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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第一章 未狂理解不能
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這い寄りすぎた混沌

18時にまた投稿しますね。



注:嘔吐あり

「...なぜ私が"這いよる混沌"だということを知っているのです?」

「そりゃもちろん、クトゥルフ神話が好きな人もそうじゃない人も、流石に一度は聞いたことのある言葉だからね。特に僕は何度も調べたし、そういえば転生前はちゃんとした発音もめちゃくちゃ練習してたっけ」



 スラスラと出てくる言葉に、その合間の中でふと思い出す記憶。



 こう、ャとアとか難しかったなあ。ッがつくかつかないかの間はもっと難しかったけど、それよりかは大いなるクトゥルフの発音の方がもっと難しかったか。



「うわあ...」

「は、発音を練習した人間と会うのは流石にいなかったな...」



 うーむ、メェーちゃんに引かれるとは思わなかった。というか流石に練習した人間はたくさんいるでしょ、まあ僕の周りにはいなかったけどさあ。



「まあ、実際に私の他の側面の中には有名なものもいますし」

「それはまあ、アニメやら漫画やらいっぱいあるし」

「私たちの人権をなんだと思っているんでしょうかね、人間は。肖像権とか訴えてやるって豪語した側面もいましたし、気をつけた方がいいですよ」

「いや僕に言われてもね」



 何なら神話生物の方が人間の権利をゲフンゲフン。



 これ以上はやめよう。僕に対し危険があるかもしれないし。



「ええ、その方がいいかと」



 んで、だ。



「とりあえず、なぜここにいるんだ?って考えたけど、そもそもお前はどこにいても問題ないようなやつだったな...」

「ご名答!私はどこにいても私ですから、どこにいても私なんですよ」



 喜んでいるのか、張り上げた声で話すニャルラトホテプ。言っている意味がわからんし、質問に対する返答にもなっていないんだが。



 まあ、つまりは本物のナイアルラトホテップということなのだろう。



 ...なんか結論が出たらどうでも良くなってきたわ。



「ニャルラトテップ、さっき言ってたようにこのショーケースの中から選んでいいんだよね?」

「ええ、もちろん。私に二言はありませんとも」



 3とか4ならありそうだがな。



 おっと、そういえば。



「メェーちゃんたちの分も別に選んでもいいかな」

「いえ、そこは流石に料金を頂きますよ」

「うーん不親切」



 ま、しょうがない。相手だってお店を経営しているわけだし、あくまでも<勇者>の付き添いとしておこぼれをもらっているようなものだしな。



「メェーちゃん、一緒に買いたいものとかある?」

「え、でもお金がかかるってアイツが...」

「大丈夫、お小遣いならたくさんあるからね」



 そう言って<インベントリ>を開く。確か入れてあったよな、お小遣い。



 ーインベントリーーーーー


 金


 00.05.50.00


 ーーーーーーーーーーーー



 ???



 いや、まあ確かに適当に入れてそのままだったけどさ。え、お金ってこんな感じで表示されるわけ?



「...ふむ。お客様は<インベントリ>内金貨の見方がわからないのですか?」

「いや確かにそうだけども」



 まあ、メェーちゃんは別にいいけどさ。ほんとナチュラルに心を読むよね、クトゥルフ神話生物って。



 せめて許可取ろうよ。人権とか言える立場じゃないだろ。



「まあ別に私が肖像権について訴えているわけじゃないし」

「いや全部お前...いやどっちだ?」

「さあ?全部私で全部私ではないので」



 ...まあ、どっちでもいいか。赤の他人であることに変わりはないし、そもそも僕じゃこいつに敵わない。



 メェーちゃんは例外だがな。



「で。できれば金貨の見方を教えて欲しいのだけれども」

「おっと、そうですね。店主である以上、ちゃんと代金を払って欲しいですから」



 そして尻ポケットらしき位置から何かを取り出そうとする店主。



 尻ポケット...あったか?



「では、これを使って説明しましょう」



 取り出したるは、小型ホワイトボード。



 この世界にもホワイトボードあるんだあ...知らんけど。



 何なら油性マジックペンまで取り出してるし。しかもマ○○ーって書かれているんだが。



 そして、何かを書き出す店主。なになに...?



「まあ基本的には<00.00.00.00>と書かれていますが、これは左から順に<白金貨.金貨.銀貨.銅貨>の値です。例えば白金貨を1枚持っていると...」



 書かれている数字が消していないのに書き変わる。怖いわけではないが、こんなところでクトゥルフ神話じみてくるのやめようぜ。



「このように、<01.00.00.00>となります。10進数ということですね」



 ほうほう。この世界では10進数が使われているのか、理解したぞ。



 で、確か僕のインベントリの中には...



 ーインベントリーーーーー


 金


 00.05.50.00


 ーーーーーーーーーーーー



<00.05.50.00>ということは、金貨5枚に銀貨50枚ってことか。



「この書き方だとお客様のようにわからない人がいると困るので、私は文字で値段を書いています。ですが他の店はこのまんまの書き方、例えばアポスの実(りんご)の相場は銅貨20枚ですが普通の店なら<20>と書かれています」



 なるほど。アポスの実は初耳だが、例を出してくれるおかげでめちゃくちゃわかりやすい。



 もしかすると、このニャルラトホテップは教師の経験があるのかもしれん。



「ありがとう、いい勉強になったよ」

「ははは、それほどでも。そうそう、ショーケースの中にあるものは全て金貨1枚以下のものしかありませんよ」



 ほう、それはありがたい。なんでも選べるってことだろう?



