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033 「外伝・戦後日本経済・補足(3)」

(※舞台裏・メタフィクション視点となります。)


●国内(2):


 ●企業グループ:


・企業グループは財閥の時代に応じた形態。

・複数企業間で構成される組織。

・財閥は親会社(財閥本社=持ち株会社)と子会社の集団。

・企業グループ(企業集団)は、機関銀行が親会社の役割を果たす。


・戦前から一定の期間を経て財閥形態から徐々に変化。主に1950年代に企業グループとして再編成される。

・戦前から企業グループなのは鳳グループのみ。

・21世紀初頭、メガバンクの形成時期に企業グループも形骸化(もしくは再編成)が進む。

・最盛時は「八大グループ」「八葉」などと呼ばれる。



・鳳凰会(鳳グループ)   = 鳳・旧鈴木商店・神戸川崎


・三菱金曜会(三菱グループ)= 三菱

・二木会(三井グループ)  = 三井

・白水会(住友グループ)  = 住友

・春光会(日産グループ)  = 日産

・芙蓉会(芙蓉グループ)  = 安田・浅野

・三水会(三和グループ)  = 鴻池・山口

・三金会(第一勧銀グループ)= 渋沢・古河



※日産は自動車だけでなく日立など系列企業を含む。またこの世界では、満州の満業も含める場合もある。

※神戸川崎は、この世界は昭和金融恐慌がないなどで自前の機関銀行を持ち続ける為、三井系には流れない。昭和に入って関係の深まった鳳に合流。

 (両者共に重工業が基幹で華族が深く関わる為)



 ●戦後のメディア・マスコミ:


 ・始まり:

・民間放送(ラジオ、テレビ共)の開始は史実より約5年早い。

・テレビ開発と普及が史実より早く(テレビの試験放送は戦前から実施)、加えて敗戦と戦災がなく、日本経済全体の発展が早いのが主な理由。

・本格的なテレビ放映開始は1947年から。

 (史実は1952年。5年前倒し)


 ・皇国新聞グループ:

・民放テレビは皇国新聞に属する「皇国グループ」が最初。戦前からテレビの技術開発、普及に力を入れていた影響。また大元が四大財閥の為。

・皇国グループは、戦前からアメリカの巨大メディア企業ハースト・コーポレーションとの関係が深い。


・鳳グループに属する「皇国新聞グループ」が、史実でのフジサンケイグループのポジションになる。

・史実と歴史の流れが大きく違うので、国内の左派、反日勢力に対抗する為にフジサンケイグループ(特に産経新聞)を政財界が作る(大きくする)理由がない。もしくは薄い。

・皇国新聞グループが、この世界のまだ小さい時期の産経新聞を飲み込んでいるかもしれない。


・皇国新聞グループは戦後のテレビ時代に巨大化。

 読売、朝日、毎日に並ぶか、むしろ先んじる。

・皇国新聞グループの首都圏の本拠地は、鳳財閥発祥の地でもある六本木界隈。

 (歴史の修正力や因果で、結局お台場に移転? ただ、この世界では、鳳の本邸が文化遺産になるとテレビ朝日が六本木に来られない。テレ朝は旧フジの新宿にあるかもしれない。)


・皇国新聞グループは巨大企業グループに属する関係もあり、厳正中立を社是に掲げる。その影響で、日本国内を中心に他のマスコミ、メディアとは異なる動きを取る事が多い。

・出版にも力を入れ、各メディアと連携した娯楽分野を早期に開拓。


 ・主義・思想面など:

・日本のメディア・マスコミ(と教育界、学術界)は、戦前から続く国の強い反共産主義姿勢、政策の影響を強く受け、史実のような左派への解放、流入がない。

・当然、全体的に左派が広がることはない。

・むしろ左派排除の考えが根強くなる。

・但しインテリを中心とする左派(のシンパ)は水面下に潜っている。

・テレビ産業の巨大化に伴い、広告代理店は分散。史実のように戦前の流れから続く電通一極集中は避ける。(同規模の2、3社に分散)

