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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第二章 少狂学校生存
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情報がすぐに到達しない世界

前回、変なところで区切ったせいでめちゃ短いです。申し訳ありません。

「...よし、確かに依頼したぞ」

「もちろんです。私たちがこの難事件を解決して見せましょう」



 まるで探偵が言いそうなセリフを言うエリカ先輩。まあ実際に解決しなくちゃいけないことだけどさ。



「うんうん。ああ、マリアちゃん。<クエスト>を受注するとお、ステータスに現在進行中の<クエスト>が出てくるんだあ。一度見ておくといいよお」



 お、そうなのか。早速ステータス画面を開いてみよう。



 ーーーーーーーーーーーー

[名前] マリア

[性別] 女性 [年齢] 6

[職業] 召喚師(サモナー)(クトゥルフ神話)

[パーティ] <ギルドズパーティ>

<クエスト>:殺人鬼の捕獲 受注中

[ギルド] <未来団>

[到達点] Lv11


 HP 105/105 MP 120/120


 ーステータスーーーーーー


 筋力 26

 体力 25

 敏捷 15

 知性 50

 精神 382

 魔力 115


 ースキルーーーーー


 言語 Lv37

 召喚魔術 LV50 (2)

 応急処置 Lv50

 耐性 Lv50


(魔王の種[発芽前] Lv100 (MAX))


 ーーーーーーーーーーーー



 おおー、確かに<パーティ>の下に<クエスト>が出てきた。現在受注しているクエストがわかるのはいい、けど内容までは流石にこの状態だと...



 ...もしかして、タップしたりしたら出てきたり?



 ーーーーーーーーーーーー


<クエスト>:殺人鬼の捕獲


 現在逃亡していると思われる殺人鬼の捕獲。可能な限り生きたままがいいが、困難と判断した場合は死体であっても可。

 調査をするのに必要な金銭的負担を<シウズ守護騎士団>は負わない。全て自分たちで払うこと。

 この<クエスト>を<シウズ守護騎士団>以外に言わないこと。


 ーーーーーーーーーーーー



 出てきた。って、読まなきゃいけないことしか書いてないじゃん。危ない危ない、ちゃんと気づけた。



 あれだ、契約書の右下の方にちっちゃく書いてある、たまに気づかないことだってある重要な情報と同じようなもの。ちゃんと紙の裏側まで見るがあってよかったわ。



「さて、それじゃあ私たちはそろそろ...」

「おっと、これを渡すのを忘れていた」



 エリカ先輩が何かを言おうとした瞬間、団長はそう言って3枚のカードを渡してくる。何か書いてあるな...



 なになに、<特別通行許可証>?



「え!?こ、これって...」

「そう。これを各門の見張り番に見せれば、いついかなる時でもお前たちを通す。まあ流石に国から逃げることになるような大事件の犯人になってしまったら通せはしないが」



 なるほど、VIPパスみたいなもんか。



 あれ、そいえいばもしかすると僕の母さんと養父母を殺した犯人はすでに国外逃亡している可能性があるのか。すでに何度も行っている方法での殺人なんだからね、用意周到で頭のいいやつだろうしその可能性も十分に考慮しなきゃだな。



「ようし、これがあれば南の方の<ダンj...じゃなかった、国に行って情報収集ができる」



 そして欲望ダダ漏れのエリカ先輩。もうちょっと心の声を隠す努力をしてくださいよ。



「...まあ、<ダンジョン>に行くのは止めないが。<クエスト>の達成は早ければ早いほどいいことを忘れるなよ」

「「いいの(お)!?」」



 ええ...



 まさか、マナお姉様もそういうこと言う人だったとは。あれか、自らの命よりもお金を優先するタイプか。



「っとと、そうじゃないそうじゃない。寛大な心に感謝します、守護騎士団団長様」

「感謝しますう」

「それではまた、今度は<クエスト>完了時に」




 そう言ってめちゃくちゃ走る先輩たち。多分すでに1階にいることだろう。



 僕はこのペースに振り回されるのか...そう思いつつ、しっかりと一言団長に言ってから部屋を出る。



「それでは団長、失礼します」

「あっと、マリア。少しだけいいか」



 ん、なんだろうか。



「はあ、なんでしょうか」

「...すまない」



 それを聞き、しっかりと頭を下げた後に階段へと向かう。



 たった、4文字。その4文字にたくさんの意味が込められていた。



 例えば、自らの子供に危険なことをさせていると言う後悔。


 例えば、本来あるべき育児の権利を放棄したことに対する失念。


 例えば、例えば、例えば...



 おそらく、その文字に入れ込んだ感情はたくさんあるだろう。そして、その感情の全てを僕は理解しているわけじゃない。



 少なくとも僕が思うことよりもたくさんのことを父さんは思っているだろうし、それは理解し得ないことなのだろう。



 でもまあ、もとよりそうしていたであろうことを、力を持たない状態で始めることになっただけにすぎないわけで。僕も母さんを殺したやつに怒っているし。



 ...母さんの敵を、僕が討つ。とまでは言わずとも、少なくとも殺人に見合う()()をやつに与えてやらないと。



 殺すつもりはない。クトゥルフ神話にハマりすぎたせいで、僕の中では数々の生かして殺す(殺して生かす)方法がたんまりとある。それらをうまく活用する、ただそれだけの話だ。



 ただまあ、ね。そういうことをやろうにも、まずはやつを見つけ出さなくては。



 ちゃんと捕まえられるタイミングで捕まえて、それ相応のことをするためにも。



 ============================================




「おいおい、窓の外なんか見てどうしたんだ?お、あそこにいるのはマリアじゃねえか。1年しかたってないのになんか立派になったな」




「...いや、自らの行った行動が正しかったのか考えていただけだ。もう意味はないがな」




「ほーん。で、結果どうだったんだ?」




「間違っている、とは思わない」




「ほうほう」




「キラは...とても強い。しっかりと育てれば<シウズ守護騎士団>を正しき道へ導くことだろう」




「じゃあ、マリアは?」




「......そうとは決まったわけではない。そうとは決まったわけではないのだが...」




「うんうん」




「...彼女から、邪悪な何かを感じる」




「...へえ」




「<シウズ守護騎士団>はシウズ王国を守るためにある。そのためにはあらゆることを為すつもりだが、そもそもあの子の()()はそう言ったものとは逆の存在。いわば、破壊の権化に近いような、そんな気がするのだ」




「.........じゃあさ、グリズ」




「なんだ?」




「もしもマリアがお前に敵対したら、お前は躊躇なくその剣を振るうか?」




「......」




「どうなんだ?はっきりと、こ た え て く れ よ」




「...振るうだろう、な。たとえそれが我が子だったとしても、平和を脅かす存在ならば、しなければいけないことなんだろう」




「...くくく、やっぱりそう言うと思ったよ」




「なんだと?」




「いいことを教えてあげよう、グリズ。この国、いや世界中でもうすぐ対立戦争が始まる。その勝ち負けはすでに決まっているが...戦争だからな、とんでもない死人が出るだろうなあ」




「いつだ」




「そこまではいえねえな。だが...」




「だが?」




「その戦争の被害を抑えることはできる。へへへ、頑張りなよ、団長サマ?」

まあでも、こっからですからね。学園編は。

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