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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第二章 少狂学校生存
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入学式

また短い...ただ今回は下手に伸ばしすぎると中途半端になる恐れがあったので、ご了承ください。

 次の瞬間、



 PON!



 と音を立ててバーストの煙が立ち込める。



 煙が晴れると、そこには猫状態のバースト。今の僕の力じゃ少しの間しか形態変化できないのかな。



「ふむ、時間切れですか。おおよそ10数えたら終了、と言ったところですね」



 やっぱり、今の僕の力が未熟なことによるものだろう。念の為、ステータスも見ておくか。



 MPの消費量を見ておきたい、どうせすっからかんだろうけど。



 ーーーーーーーーーーーー

[名前] マリア

[性別] 女性 [年齢] 6

[職業] 召喚師(サモナー)(クトゥルフ神話)

[パーティ] <ギルドズパーティ>

[ギルド] <未来団>

[到達点] Lv11


 HP 55/105 MP 0/120


 ーステータスーーーーーー


 筋力 25

 体力 25

 敏捷 15

 知性 50

 精神 420

 魔力 115


 ースキルーーーーー


 言語 Lv37

 召喚魔術 LV50 (2)

 応急処置 Lv50

 耐性 Lv50


(魔王の種[発芽前] Lv100 (MAX))


 ーーーーーーーーーーーー



 予想通りすっからかんだね、しかもHPまで減ってるし。魔力のステータスが上がってるのも、おそらく一気にMPを使い果たしたからだろう。



 確か、さっきまでのMPの最大値は100。でHPを50使っているから、使用するMPは少なくとも150は必要と。



 まあ確実にHPはMPが足りなかったから減っているだろうけど、どういうレートでMPの代わりにHPが減るかわからない以上、不確定なのは仕方なし。



「だがまだまだだな。その疲労感から察するにHPまでもが削れているのだろうが、それは<過負荷現象(オーバーフロー)>という現象だ。使う魔法によってMPの使用量が変わるからな、本来なら不発に終わるのだが、まれに足りないMPをHPで補って魔法が行使される場合があるらしい」



「俺も見るのは初めてだがな...」とは校長談。なるほどね、理解。



 とりあえずその過負荷現象が自らの身に起こっているのは確実として、だ。



「バースト、特に体とかに違和感とかはない?」

「ニャー」



 む、一応バーストの身に何か起こってないか聞いたが、元気な鳴き声を聞く限りは大丈夫そうだな。



 ...てかバーストの<魔力解放>でMPが消えるのなら、そもそもメェーちゃんの<魔力解放>は無理じゃないか?



「さて、そろそろ時間だな。皆を起こすか」



 パチン!と指を鳴らす校長。すると次の瞬間、



「うわあ!」

「はっ!い、一体何が...」



 なんと、マナお姉様とエリカ先輩が起き上がった。



「ふん、この程度で意識を失うとはな」

「「??」」



 周りを見ると、どうやら他の生徒も起き上がったらしい。最も、何もわかっていないようだけど。



 まあわからない方がいいこともあるし、仕方ないよね。



「お前達もだ!!近くで視認したわけではあるまいて、この程度で意識を失うとはなっていない!!だからお前達は合格できないのだ!!」



 いや、それは理不尽でしょ。だってクトゥルフ神話生物なんだよ?見るだけで死ぬ可能性がある生き物なのに気絶だけで済んでいるのは流石にすごいわ。



 ...まあ、神話生物の中でもSAN値減少がそこまで大きくないやつ選んだけどさ。それでもよ。



「「「はい!すみませんでした!」」」



 しかし声を揃えて返答する先輩方。その目には嘘が隠れておらず、確かにそう思っているという感情さえ読み取れた。



 特に[心理学]とか持っていないのにこれだからね、嘘をつくのがうまいのか本当にそう思っているのかのどちらかだろう。



「よし、それではもうすぐ入学式だ。お前達もすでに<パーティ>は組み終わっているからな、移動するぞ」



 パチン!と指を鳴らす校長。すると、校長の目の前に扉が現れる。



「入学式に出席する生徒はこの扉をくぐれ。出席しない生徒はいつも通り自主練習を行うこと。いいな!!」

「「「「「「はい!」」」」」」



 この場にいる全生徒の返事を聞き、校長は扉をくぐる。



「それじゃ、一旦バイバイだね。静かにしてるんだよー?」

「わかっているよお。今回は保護者としての出席だしい、変なことはしないってばあ」



 ...なんか、マナお姉様達が変なこと言ってるのですが、まあ気のせいでしょう。



「さあ、行こうかあ、マリアちゃん」

「は、はい」



 続々と他20名の生徒が入って行き、最後に僕達が入る。



 ============================================



 そこは、見知らぬ場所だった。



 空間、一応扉と窓はあるけど、逆にそれ以外はない。



 窓から外を覗くと、壁が見えた。



<学園関門>と合体しているものだが、今こうやって考えると確かにこれは必要だろう。



 こんなにも生徒が死んでいる場所、他の人には見せられんわ。



「ここは待機場所、呼ばれたらこの扉をくぐれ。そうすれば、貴様らはとても広い室内にたどり着くからな。規律正しく動き、貴様らの座るべき場所まで移動しろ」



 校長の声が聞こえる。前の方にいるのかな。



「それでは、今回の入学者をご登場と行きましょう」



 また校長の声が聞こえる。一体どこから...



 ...よく見たらこの場にいないな、校長。なんならマナお姉様もいない。



 扉が開く。これが合図だったってことか。



 流れるように入る生徒。その流れに乗じて僕も扉に入る。






 なるほど、それは確かに広い室内だった。



 ものすごく噛み砕いて解釈するのなら、音楽ホールだろうか。1階と思われる僕たちいる場所は他にも既に生徒が座っている。



 その中には、あの勇者もいる。



 2階と3階、4階には他のたくさんの人が座っている。老若男女、服装に全く共通点はなく、バラバラの人がたくさん。



 偉そうな人から貧相な人まで、剣を持ったやつから王冠を頭につけている人まで。



 流れに沿って進む自分達は、いつのまにか個々の椅子にたどり着きそこに座る。椅子自体もふかふかで、金がかかっているものだろう。



「今回の入学希望者は15114人、そのうちの514名が入学資格なしと判断され、4200名が<その他>の単元において入学断念となりました」



 ...校長が、確かにそう言った。あのとても落ち着いた声しか聞こえないが、つまりは4714名も死んだということか。



 これ、毎年起こっているのか?だったら人類すぐに絶滅するのでは?



「そのため、10年に1度の今日この日に入学する生徒は10400名となります」



 あ、10年に1度なのか。それはよかった...とはならんね。



 パチパチパチパチという拍手。それに混じって聞こえるのは、悲嘆に満ち溢れた泣き声の数々。



 友、あるいは子が死んだのだ。泣かない親や友人はいないだろう。



「それでは、これから第666回<国立学園>入学式を始めます」



 そして、入学式が始まった。それにしても不吉だなあ、この世界に666が不吉だという習慣があるのかどうかは知らないけど。

校長は強い(確信)

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