 (史実では、戦中の思想統制の面からも電通の大元の会社に一極化され、それが戦後も続いた。)


・政治的にも、憲法などで共産主義(左派)自体が規制される。

・朝日、毎日も、少なくとも表面上は左派に傾かない。

・冷戦構造崩壊後にこの流れが崩れ始める。

・21世紀になると、リベラルの皮を被った左派(市民団体)が広がるのは欧米と似た経緯となる。

・それでも史実と比べると日本での左派はかなり弱い。

・日本の学会、教育界、法曹界などでも左派は史実よりかなり弱い。

・逆に史実の世界と比べると右派がかなり強い。

・中道右派、中道が主流。

・21世紀には、欧米メディアなどからは日本は右派、保守だと非難が強い。


 ・日本国内の海外(反日)勢力:

・北東アジアの歴史の流れが史実と違い過ぎる為、非常に少ない。

・北朝鮮が存在しない。中華人民共和国は大陸奥地で、日本よりも中華民国との対立に忙しい。

・ただし朝鮮半島は1965年まで日本領で、独立後も日本文化、言語の排斥などは起きない可能性が高く、史実とは違う側面からの朝鮮系の日本(本土)への浸透がある。ただし反日ではない。

・一方、満州も日本化が進むので、相互に影響している可能性がある。


・国内の反日勢力、シンパについては、そもそも反共産主義姿勢の強さから非常に弱くなる。

・そもそも東西冷戦時代は、表立っては存在すらできない。

・1990年代から、水面下にいた左派が台頭する。

・それでも、ここまでの積み重なりの違いと、海外反日勢力が弱い事などから、史実ほどの勢力形成はできない。



 ●戦後日本の航空産業:


・第二次世界大戦で各社は肥大化。

・史実のように、戦後の航空機開発の規制(禁止)、企業の解体がないので、航空機開発企業はそのまま存続。

・史実のように他業種に資本、人材が流れない。

・中島飛行機は富士重工業 (スバル)にならない。

・三菱、中島、川崎、川西が大手。

・20世紀後半かけて続く淘汰で、立川は中島が、愛知は三菱が吸収合併。川西、川崎(航空機部門)が合併。

・さらに21世紀には三菱・中島が合併。主に軍用機メーカーとして生き残る。

・民間旅客機は川西・川崎だけが生産。(ここでは社名は二川か西崎か?)



 ●自動車産業:


・戦後しばらくは鳳自動車が突出。最低でも1960年代まで鳳自動車の優位が続く。

・鳳自動車は、国内企業よりもアメリカ企業と競い合う。(史実の日産の立ち位置?)

・史実のような航空産業からの人材の流れがないので、企業の乱立が無いか違った形になる。

富士重工業スバルが存在しない。(中島飛行機のまま)

・徐々に日産、トヨタ、少し遅れてホンダなどが台頭。

・マツダ(東洋工業)は鳳系列。

・ホンダも鳳系列かもしれない。

・他の企業は史実に準じる場合が多い。

・自動二輪は、結果として史実と大きな違いはないものと想定。

 (川崎が飛行機重視で二輪に手を出さないかも。)



 ●製鉄業:


・史実は日本製鐵が戦後に一度解体され、その後再び集まり新日本製鉄となる。

・この世界は、日本製鐵、鳳製鉄の2社並立状態。戦後もそのまま。

・しかも鳳製鉄は、最初から神戸製鋼と並立状態。

・グローバル化が進む21世紀を迎える前後に、世界相手に戦う為に全ての製鉄会社が国際競争の為に合併。

・ここで新日本製鉄が成立。



 ●造船:


・海軍工廠は長らく官営。20世紀終盤くらいに民営化。

 (呉工廠など多くは、すぐには民営化しない。特に呉工廠は大型空母など大型艦の建造施設になる)

・軍需が史実の数倍の規模がある。

・鳳系列の播磨造船が巨大化。

 (史実での21世紀の今治造船のポジションか?)

