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037 「外伝・2020年頃の日本の概況(3)」


 (※舞台裏・メタフィクション視点となります。)



●近隣諸国・地域の概要(2020年時点):


 ●満州国


 ・概要:

・立憲君主国。しかし、ほぼ在民主義国家。

・旧清朝の皇族、貴族の一部が名目上の支配層。

・首相の権限が強い民主主義国家。

・総人口は約1億3000万人。

・日本人、日系人人口は全体の8%程度。

・21世紀でも、現地日本人(日系人)は社会的地位が高く、経済的にも上流階級、中産階級が多い。


 ・言語:

・国民の大半は片言の日本語を話せる。

・日本語は公用語の一つ。主に商業言語、学術言語として広く使われる。また、多くの民族が住むので、互いの交流を行う為の共通語に近い。上流階級を中心に日本語を使う者は多い。(インドでの英語に近い)

・国民の大多数は中華系言語。満州語、モンゴル語は、使用人口(民族)が少ないので地方言語程度の地位しかない。

・朝鮮半島からの移民、流民とその子孫はかなり多いが、多くが日本語を話す。


 ・歴史的流れ:

・1931年の「満州事変」で日本主導で分離工作実施。

・1932年に満州臨時政府として成立。

・1940年に中華民国より独立。対ソ連防衛が目的。

・内戦で余裕のない中華民国も渋々承認。

・第二次世界大戦中と直後に二度にわたり国際承認される。

・日本とよく似た立憲君主国として成立。

・「皇帝」が君主だが「帝国」とは呼称せず。

・1948年、中華民国から完全に分離独立。

・1960年代までは、日本の経済植民地としての色が濃かった。

・自立性が高まるのは、日本が元気をなくすオイルショック以後。

・原油価格高騰、開拓の進展に伴う食料輸出増大で外貨を稼げるようになる。

・工業の発展は日本資本の撤退もあり停滞。

・一時期、「中進国の罠」に陥る。

・東西冷戦時代はせいぜい中進国。軍備の多くは日本が担う。

・1990年代以後、軍事費の大幅削減、積極的な経済開発、日本資本の大規模な進出などで再び経済発展。


 ・軍事:

・東西冷戦時代は極東の最前線。ソ連と長い国境で睨み合い。

・大規模な日本軍が駐留。

・満州国の軍隊は日本と一部アメリカの中古兵器か、安価な輸出兵器ばかり。徴兵制度は厳しく軍人数は多い。

・軍事費の多さも経済的発展を阻害。

・ロシア(ソ連)との対立は、日本よりも激しく危機感が強い。

・ソ連にとって、満州との睨み合いは大きな負担。

・21世紀になっても、陸軍、空軍を中心にかなりの軍事力を保有。

・ロシアが極東防衛を実質諦めるレベル。

・核軍備は日米が持たせていない。自身も自粛。


 ・経済:

・1980年代までは、地下資源、農作物の輸出が主な外貨獲得手段。

・国内の工業は、長らく日本(日本人)のコントロール下。

・東西冷戦終了で軍備を大幅に削減。浮いた予算を経済発展に回す。

・2000年代から日本企業の進出(生産拠点の海外移転)が強まる。

・2000年代に新興国となる。


・2020年の一人当たり所得は2万ドル台。先進国の仲間入り直前。

・2020年でGDPは2兆7000億ドル、G7に匹敵。

・21世紀に入ってからはG20入り。


・21世紀になっても、日本企業、日系企業の支配が強い。

・日系メガコーポの満鉄、満業(日産)、鳳の3大財閥以上の民族資本は現れず。

・一方で、既得権益や規制が日本よりかなり緩く、イノベーションがしやすいので、新規産業の発展が急速。

・1990年代より電子産業、ネット産業が活発。

・日本語圏を中心とした世界的なネット企業がある。

・2020年頃だと、資源減少により産油量は低下。


・日本、韓国(朝鮮半島)の穀倉。長らく工業国よりも農業国、資源供給国として過ごす。

・満州がある影響として、アメリカの日本に対する穀物による政治コントロールが史実と比べると非常に弱い。

 更に言えば、史実の戦後すぐのようなアメリカ(と食糧不足に喘ぐ日本自身)によるアメリカ産小麦の積極的普及がないので、日本での小麦消費は史実ほど伸びない。少なくとも20世紀半ばまでは。