 ============================================



 音もない、静寂の時間。目の前には、2つの道具。



 綺麗な反面、なぜか見られているような気がするような宝石がついている指輪。

 豪華な反面、なぜか見られているような気がするような小鏡のついている首飾り。



 さて、店主よ。かれこれ30分くらい経っているのかな、悩んでいる時間は。



「いえ、1時間です」



 あらそう。でもまあしょうがないよね、悩むものは悩むのだ。



 だってどっちも嫌な予感しかしないしね。絶対選んじゃいけない気がするが、他のものはいまいちだったんだよな。



 おそらく全てのものに何らかの効果があるんだろうけども、[鑑定]を持っていないからどれが正解かもわからない。



 だから感性で選ぼうと思ったんだけどなあ......まさかここまで悩むことになるとは。



 うーん、こうなったら多分決まらないな。よし、メェーちゃんに決めてもらおう。



「え!?わ、私!?」

「大丈夫大丈夫。どちらが選ばれても嫌じゃないし、どちらとも気になって決められないからメェーちゃんに決めてもらうんだからね」



 ちなみにショゴスは興味ないのか、既に本の状態で僕に抱えられている。装備で強化できる存在じゃないからね、ほんと申し訳ない。



「え、えと、どうしよう。この指輪...じゃなくて首飾り、でもなくて...」



 めっちゃ悩んでらっしゃる。なんだか嬉しいけれども、それはそれで申し訳ない気持ちに駆られてしまう。



「はっ、そうだ!」



 おそらく、さっきショゴスに対して申し訳ないと思ったからだろうな。感情が引っ張られてしまって、申し訳ないという気持ちになってしまっているんだろう。



 頼んでいるんだし、流石に申し訳ないと思うのは筋違いだろう...ん?



「えっと、これをああして...」



 空気が震える。それは徐々に大きくなり。



 パリン!



 10秒で、ショーケースのガラスが割れるほどの振動となる。



 それは地面が揺れているという勘違いを起こさせるほどで、それを間近食らっている僕はただただキツい。



 脳みそが頭蓋骨の中で弾んでいる感じで、つまるところ脳震盪が現在進行形で起こっているのだ。



 しかも、その他胴体内の臓物も同じような感じ。普通に気持ち悪い...おぷっ。




 うう、気持ち悪い。



「ここで吐かないでくださいよ。あと今度弁償してもらいますからね」

「め、めっちゃ冷静だね...おえぇ」

「あとは...ここをこう!」



 ドン!という衝撃波が体を貫く。



 肺から空気が抜け、一瞬世界が真っ暗になる。



 なんとか失神だけは免れたってことかな。



「うう、オロロロr」

「はあ、はあ。なんとかバケツは間に合った...」



 吐き気は止まらなかったが。



「できた!!って、大丈夫!?」



 おん、ようやく気づいてくれたかメェーちゃん。大丈夫、吐いただけだからね。



「...はあ。あのですね、まだ購入してない商品でなんかするのは普通に営業妨害ですからね。そこのところわかってますか?」

「でもここ、地球じゃない」

「犯罪じゃないわけではありませんよ、って言っているんです。あなたがシュブ=ニグラスだから今回は目を瞑りますが、他の店ではやらないでくださいよ」



 わお、まさか超常識人だとは。ナルラトホテップがふざけなかった世界線なんてあるのか。



「あなたもですよ、マリア。これから<魔王>となるあなたは、もっと教養をつけてください。ゲロインとか誰も望んでいませんからね」

「「はーい!」」



 まあそりゃそうだという話だけども、急に脳震盪が起こった5歳児なんだからね。そこら辺は許してほしいんだけど、僕は一体誰に許して欲しいんだろうか。



 うーん、謎だ。



「そうだ、メェーちゃんが色々やったものって何?なんかすっごい衝撃波とかあったけど」

「えっとね...これ!」



 握っていたらしいものを見せてくれるメェーちゃん。どうも綺麗な宝石のようだ。



 黒ではあるが、それ以上に黒ではない。赤い線が中で走っていることでとても美しい模様を描き出している。



 また不規則な多面体なので、不思議なオーラを放っているようにも感じられる...






 というか<輝くトラペゾヘドロン>だこれ。まじか、目の前にいる生き物を召喚できる物体を手に入れてしまったぞおい。



 いやちょっと待て、この<輝くトラペゾヘドロン>ってメェーちゃんが作り出したんだよな。たった2つの道具を色々して、できたのがこれなんだし。



「うん、そうだよ!......2つとも良かったから一緒にしたのだけど、ダメだったかな...?」



 いやいや、これはこれで嬉しいよ。それこそ滅多に手に入れられないものを手に入れんたんだしね。



「ありがとうね、メェーちゃん」 ナデナデ

「えへへ」

ニャル「(心を)読ませろ」

人間「っ…!!」


人間「神々っていつもそうですね…!地球の生物のことなんだと思ってるんですか!?」

神々「なんか面白い奴ら」(諸説あり)


3時前まで遅くなって、本当にすみません。

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