・石川島播磨(IHI)は成立しない。それぞれ別会社のまま。

 (海軍工廠の譲渡もないので、石川島だけだと造船はしないかもしれない。)




 ●海外(朝鮮半島、満州):


・戦前から朝鮮半島、満州の経済は日本が支配。

・日本企業中心で現地企業はあっても小さい。

・朝鮮半島は1965年独立。民族企業はここからスタート。

・おそらく、ロッテ(財閥)は存在しない。

・日本は朝鮮半島に過度の支援、援助はしない。

・韓国政府が日本時代の社会資本を買い取り。だが全く資金が足りないので、日本の民間資本に頼った影響で日本資本の支配が強い。

・どちらも日本経済の影響が強い状態が続く。


・満州は、満鉄、満業(日産)、鳳が三大企業グループとなる。

・朝鮮半島は、三井、三菱、住友、大倉財閥系企業が強い。

・日本の大財閥(企業グループ)は、二つの国を跨いだ多国籍企業が多くなる。

・イギリスの英連邦に近いが、距離が近いので影響力、支配力はより強い。

・ただし朝鮮半島、満州の経済発展は、東西冷戦時代は日本経済に引きずられた上に抑えられるので停滞。

・人口は多いが経済規模は小さい。

・21世紀に入ってから経済発展して拡大。

・21世紀に入ってから、それぞれの民族資本も急成長。

・日本企業、日系企業の影響力、支配力は徐々に低下。


.。゜+..。゜+.玲子の部屋.。゜+..。゜+


お嬢様「というわけで、罪滅ぼしにもう少しお話ししましょう」

勝次郎「何がというわけで、何が罪滅ぼしなんだ?」

お嬢様「細かい事は気にしないで」

勝次郎「まあ、いいか。だが、玲子に一番に言いたい事は、さっき言ったぞ」

お嬢様「それじゃあ他の話を。この辺りが私達の一番のホームグラウンドでしょ」

勝次郎「俺が三菱の実権を完全に握ったのは50に入ってから四半世紀ほどだから、生涯長期不倒だった玲子とでは比べ物にならないぞ」

お嬢様「そんなものだった?」

勝次郎「一番大変な時期だったから、印象深いんじゃないか?」

お嬢様「50だと1970年。そこから冷戦崩壊くらいまでって、確かに日本経済はジェットコースターだったわね。ご苦労様でした」

勝次郎「お互いにな。だが、ようやく玲子とは対等の気持ちでいられた時期だった。充実はしていたよ」

お嬢様「あの厳しかった時期をそう言えるって、勝次郎くんの肝の太さも相当ね」

勝次郎「喉元過ぎればというだけだ。玲子はどうだったんだ?」

お嬢様「全部が良い思い出とは思えないわね。大変だったし。でも、お金儲けしている時の方が気が楽だったわ」

勝次郎「逆に気が楽でないことを聞いてみたくなる言葉だな」

お嬢様「楽じゃないのは、政治や外交の諸々に関わる時。あと、共産主義は、終わらないモグラ叩きをしている心境だったわね。考え方が単純で良かった冷戦時代が懐かしいくらい」

勝次郎「商売人とは相容れないからな。財閥支配もオイルショックで実質終焉して、完全に企業グループの時代になった。で、うちと鳳くらいしか、実質的な一族経営の財閥は残らなかっただろ」

お嬢様「確かに。それで印象深いのか」

勝次郎「そういう事だ」


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― 新着の感想 ―
任天堂はファミコンつくれないんだろうか?
共産主義が面倒な理由の一つは、自由主義の陰でもあるのかも…「生きたい」が自由主義で潰されると、共産主義しか逃げ場がなくなる… ただし、「神が欲しい」を満たしてくれる面は経済政策ではどうにもならない……
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