EXはない、はず
ついに...ついに!
総合評価が50ポイントを超えました!やったー!
あ、前回と前々回で燃え尽きたので今回は短めです。
教室内の生徒、おそらく僕の先輩も混じっているであろう人たちの反応はさまざまだった。
手首を失っていることなのか森海王を倒したことなのかわからないが、驚いた顔をしている人。大体半数。
僕の頭の上にいる生き物たちを見て唖然としている人。4割くらい。
そして、
「うんうん!マリアちゃんならできると思ってたよお!」
「よーし、さすがマリア!!」
めっちゃ褒める人。マナお姉様とエリカ先輩以外にも何人かいる。
「静まれ!!」
校長先生が叫ぶ。すると、なんと一瞬で周りが静かになった。
校長先生の言葉は絶対、と言うことか。
「これで全ての生存者が出揃った。今回は参加者114名に対して生存者は21名、まずまずと言ったところか」
114人も参加してたのか...てことは他にも<リザードマン>に殺されたやつが80人ほどいることになる。
おそらく、あの森海王に見つかって殺されたやつもいるはず。2割弱の人間しか生き残っていないのも頷ける。
...いや、頷くのがおかしいのだけどね。さすがに命が軽すぎではないか?
「まずは生存者諸君、おめでとう。君たちは<ギルドズパーティ>に入団することができる」
「入団?」
「これ<その他>の単元じゃないのか?」
と言う意見が聞こえる。まあ実際そう思うのも無理はない、僕がマナお姉様と<パーティ>になった時のパーティ名が<ギルドズパーティ>だった時から知っていたからいいんだけど、そもそも<ギルドズパーティ>と言う単元を受けにきたのだから。
「この単元では、お前たちが生き残るための知識および強化を受けて、あるいは知ってもらう。そのために貴様らには<ギルド>に入ってもらう」
そして新しい言葉が出てきたな。<ギルド>と言うのはなんだろう。
聞いてみるか。
「バルバトス校長先生、質問です。<ギルド>とはなんですか?」
途端に教室中がざわざわし始める。あれかな、ほとんどの人が質問したことがなかったのかな。もしくは怖いのか。
校長先生は、起こると怖い。らしい。ただそれが質問をしない理由にはならない、わからないことを教えるのが教師なのだから。
「ほう、いい質問だマリア・ヒルド。<ギルド>とは<パーティ>の拡大強化版のことだ。ただし、<パーティ>と違って国からの仕事が入ることがある。それ以外は<パーティ>と全く同じものだな」
「なるほど」
<パーティ>の拡大強化版、か。なんか魔王軍とか勇者軍もそういうものになりそう......
あ、てことは<シウズ守護騎士団>って<ギルド>だったのか。え、てことはお金方面が大変なことになる可能性がある?
「基本的にこの世界で仕事をもち働くことは、なんらかの<ギルド>に入団することになることと同義だ。それを覚えておくように」
「はい!」
しっかりと返事を返す。
「さて、とは言っても貴様らに<ギルド>を選ばせて入団させるわけではない。<ギルドズパーティ>とは単元の名、貴様らにはこの単元のための<ギルド>である<未来団>に入団することになる」
<未来団>、なるほど。よくはないが悪くもない名前だ。少なくともこの名を名乗っても恥をかくことはないだろう。
「今回は時間が余っているからな。今日中に入団の手続きを済ませることとしよう」
パチン!と指を鳴らす校長。すると、<ダンジョン>に入る前に起きたことと同じく真っ暗になる。
そして光が戻ってくると...そこは街だった。
<学園関門>の外。後ろに鎮座する<学園関門>が外に出たことを裏付ける証拠になっている。
あれか、門の創造みたいな何かで僕たちは移動したのか。
「ここは<学園関門>南側前広場。この広場から王都南門まで繋がる大通り、それを通り<ギルド会館>まで向かう。<ギルド/パーティ会館>の説明は向かいながら説明するとしよう」
歩き出す校長。それに続いて僕たちも歩き始める。
...よくみると、さっきまでいたはずのマナお姉様たちがいなくなっている。って、いつのまにか左手が元に戻ってるし。
