022 「外伝・戦後の略歴年表(1)」
(一部メタ視点あり)
●1944年:
・6月6日:ドイツ降伏。第二次世界大戦終結
・6月:オーデル川、オーストリア国境東側、チェコとスロヴァキアの境界などで連合軍とソ連軍が握手。
・6月:全ての地域で戦闘終了。
・6月:中華地域での内戦が実質的に再開。
・7月:早くも極東のソ連、日本の軍備が再配備され始める。
・8月:ベルリン郊外のポツダムに各国首脳集合。戦後の枠組みを話し合うも、早くも溝が深まる。
・8月:アメリカのルーズベルト大統領は、ドイツに対する非常に厳しい占領政策を強く提案するが各国は強い難色を示す。アメリカの世論も否定的。
内外でルーズベルトへの不信と不満が高まる。
・8月〜10月:「ダンバートン・オークス会議」開催。国際連合(UN)、IMFなどを話し合う。
・11月:アメリカ大統領選挙で共和党のデューイが勝利。敗北したルーズベルトは失意で倒れる。
デューイは、翌年に大統領は3選以上できない法律を作る。
・11月:日本、昭和東南海地震(日本政府は軍を積極的に救援、復旧に使用。未だ動員解除されていない軍が活躍。以後、大規模災害での軍の出動が一般化する)
●1945年:
・1月:アメリカ、新政権始動。ドイツなど枢軸国に対する占領政策、戦後政策を大幅に転換。ルーズベルト色を一掃していく。
・1月:日本、三河地震。
・2月〜:「サンフランシスコ会議」開催。国際連合設立の為の会議開催。
・3月:日本、六大都市の大改造計画始動。
(インフラ整備、建設景気による戦後不況の回避が狙い。大空襲の因果かも)
・4月:「国際連合(UN)」成立。常任理事国は米ソ英仏そして日本。常任理事国の拒否権については最後まで揉めるも、米ソの強い思惑により決定。
・戦中の満州国独立に関する問題発生。結局、1948年に中華民国からの分離独立が決定。中華民国も承認。
・5月:大日本帝国憲法改正。大きく改められ戦後民主化が始まる(国民への戦争協力への褒賞の一環)
・8月:日本、ソ連、満州国境で紛争勃発。ソ連からの大量亡命者を発端とする小規模な銃撃事件だったが、両国の関係は早くも悪化し始める。
・9月:日本、枕崎台風。大きな被害を出す。
・10月:日本、国内の戦後改革の道筋を付けた永田内閣が総辞職。
・11月:日本、戦後初の総選挙実施。婦人参政権を認めた完全普通選挙が戦後改革の象徴となる。
戦前の外相、戦時外交、国連設立などに貢献した吉田茂を内閣総理大臣とする新内閣発足。
・「デューイ・ドクトリン」(共産主義封じ込め政策)
・コミンフォルム結成(社会主義陣営の形成)
・インド、パキスタン分離独立。大英帝国の本格的解体始まる。
●1946年:
・3月:英、チャーチル「鉄のカーテン」演説。
・米ソの対立。冷戦の始まり。
・3月:日本、教育制度を大幅改訂。国際化を目指し、欧米とある程度合わせる。
(中学までの義務教育化、中学と高校の制度改定。言語(主に漢字)の簡便化など、国民への戦争協力への褒賞の一環も含む)
・7月:アメリカ、日本の委任統治領で世界初の原爆実験。
(史実の1年遅れ。日本がレンドリースの代金の一部として場所をレンタル。日本も使用)
・12月:日本、昭和南海地震。大きな被害を出す。
日本は終戦後から続く大災害の対応に追われる。欧州から戻ってきた軍が救援、災害復旧で活躍。軍の性格が変化する大きな切っ掛けとなる。
・日本、戦後の不況回避の為に、大規模な社会資本整備と6大都市を中心とした都市の大規模区画整理、開発を本格化。関東大震災復興並みの開発が各大都市で始まる。その後、日本各地の都市に拡大。
・「サザエさん」連載開始
●1947年:
・イスラエル建国。「第一次中東戦争」勃発。