※史実世界では、中華人民共和国の食糧生産の約4分の1を担う地域。

 大豆以外に、こうりゃん、トウモロコシ、小麦、コメなどを栽培。

 史実の21世紀では大豆と並んでトウモロコシを大量に栽培。

 米についても、戦前の日本人が最初に試み、1980年代の日本からの技術、品種の移転で21世紀には大量栽培されるようになっている。



 ●韓国(大韓国)


 ・概要:

・正式国名は「大韓国」。

 (王国は嫌がり、帝国は呼称させてもらえなかった。民を付けないのは立憲君主制の為)

・総人口は約6000万人。

・旧朝鮮王国の王族が復位した立憲君主国。

・当然、分裂していない。


 ・歴史的流れ:

・1960年に独立決定。

・1965年に独立(再独立)。

・立憲君主国として再独立。

・ただし特権階級(両班)は復権できず。

・独立決定から独立までに、日本、満州に大量に流出。

・日本が統治時代に作った資産の購入で長らく借金にあえぐ。

・李承晩、金日成は、無名のまま終わる。


 ・民意

・日本の統治が半世紀ほど続いた。

・史実より20年長く「日本化」が進む。

・史実のような戦後の日本色の排除もない。

・21世紀でも、日本の影響が強く残る。

・一方で、日本への「事大」(=傾倒)が強い。

・独立時には、独立への反発(反対)が強かった。

・反面、反政府運動やゲリラ活動、反日闘争が長らく続く。

 (ソ連の手先(極左)と特権を失った人々(両班ら)中心。)


・目立つこともない、特徴も少ない国となる。

・海外から見ると、日本の一部と認識される事がほとんど。

・国民も長らく日本の一地域的な考えが抜けず。

・危機感が薄いまま長い時間を過ごしたので、国全体がハングリーさに欠ける。

・なお独立までに、日本が中心となり共産主義を徹底的に弾圧、殲滅している。


 ・軍事:

・友邦の日本、満州に挟まれ、ソロシアとはわずかに国境を接するだけなので、危機感が薄く軍備も低調。

・独立が1965年と遅いのも影響。

・ベトナムにも派兵しない。

・陸は満州が、海、空は日本が守るので、韓国の役目は小さい。

・日本から見れば、韓国を手助けして発展させて防衛力を強化させるより、日満が直接軍備増強する方が早い。

・日本も過度に援助する必要を感じないし、アメリカの姿は影も形もなし。

・ソロシア視点だと、極東主要部を満州と日本に挟まれた状態なので、朝鮮半島どころではない。

・たまに日本と満州向けに、朝鮮半島に嫌がらせをする程度。


 ・経済:

・1965年の独立から一気に低迷。冷戦時代は低迷から抜け出せず。

 (人口流出、社会資本の買取代金の返済、日本からの予算傾注の停止などが要因。)

・20世紀末から経済発展を開始し、21世紀序盤に新興国(もしくは中進国)となる。

・日本発展に伴う日本企業の海外生産拠点の移転で発展が促される。

・2020年頃で、一人当たり所得は1万ドル台。

・これからも国としては成長する。(史実韓国の四半世紀遅れくらい。)



 ●『日本圏=共栄圏』

・日本語圏の日本を中心とした、日本、満州、朝鮮半島など日本の勢力圏を指す。

・1980年代くらいまでは、時折使われる言葉だった。

・21世紀序盤では、自由貿易協定などでの連携に変わる。

・2020年の域内の総人口は約3億6000万人。GDPの総額は約11兆7000億ドル。


※史実2022年のアメリカの総人口は3億3000万人。GDP25兆4400億円。

※EUの総人口は4億4600万人。GDP16兆7000億円。




 ●中華民国


 ・概要:

・正式国名は「中華民国」。

・総統(首相)の権力はかなり強いが、一応民主主義国。

・国土は沿岸の平野部一帯。中華主要部の大半を領有。

・総人口は約8億人。2020年頃だと、人口増加は既に停滞。

・これ以上増えすぎたら食料自給面で養いきれない事もあり、政府が長年かけて地味に人口抑制を行ってきた。

 (※主に食料供給地の一つである満州(東北地方)を持たない為。加えて人口地帯の四川も共産中華領。)

 (※逆に毛沢東の行ったような多産政策もしていない。)

・2020年頃で、一人当たり所得は3000ドル台。


 ・歴史的流れ:

