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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第二章 少狂学校生存
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されど五体もいる

神話生物(1人は後天的)が5体集まれば、まあ大抵のことは突破できますよね。

「ウガアアアア!」



 振り下ろされる二対の太刀。



 迫力がやばいのもあって、当たったらまずいというのを理解させてくれる。




「避けろ!」



 僕の一言で全員が飛び退く。そして僕らがいたところに太刀が落ちて。



 ドガアアアアン!



 でかいクレーター、それが2つも同時に出来上がる。空中で見ているだけでも、空気の振動が肌を切り付けていく。



 地面に着地、即座に移動。そしてその後にまたもやクレーター。当たり前のように着地狩りをしてこようとするボスの顔は、まさかできないと思っていなかったのか顔が訝しんでいるのを教えてくれる。



 ボス...確か>コボルト・オブ・キングウォーリア<だから、犬戦士王ってところか。まあその犬戦士王との戦いの前に森海王との戦いを経験してるからね、流石にそれくらいはしてくるだろうとは無意識に予想していた。



 あいつ、頭良かったし。他のボスだってそれくらいしてくるだろうよ。



「ショゴスとメェーちゃんは随時攻撃!バーストは<結界>先に作ってメェーちゃんたちに加勢!んでもって...」



 ミ=ゴを見る。ちょっとだけ震えているから...



「...とりあえず待機!下手に身体傷つけて色々失っちゃいけないから!」

「りょ、了解」



 ミ=ゴは神話生物の中でもそこまで戦闘が得意ではない。いやまあ人と比べたらできるけどもね、ショゴスとかと比べると明らかに戦闘タイプではないだろう。



 そして何よりも...ミ=ゴの最も強いところはその技術。はっきりいって傷をつけられる存在ではないだろう。



 とりあえず、自分の命の次に守る対象にしといて、可能な限り安全な環境にしなければ。



 そう思っていると、猫印の<結界>が現れ振り下ろされた太刀が防がれる。



 ヒビが若干入り、でもあと数十回は<結界>が守ってくれるのを僕達に教えてくれている。



「...画面越しとはやはり違うな」

「ホラーゲームのゾンビと実際に会ったグールは違うってことだね」



 あの図書館のグール、ガチで怖かったの覚えているからな...



「...あなたたちは私が結界で守り続けますから、何かわかるまでは静かにしてください。いいですね?」

「はい」

「わかった」



 非戦闘員は何もしない方がいい。それが最も助けになる。



 まあ観戦はするけども。何かわかったことをすぐ伝えるのは頭回す担当の仕事だ。



「グウウウアアアア!」



 <結界>を何度も斬る犬戦士王。しかしヒビが入るだけ。



 そしてその隙に。



 ドゴン!



 脳天に一発の拳が響く。上を向く犬戦士王だが、そこには何もなく。



 ズゴン!



 今度は背中に拳。バキバキという音も同時に鳴り響き、背骨を折ったことがわかる。



「グギャアアアア!!」



 相当痛いのか、叫んで縮こまってしまう犬戦士王。と思うと、手で胸を押さえて...



 ボキッ!



「ギャア!...グガアア!」



 ...何が起こったか、それはわからない。



 ただ結果的に何が起こったかだけはわかる。背骨が元に戻ったんだ。



「化け物ですね...」

「神話生物は、いや僕も含めて言ってはいけないことだよそれ」



 化け物が化け物に対して化け物って言ったってそれは化け物で...



 まあいいや。とりあえず気持ち悪いことをやったんだね、犬戦士王は。



「グアアアアア!!」



 <結界>に対する攻撃を続ける犬戦士王。確実に自分が召喚師であることを理解しているのか、メェーちゃんを無視している。



 ではこれならどうだろうか...?



「グオオオオ!」

「...!?」



 犬戦士王が振り向く。するとそこには馬鹿みたいにでかいドラゴン。



 ショゴスの変身した姿だ。これでもうあの姿は3度目になるけど、迫力がとんでもないな。



「グオオオオオオオ!!」

「ギャアアアオ!!!」



 まるで怪獣大決戦。いやまあ怪獣は武器を持ったりしないけどね、偏見だけど。



 ギリリリリリィィ!