・「経済協力開発機構(OECD)」設立。欧州復興が当初の目的。日本は1950年にアメリカ、カナダと共に参加。
・日本、大規模なメーデー計画を弾圧。第二次世界大戦中に緩んだ対共産主義政策が再び強化される。
・日本、テレビ放送開始。民間放送も同時開始。ラジオも民間に解放。(史実より5年早い。)
・日本、大学制度を改革(大量の大学が誕生)
●1948年:
・4月「北大西洋条約機構(NATO)」成立。日本は不参加。
・6月、日本、福井地震。大きな被害を出す。
・ソ連、占領下の旧東プロイセン地域にドイツの「再独立」を目指す動きを見せる。
・ドイツは、米英仏主導でドイツ連邦共和国として再独立。ただし軍事力の保持は認められず。
・ソ連、ポーランドが旧ドイツ東部を併合。ドイツ東部の再独立を断念(ドイツ人人口が少なすぎるなどが理由)。
・東ベルリンは、ソ連が占領したままの状態となる。アメリカは、東ベルリンの孤立化は見送り。封鎖はされず。
●1949年:
・1月:社会主義陣営、「COMECON(経済相互援助会議)」設立。西側に対抗。
・10月1日:大陸奥地の蘭州で中華人民共和国の建国宣言。共産主義国以外は認めず。中華民国の張作霖総統は非常に強く反発し、決して認めないと発表。
・1月:法隆寺金堂全焼
・秋:湯川秀樹、ノーベル物理学賞。久しぶり(14年ぶり)のノーベル賞受賞に日本中が湧く(史実では日本初)
●1950年:
・日米英、サウジアラビアで大規模な石油開発開始。
(日本は、鳳石油が全体の30%程度の採掘権を獲得。日本国内では、国策会社にするべきという議論になる。アメリカが国策会社化に猛反発。その後、失踪、不審死事件が複数発生)
・6月25日:「中華戦争」勃発。中華民国政府が、賊軍の討伐を理由に中華人民共和国の支配領域に大規模侵攻。あくまで内戦と主張。諸外国は当初静観。
・満州国は中立宣言。中華地域の周辺部地域も次々に中立を表明。
・11月:「中華戦争」で中華人民共和国が反撃。引き込まれた中華民国軍が大打撃を受ける。
・12月:中華人民共和国が中華民国領内に進軍。
・日米西欧、国内で共産主義に対する反発が強まる。
・7月、金閣寺放火事件
(※史実ではこの年に1000円札が登場しているが、この世界では為替、イフンレ状況が史実と違い過ぎるので100円札以上は登場しないだろう。)
●1951年:
・1月:中華民国、国連軍を要請。最初は否決。
・3月:西安陥落。中華民国軍潰走。人民解放軍はさらに進撃。
・同月:中華民国、再度国連軍を要請。
・4月:日本、中華民国に対する武器援助本格化。
・5月:米英、中華民国に対する武器援助本格化。
・6月:国連、戦乱の沈静化を理由に国連軍派遣を決定。ソ連は安保理決議を棄権。
・8月:洛陽陥落。中華民国、鄭州に絶対防衛線設定。
・9月:国連軍の第一陣が到着。制空権を回復。世界初のジェット戦闘機同士の戦闘発生。ソ連が義勇空軍を派遣。
・10月:アメリカ、中華戦争で核兵器を実戦初使用(警告後に後方の兵站拠点と集結中の軍隊に対して複数回使用。都市には使用せず)。
人民解放軍の侵攻が完全に停止。平原には出られず。
・10月:中華人民共和国側、原爆の非道を世界に強く訴える。
・11月:国際非難が高まり原爆は使用されなくなる。戦争は泥沼化。洛陽(郊外の兵站基地)が原爆の街となる。
・12月:中華人民共和国の要請でソ連が義勇軍として介入。戦線膠着。
・イラン石油国有化。イギリスと強く対立。
(海賊と呼ばれた男の、ここでの出番はないかもしれない)
・「羅生門」ヴェネツィア国際映画祭でグランプリ獲得
・第一回紅白歌合戦(この世界では、最初からテレビ放映だろう。加えてもっと早い年に開始かもしれない)
●1952年:
・2月:イギリス、エリザベス二世即位
・3月:イギリス、原爆実験成功