・張作霖政権のまま継続。

・国連常任理事国にはなれず。

・1949年に東西分断。

・第二次世界大戦の影響でアメリカ主導になる。

・長らくアメリカの市場として扱われる。一方、アメリカの援助を受ける。

・アメリカは1980年代まで商品を売る場所としか考えず、生産地とは考えない。

・政治は民主主義を謳うが、実際は権威主義。張作霖とその子孫による事実上の独裁が続いた。

・権威主義は、国の成長の足枷となり続ける。


・基本的に政治は、慢性的に腐敗・横領が蔓延。中華世界伝統の賄賂社会。アメリカが呆れて手を出さないレベル。

・共産中華を滅ぼす事、中華の再統合に熱意を燃やすも、国の発展には関心が薄い。体制の維持が最優先。

・21世紀に入り、ようやく経済的に発展し始める。

・いまだ途上国。新興国となるには、まだ色々足りていない。人口は建国以来漸増を続けている。


 ・外交・軍事

・共産中華に対する巨大な軍備が、国家予算の大きな足かせ。

・核軍備をアメリカの許しを得ずに勝手に保有。弾道弾はない。

・中華人民共和国(共産中華)を未だ承認していない。

・他、東トルキスタン、チベットも承認していない。

・香港は1997年にイギリスから返還されるが自治を認めている。マカオも同様。

・上海などの租界は、第二次世界大戦間もない時期に全て返還される。

・満州国に対しては、第二次世界大戦中、東西冷戦時代は認めていたが、東西冷戦終結以後は否定的な姿勢を強めている。

・「中華の再興」を掲げ、既に独立した国々から反発を受けている。



 ●中華人民共和国(共産中華)


 ・概要:

・正式国名は「中華人民共和国」。

・国土は、四川盆地が人口的にも中心。ほか、雲南地域、青海、内蒙古西部を領有。

・総人口は約2億人。

・毛沢東時代に多産政策をするが、地理条件、気象などの問題から、四川地域以外では食糧生産に限界がある。

・食料を輸入する金はない。


・独立時点から常に中華民国と激しく対立。

・力がないので東側陣営(ソ連の手先)として動かざるを得ない。

・ベトナム戦争では、雲南地域から北ベトナムを支援。

・共産政権特有の権力闘争は相変わらず。

・1980年代から市場(資本主義)経済を導入するが、海外投資は依然として低調のまま。

・内陸国なのが大きな理由の一つ。しかも近くの港は、全て中華民国領。

・独自の核軍備を保有。

・共産党、軍、官僚の統率が難しく、政権運営は安定せず。

・1989年の革命で四川派が政権を握る。

・首都も蘭州から重慶に遷都。

・旧来の中国共産党は解体。党員の大半は粛清。中国労働党が成立。

・一党独裁体制には変化なし。

・世界的にも社会主義国家と認識され続ける。


・21世紀に入り中華民国との国力差が開きすぎて、核兵器以外で対抗できなくなっている。

・ロシア(ソ連)とは、常に一定の友好関係を維持。

 (そうでないと、中華民国に対抗できない。)



 ●他の旧清朝地域:


 ・香港:


・この世界の香港は、史実ほど発展、繁栄していない。

・第二次世界大戦後も、上海を中心とした中華地域がずっと資本主義陣営(中華民国)の領有なので、史実のように上海租界の列強、住民、資本が香港に逃げ出さない事が大きく影響。

 (史実では多くが香港へと逃げ延び、香港発展の大きな要因になった。)


・戦後も中華民国が沿岸部を中心に中華の主要な地域で存続するので、早くから上海が経済の軸になる。香港は中華民国にとって必要ではない。

・香港近くの広州、深センも特に発展せず。

・欧米、日本も香港を窓口とする必要がない。イギリスも見栄で保有し続けただけ。


・日本の発展がオイルショック以後停滞するので、日本企業の東南アジア進出が史実より遅れるので香港が新興国として発展する要因の一つが消える。(もしくは遅れる。)


・1997年に、イギリスから中華民国に返還される。

・中華民国も民主主義でアメリカ経済(=ドル)と連動しているので、史実のような共産中華の経済(=ドル)の窓口にはならない。

・史実での香港の役割の多くは、第二次世界大戦以後長らく上海が担い続ける。



 ・東トルキスタン(新疆ウイグル):


