない。
その関係もあり、また巨大財閥を率いている事から、主な活動拠点が当てられた。
ただし一族内では「〜流」とは呼ばず「〜家」と呼ぶ事が多かった。
※華族の一族の傍系は、地名で「〜流」と呼ぶ場合が多い。または「苗字+家」。
●備考:21世紀の華族特権:
・第二次世界大戦後は一部改定されるが殆ど維持されたまま。
・1980年代の大きな改革で形骸化。
・身分差は無くされ名誉的なものとなる。
・貴族院議員など、多くの特権を失っている。
・一代限り以外で新たに爵位を授ける事は無くなる。
・返上、お取り潰し、断絶などで、華族は徐々に減少。
・貴族院:
・第二次世界大戦後に一部改革され、有識者の枠が広げられる。
・華族というだけで議員になる事が制限される。
・1970年頃は、その他も含めて政治改革が試みられるが既得権益の反発が強く挫折。
・貴族院から参議院への改革は1980年代前半。これに伴い、華族というだけで議員にはなれなくなる。
・一部の華族は、その後も議員、政治家を務める。
・1990年代に選挙で参議院議員を選ぶようになり華族から議員に選ばれる者はいなくなる。
・21世紀まで残された華族特権:
・名誉称号としての爵位
・爵位の世襲
・家範の制定 (法令の範囲内。だが殆ど形骸化)
・世襲財産の設定 (一定価値以上の差し押さえられない財産を数点選べる)
.。゜+..。゜+.玲子の部屋.。゜+..。゜+
体の主「月日が経ちますと、一族も随分と賑やかになりましたわね」
お嬢様「あのさぁ、あなたは生きてるんだから、早く帰りなさいよ」
体の主「お気になさらず。目が覚めるまでに帰りますわ」
お嬢様「是非そうして。それと、あと10年か20年ほど現世はよろしくね」
体の主「ええ、勿論。と言いたいところですが、転生後のわたくしも既に隠居の身。次の子や孫達が中心でしてよ」
お嬢様「そっか。ご苦労様」
体の主「あなたこそ、私の代役だったのに長い間ご苦労様」
お嬢様「うん。ありがと」
体の主「どう致しまして。ところで、この後は?」
お嬢様「まだ時間がありそうだから、地獄に落ちる前にみんなとお茶でもする予定」
体の主「極楽ではなくて?」
お嬢様「どう考えても地獄でしょ。自慢じゃないけど現世は悪行三昧よ」
体の主「大勢の方々を救われたのではなくて?」
お嬢様「それは未来の歴史を知っている者として、現世での免罪符。私にとっての精神安定剤みたいなものよ」
体の主「あらそう。まあ、閻魔様の前でせいぜい足掻いて下さいな」
お嬢様「もういいよ。けどまあ、次があるなら前世の記憶がない転生がいいなあ。マジ疲れた」
体の主「それだけは激しく同意ですわ」