・7月:エジプト革命
・8月:日本、原爆実験成功
・11月:アメリカ、水爆実験成功
・中華民国と国連軍、一連の反撃で洛陽、西安を奪回。人民解放軍、今までの寝返り組(軍閥)の離反で総崩れ状態。
・ソ連に強い危機感。世界各国の間でも第三次世界大戦の機運が高まる。
・世界各地で軍の警戒態勢上昇。各所でソ連と西側諸国の軍が睨み合い。
・日本、国内で極左勢力が大規模な暴動事件。これを警察と軍が鎮圧。国民も政府の反共姿勢を強く支持。
・「鉄腕アトム」連載開始
●1953年:
・3月:スターリン死去
・春:ソ連、原爆実験成功
核戦争の脅威が高まるも、両者は歩み寄り姿勢を見せる。逆に第三次世界大戦の機運は一気に遠のく。
・4月:「中華戦争」の休戦交渉が本格化。
・7月25日:「中華戦争」休戦成立。中華地域の分裂進む。
中華民国、中華人民共和国、満州国、東トルキスタン人民共和国、チベット国連委任統治領に分立。
(内蒙古は東西に分かれ、共産中華、満州国に吸収合併。南部でも分離独立がくすぶり続ける。)
・8月:イランでクーデター。パフレヴィー2世の専制政治が復活。
油田はイラン政府とオイルメジャーの合弁会社が管理。
・日本、国産、満州油田では不足。中東(主に大きな採掘権を持つサウジアラビア、クウェート、アラブ首長国、カタール)から大規模な輸入開始。逆にイランからは殆ど購入せず。
・弾丸特急(東海道新幹線)開通
●1954年:
・3月:アメリカ、大規模な水爆実験に成功
・「第一次インドシナ戦争」終結。フランス敗北。フランス、以後はアメリカに丸投げ。日本は終始不介入。
・インドネシア独立。(日本、共産主義拡大阻止の為に水面下で介入。)
・日本、世界初の商業原子力発電所設立(史実は1956年のイギリスが最初)
・アメリカ、原子力潜水艦ノーチラス号進水(世界初)
・映画「ゴジラ」封切り(日本も既に核兵器を保有していたりと状況が大きく違うので、内容に変化があるだろう。時期も違うかも)
.。゜+..。゜+.玲子の部屋.。゜+..。゜+
お嬢様「年表になると、もう受験勉強の領域ね」
シズ「左様にございますね」
お嬢様「うん。それより再開よね。次の話し相手は?」
シズ「まだ到着されておりません。皆様、ご歓談中です」
お嬢様「酒かタバコね。という事は、次は男子の誰かか。まあ、誰か来るまでシズが相手をして」
シズ「畏まりました。こうして振り返ると、この時期は本当に色々とあったのですね」
お嬢様「大戦争が終わって、戦後体制を作って、新しい対立の時代を迎えてって、忙しい時期だったものね」
シズ「ですがお嬢様は、戦争中と比べると穏やかにお過ごしでした」
お嬢様「そりゃあ、大戦争してるより冷戦の方がずっとマシよ。まあ、大陸の内戦が第三次世界大戦を呼び込みかけたのには驚いたけど」
シズ「夢見にはなかったのでしたね」
お嬢様「うん。第二次世界大戦で原爆が使われず、極東での東西代理戦争が巨大化したのが多分原因。まあ、これのお蔭で私は気を引き締め直せたわ」
シズ「そうで御座いましたね」
__________________
この世界の日本は、第二次世界大戦が終わった段階で先進国の仲間入りで、その後惰性で発展を続ける。
ただし、史実のような高度経済成長はない。この世界の高度経済成長は、1930年代から第二次世界大戦にかけて。最大でも1956年まで。
そして心象風景として、戦前の昭和10年代が高度経済成長期のような雰囲気で、昭和30年代は「三丁目の夕日」のような雰囲気とはかなり違っている筈。
・補足:
主人公が約一世紀に渡り、場合によっては1世紀近く前倒しで技術の概念を伝えているので、科学技術の発展は一部が確実に変化している筈。
ただし予測がつかないので、年表上ではほぼ史実通りとした。