 爪と太刀が交差する。金属音が空間に響く。



 そしてそれを邪魔するかのように打撃音も響く。



「...脳筋しかいないのか、ここには」

「しょうがないでしょ、周りくどい倒し方のボスではなさそうだし」

「まあ、我は戦闘に混ざっているわけではないからな、特に何も言えん。と、そろそろか」

「お、ほんとだ」



 攻撃を続けるショゴスとメェーちゃん。背骨を治したと言っても、あくまでも折れたという怪我だから治せたらしい。



 現に、ショゴスドラゴンの火吹き攻撃による火傷は全然治癒していない。自然再生力は高くないらしいし、それに。



 ーーーーーーーーーーーー


 >コボルド・オブ・キングウォーリア<



 194915/207103



 ーーーーーーーーーーーー



 HPもそこまで高くない。殴り続ければいつか...



 バキィ!!



 硬いものが折れる音。目の前には巨大な頭が乗っている首が変な方向に曲がっている犬戦士王、そして頬を殴り抜けたと思われるメェーちゃんとメェーちゃんが口の中に隠れていてそこから出たことによって頭がなくなっていると見られるショゴスドラゴン。



 倒れる犬戦士王。が、そこには<結界>。



「......汚いものを...」



 飛びだすバースト。そして頭が切り刻まれる犬戦士王。



 血飛沫、肉塊、しかしその全てが結界から弾かれていく。



 弾かれ、それは全てドラゴンの元へ。



 ドラゴンが変形し、液状化する。そしてショゴスはその肉塊を回収していく。



 急に頭がなくなり、暴れ回る犬戦士王。首の断面が見えててちょっとグロいが、まあ別にこの程度は全く問題ない。本来の世界の姿とか以外はゲフンゲフン。



 よし、目の前のことについて思考しよう。



 そしてその断面に入っていくショゴス。いつの間にかショゴスの全身が体内に入り、体内で蠢くのを感じているのか体を掻きむしる犬戦士王。



 で、もうあとは想像通り、頭がいつの間にか再生する犬...いやもう違うな、ショゴスはそのまま喉を押さえて。



「あ、ア、aー。どうヤらこいつには発声機能があったようデす」

「まあ叫んでいたからな、あってもおかしくはないだろう」

「ミ=ゴみたいに発声器官がない可能性もあるけどね」



 閑話休題。



「とりあえず、これで倒せたってことかな?」

「多分ー!」

「あ、メェーちゃんお疲れ様!」



 帰ってきたメーちゃんはそのまま頭に乗る。そして、



「zzzzz」



 眠かったのか、そのまま寝てしまった。



「お疲れ様、メェーちゃん」

「メェー...」



 撫でると可愛らしい声、これがかわいい。



「いやハや、本当に疲れまシた。ドラゴンの時もソうでしたが、大きい生物はあまり連続デ食べたくはありませんね...」

「ショゴスもお疲れ様。本の状態でゆっくり休んでて」

「そうさせていたダきます...」



 本の状態になるショゴス。それを<インベントリ>にしまう。



「で、本当はバーストにも休んでもらいたいんだけど...」

「あなたたちを守ること、そのために<結界>が必要だから私も同時に必要...全く、あなたに対してどこかのタイミングで<結界魔術>を教えないといけませんね」

「あはは...ありがとうございます」



 実際学んでおいた方がいいだろう。ただのお荷物だと負担でしかないし、魔王として戦わなければいけない時がいつかくることを考えるとできておいた方がいいだろう。



 で、だ。とりあえず今それに関してはどうでもいいんだ。



「んじゃあミ=ゴ、とりあえずボス倒したから宝物庫にいってみようか」

「わかりました」



 聞けんなことがないように祈っとこう...まああるだろうけど。

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