・東トルキスタン人民共和国として、ソ連が第二次世界大戦後に独立させる。

・東側として国連の一票が欲しかったのと、中華人民共和国はいつ滅ぼされるか分からないと考えた。

・この為、中華人民共和国が求めた「返還」には応じず。

・駐留軍を置いて中華人民共和国をけん制。

 (表向きはチベットに入った西側のけん制が理由。)

・また、モンゴル同様に中華地域の緩衝地域として独立を求めた結果。

・冷戦時代は「ソ連の17番目の共和国」と言われ、中央アジア地域としての色が強まる。

・ソ連と中華人民共和国の関係が悪化してからは、中華色の徹底した排除が実施される。国内の漢族も排除。

・冷戦崩壊後、東トルキスタン共和国として民主化。しかし権威主義が強く、他の中央アジア諸国同様の独裁が続く。

・中央アジア地域の一角として存在。

・21世紀に入っても、中華人民共和国との対立関係が続いている。



 ・チベット:


・東トルキスタンに対抗する形で、アメリカ、イギリス、日本の主導で国連委任統治領となる。

・インドにとっては、中華地域との緩衝地域。

・中華人民共和国が度々干渉するが、インド、西側諸国の支援によってなんとか自主独立を維持。

・正式には独立していない。(するには様々なものが足りていない)



 ・内蒙古:


・東側は満州国の統治下。21世紀に入るまでに自治州となる。

・西側は中華人民共和国の領土。しかし編入前から続く圧政で、モンゴル系は弾圧、虐殺されるか、残りは東側かモンゴルに脱出。

・無人となった場所には、政府主導で漢民族が入植。



 ・ソビエト連邦もしくはロシア


・満州国の長い国境線での対立は、ソ連の国防に大きな負担をかけ続けた。

・加えて樺太から日本が圧迫する形になる為、極東防衛には大きな苦労が伴われた。

・樺太全島と千島列島を日本が領有し続けた為、カムチャッカ半島のペトロパブロフスク・カムチャッカスキー(正確には近在のヴィリュチンスク)の潜水艦基地とウラジオストックとの連絡に多大な苦労が伴われた。

・また、戦略原潜の待機する海域として、オホーツク海は殆ど使えなかった点も戦略的には大きなマイナスとなった。

.。゜+..。゜+.玲子の部屋.。゜+..。゜+


八神「またお呼びか」

お嬢様「大陸の事と言えば、八神のおっちゃんとワンさんだもの」

王「確かに違いありませんな」

八神「だが俺は、戦後は鳳一族の警護をしていたんだが?」

お嬢様「けど、大陸の事も担当していたじゃない」

八神「……まあな」

王「まあ、ここは趣旨通りの話をしようではないか」

八神「お前も丸くなったな」

王「俺はいつでも俺だ」

お嬢様「そうよね。けど凄く偉くなられたわよね」

王「姫のおこぼれを頂いたようなもの。お恥ずかしい限りです」

八神「満州国国防大臣がお恥ずかしいのか?」

王「世界経済の一翼を担われ続けた姫に比べれば、俺など草原の田舎者よ」

八神「その一翼を担ったせいで、俺は警護で苦労させられたがな」

お嬢様「本当にご苦労かけました」

八神「姫は共産主義、左派を敵視され過ぎだ」

お嬢様「財閥、華族の天敵だから当然でしょ。けれど、私が愚痴ってただけの人を亡き者にしてたんだってね。後でお爺様から聞いて驚いたわ」

八神「あんなもの、火事場泥棒のついでだ。なあ王」

王「だな。もう少し骨のある奴らかと思っていた」

お嬢様「けどそのお陰で、随分と『夢』の中の歴史から捻じ曲がった筈よ」

八神「捻じ曲がった、ね」

王「変えた、と言われないところが姫らしいですな」

八神「フッ。その点だけは同感だ」

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― 新着の感想 ―
蒋介石がどうなったのかと、中華人民共和国の成立過程がふわっとしてるなと。
2020年の域内の総人口は約3億6000万人。GDPの総額は約11兆7000億ドル ドルではなく円でしょうか?
いつも楽しく拝見しています。 李朝が存続した大韓国は、大統領選挙のたびにゴタつく大韓民国よりは安定しそう。 ところで、中華人民共和国の毛沢東と周恩来、長沙の火災で行方不明になってませんでしたっけ?…
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