ハローワークが超無能
久しぶりにメェーちゃんのステータスを見て、その高さに驚いた自分。
まあシュブ=ニグラスだしそんなもんか。
「よ、よし。とりあえず登録に移ろうか」
そういうと、ニアというその人は目の前の机の上で何かを操作し始めてた。指の動きを見るに、<インベントリ>の可能性が高いけど、どうだろう。
すると、突然青白い光が机の上から漏れ出してきて...
気がつくと、目の前に紙が浮かんでいた。
ステータスなどの半透明の板ではない。およそ羊皮紙に近しいそれは、なんの支えもなく自らの目の前に浮いている。
そこには、この世界の言葉でこう書かれていた。
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[職業]
[目指すもの]
[主神をどう思うか]
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...なんか、色々書いてあるんだけどさ。街頭調査みたいな内容だね、これ。
「まず、お前たちの<冒険許可証>を発行させてもらう。これがなければ<クエスト>なんぞ一切受けられん」
と校長。そして全員に羽ペンが渡される。
流石にボールペンとかはないよね。
「発行の手順は簡単だ。お前たちの目の前に浮かぶ紙に記入すべきことを記入するだけだ、もちろん個人のプライバシーのために書いたものはあらゆる生物に見られることはない。安心して書くといい」
ほうほう、なるほどね...と考えながら文字を書き込む。
まあ、どうせ叶うかもわからないことだけど、別に目指してはいけないことではないしね。周りの被害は尋常じゃないだろうけど。
なんなら僕の命を危険に晒してるからな、まあこのことに関しては危険に晒してもお釣りが来るレベルなんだけどね。
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[召喚師(クトゥルフ神話)]
[全クトゥルフ神話生物を召喚する]
[うさんくさいおっさん]
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よし、これで大丈夫。
「ほう、書き終わるのが早いな、マリア・ヒルドよ」
僕にそう声をかけてくる校長。
「全部すでに決めていたので」
実際そこまで難しいものではない。自らの夢はなんですかと質問されていたわけだからね、そりゃあ即答気味に答えられるでしょう。
周りを見ると、続々と書き終わる生徒たち。人は誰しも夢を持っているっていう話、本当なんだなあ。
「...よし、全員ペンを置いたな」
瞬間、目の前のペンと紙が消える。
そしてその代わりに...<ステータス画面>が表示される。
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[名前] マリア
[性別] 女性 [年齢] 6
[職業] 召喚師(クトゥルフ神話)
[パーティ] <ギルドズパーティ>
[ギルド] <未来団>
[到達点] Lv11
HP 105/105 MP 100/100
ーステータスーーーーーー
筋力 25
体力 25
敏捷 15
知性 50
精神 370
魔力 95
ースキルーーーーー
言語 Lv37
召喚魔術 LV50 (2)
応急処置 Lv50
耐性 Lv50
(魔王の種[発芽前] Lv100 (MAX))
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おおー、<ギルド>っていうところに<未来団>の文字が書かれてる。よかったよかった。
あと<到達点>っていうものも追加されてるな。隣にレベル表示があるのを見る限りだと...
「ほう、すでに他の準備は終わっていたか...お前たちが見ている<ステータス画面>、上の方に<ギルド>があるのがわかるだろう。そこに<未来団>という文字が書かれていれば入団成功だ」
お、てことは僕は入団成功か。んじゃあとは...
「校長先生、質問です。この<到達点>というのはなんですか?」
他の生徒の質問。むう、先を越されてしまった。
「カネフ・ソイルド、良い着眼点だ......いいか。<到達点>とは、いかに今の自分が強くなったのか判別するための数値だ。これが高ければ高いほど強くなっているという証明になる」
なるほど、マジのレベルってことか。
「そして、高ければ高いほど世界に認められる。使える魔法,<魔技>が増え、[召喚]系のスキルだと<召喚獣>が強化される。基本的に<到達点>を上げることに損はない。一種の目標として見るのがいいだろう」
おお!メェーちゃん達が強くなるのか。一体どれだけ強くなるんだろうなあ、楽しみすぎる!
「さて、これでここでやることは終わった。すぐに<国立学園>に戻るとしよう」
パチン、と指を鳴らす校長先生。すると3度目のワープ演出が入り...