これくらいの怪我は骨のヒビと大差ないと、そう言うことなのか。
「<ギルド/パーティ会館>は、基本的に全<ギルド>の本拠地となる場所だ」
校長が説明を始める。ちゃんと聞かないといけないので耳を澄ませる。
「<ギルド/パーティ会館>にあるのは<クエスト>を受注する掲示板、それを達成したことによる報酬受け取り口、<ギルド>入団や退団その他諸々のことを行うことができる受付、これら計3種が基本だ」
ほうほう、<クエスト>とはなんぞや。
「貴様らは確実に知らないだろうからな、説明するとしよう。<クエスト>は<クエスト>を依頼した者によって内容が変わる仕事のことだ。収集、護衛、討伐、ただの雑用に国からの<継続クエスト>など多種多様。特に国からの<継続クエスト>は報酬もいいからな、受注できれば安定した稼ぎが得られるだろう」
安定した収入、おそらく<シウズ守護騎士団>の面々はそれを受け取っているんだろうな。
じゃあ、なんで僕は養子になったのか。その疑問が頭に出た時、それを校長先生は教えてくれた。
「ただし、あくまでも安定して稼げるだけだ。そもそも<クエスト>の報酬だけでは生きていけないのがこの世界の現状、どの国でも他の方法を使って稼ぎを得なければならない」
つまり、安月給で働かされるブラック企業(国からの仕事)に勤めればある程度の安定した低収入が得られると、そういうことか。
「そのために、<ギルド>は<ダンジョン>にて探索を行う。探索によって得られる物は全て<ギルド>や<パーティ>、あるいは個人の物だからな。ただし、<クエスト>とは桁違いの危険性があるが......ついたぞ、ここが<ギルド/パーティ会館>だ」
校長先生が止まる。目の前には大きい館があり、たくさんの人が行き来している。
しかも、その姿が鎧やローブなどの人がほとんどであり、そんな中制服姿で呆然と立っている僕たちはおかしいだろう。
「中に入るぞ、はぐれないよう注意するように」
「「「「「...............」」」」」
「返事は!!」
「「「「「はい!!!」」」」」
返事を返す僕たち。さすがに怒鳴られたら言わざるを得ないのだ。
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「よっしゃ俺の勝ち!」
「はあ、はあ、なんとか戻ってこれた...」
「なあマスター!次の酒はまだか!」
「が、頑張るぞ!!」
中は、思ったより汚かった。いや内装は綺麗なのだ。いわゆる木目調である内装は完全に百点満点と言えるであろう、だが。
それ以上に周りがうるさい。どれくらいうるさいかというと親が帰ってきた雛鳥のような騒々しさだ。
そう、うるさい。そんな中を堂々と歩く校長と周りをめっちゃ気にする僕たちを見たのか、少しだけうるさい世界の話題が変わった。
「おお、ついにあの時期か」
「今年も死人が少なくなりますように」
「ふむふむ、強そうな子がいっぱいいるなあ」
「まあ、外の世界を見れば絶望しかしないだろうがな」
うーん、物騒。などと思っていると、校長先生が止まった。
「久方ぶりだな、ニア。元気にしてたか?」
「もちろん。えっと...その子たちが今回の合格者?」
「ああ。114名の中からのだ。しかも今回は<ダミラー>に引っかかったやつもいれば...聞いて驚けよ、>キメラティック・フォレストアンドオーシャン・キングズ<を打ち倒した者もいる」
「な!?」
おお...という声が周りから響く。まあそもそもあの空間で1時間生き残ること自体が奇跡に近いだろうし。
運も実力のうち、と言うことか。
いやはや、ついに目標だった50ポイントを超えることができました。
これも読んでくれる皆様のおかげですね。本当に感謝しかありません。
内容は毎回結構短いですが、今後とも「冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる」をどうかよろしくお願いいたします。