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気がつくと、そこは草原。
一番最初にいた場所に戻ってきたのだ。
「...まだ時間があるな。それでは今から<パーティ制作>のための時間を設けることにする」
見渡す限り、草、草、草。しかし先程までにいた生徒の人数がより多くなっている。
先輩方もいるってことか。
「お前達はすでに一つの<ダンジョン>を突破している。故に、お前達よりも上の者達と組む必要はない。だが、この年に一度の<パーティ>の組み直しではお前達よりも上の者達も組み直す。つまり、貴様らの<パーティ>に先輩方がいることになるかもしれないというわけだ。そこは注意するように。では、始め!!」
そして、自由時間が始まった。実際僕はすでに組んでいるわけd
「じゃあ、あっちへ行こうねえ」
「ささ、レッツゴー!」
「ええ!?」
ドナドナされていく自分。一体どうしてこうなった。
...そして、ちょっと先輩方が見えなくなる場所まで来て、ようやく止まった。
「さて。とりあえず、まずはようこそ<ギルドズパーティ>へ。いやあ、マリアすごいね。>キメラティック・フォレストアンドオーシャン・キングズ<を倒すとは」
「私たちの時はあ、逃げるのが精一杯だったからねえ」
「あはは...ありがとうございます」
ぶっちゃけ僕は何もしてないけどね。ただただメェーちゃんとショゴスとバーストに任せっきりでした。
ちなみに当のメェーちゃんは本を持ち上げてながら、頭の上でお昼寝中。かわいい。
「ところでえ、このかわいい生き物は何い?」
わしっと掴まれるバースト。その目はどこか引き攣っているような。
「あ、バーストっていうんです。ニャーっていうかわいい声で鳴くんですよ」
しかし、残念なことにマナお姉様とエリカ先輩はかわいいものが好き系女子。メェーちゃんは普通に通り抜けたけど、バーストはどうなることやら。
あ、そんな目で見られても何も起こりませんよ。
「..................」
「「(鳴き声待機)」」
「.............................................ニャー」
「「(絶句中)」」
やはり、ぬこは正義。山羊もかわいいが猫もまたかわいい。めちゃめちゃ長いため時間の後に繰り出されるニャーの破壊力はとんでもないものであった。
「メェ〜」
あ、おはようメェーちゃん。そんなメェーちゃんは呑気に見物中である。
「「かわいい〜!!!」」
「フニャア!?」
そしてバーストはというと、復活したお姉様方に身体中をくまなく触られていた。
「あんまりやりすぎると怒られるんで気をつけてくださいね」
「「はーい!」」
「ニャフウ!」
必死に抗議の目を僕に送りつけるバースト。
「メェー」
「(意気消沈)」
しかし、メェーちゃんの一声であっけなく撃沈するのであった。まあかわいいししゃあない。
...あ、今のうちにメェーちゃん達のステータスみとこう。
「メェーちゃん、<メヌー・リング>見せて?」
「メェー」
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[名前] メェーちゃん
[性別] 女性 [年齢] ■■■■■■
[借体] 人形
[到達点] Lv11/11
HP 666666/666666 MP 666666/666666
ーステータスーーーーーー
筋力 666666
体力 666666
敏捷 666666
知性 666666
精神 666666
魔力 666666
ースキルーーーーー
呼び出されたもの Lv100(MAX)
魔力生成 Lv100(MAX)
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お、<到達点>が増えた。
なるほどね、[呼び出されたもの]に書かれてたLvってこのことだったのか。
おそらく"基本的"に召喚者よりも強くなりすぎないようにするためのものだろう。明らかに強すぎるとバランスブレイカーになり得るわけだし。
まあ、メェーちゃんはゴリッゴリのバランスブレイカーなんだけどね。
ああいや、メェーちゃんは悪くない。地球でもやばいんだから、こっちの世界でもやばいよねって話なだけだよ。
で、だ。問題は新スキルの[魔力生成]だよな。
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魔力生成 白金
このスキルを持つものは常時魔力を生み出し続ける。ただし一定濃度になると分散する。
Lvが大きくなればなるほど範囲と生成速度が上昇する。
魔力が尽きなくなるというメリットがありつつも、近くの魔獣が強くなってしまうデメリットもある。
一長一短なスキル。
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おお、なるほど。つまり今この場所は魔力が濃いってわけか。
あ、じゃあショゴスに話しかけても大丈夫そうかな。
「ショゴス、聞こえているなら<メヌー・リング>を出してほしいな」
すると、確かに触手が出てきて<メヌー・リング>を見せてくれる。
<ダンジョン>と同じ感じでいいのかな。
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[名前] ショゴス
[性別] 不明 [年齢] ■■■
[借体] 本
[到達点] Lv11/11
HP 100000/100000 MP 600/600
ーステータスーーーーーー
筋力 1790
体力 1237
敏捷 312
知性 1828
精神 1567
魔力 55
ースキルーーーーー
呼ばれたもの Lv100(MAX)
体変換 Lv11
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あ、ショゴスはステータス増えてる。何か違いでもあるのかなあ。
で、[体変換]はなんぞや。
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体変換 金
上位のスライム系統の魔獣が持つスキル。
一度その要素(体の一部)を手に入れた生物に変形する。
ただし、自分の体よりも大きいやつは不可。
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うーん、なるほど?
いやでもショゴスってドラゴンになってたよな。ええ?
まさかだけど...実はもっと大きいとか。
あり得るなあ。
ねこですよろしくお願いします




