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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第一章 未狂理解不能
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ドア(扉)

本日2話目でございます。

 だって、あいつは頭がいい。間に合わないと判断して、あの時<ドラゴンブレス>を使って僕を瀕死にしたくらいにはね。



 だからこそ、ドラゴンは()()()僕を殺すことができる方法があるのなら、その方法を使ってくれるはず。



 ...よし。



 ふっ、と世界の時間がうこきだす。ドラゴンの動きが早くなり、すぐに僕の目の前に到達する。



 すぐに本とメェーちゃんの手を掴んで移動を行う。向かうは、部屋の隅。



「え!?え!?」



 困惑するメェーちゃん。あなたにはこれからやることがあるんでね、心の準備をお願いします。



「へ?」



 部屋の隅に着く。もちろん、ドラゴンも追ってくる。



 どっからどう見ても、自分が追い詰められている側。でも、足で踏み潰そうとしているのであれば避ける余裕がある場所だ。



 ドラゴンが反りかえる。思いっきり足を振り上げ、とんでもない速度でそれを振り下ろす。



 で、それを間一髪で...避ける!



 ズドーン!



 横跳び、すれ違いざまに元々いた場所に振り下ろされた足。あともうちょっと遅かったらペシャンコになっていたのだろうが、そんなこと考えている暇はない。奴は、例に漏れず4足歩行なのだから...



 ズドーン!



 もちろん、もう一回襲ってくる。ギリギリで避けられるが、逆にタイミングを逃すと死ぬので、精神を研ぎ澄まして注視していなきゃいけないのが辛すぎる。



 避けた足でそのまま移動。今度はドアを挟んだ反対側へ向かうが、もちろんドラゴンは追ってくる。



 さて、今度はどうか...と!



 ズズドーン!!



 まさかの両足同時。どう考えても効率が悪そうだが、さっき踏みつけが当たらなかったことを考えてのことだろう。



 まあ避けるんだけどね。避けてなかったら、ここまでの思考もないだろう。



 そしてもう一度反対側へ。そろそろやってきてくれると嬉しいんだけども...お。



 もう一度踏みつけようとしたのか、ドラゴンが反りかえるがその体制のまま止まる。



 そして体制を戻すと同時に、口を開いた。



 シュゴオオオオ!



 きた、チャージだ。やっぱり僕の予想は正しかった!



「メェーちゃん!」



 頭がぐるぐるしているメェーちゃんを現実に引き戻す。



「ひゃ、ひゃい!」



 危なげながらも返事を返すメェーちゃん。これなら大丈夫そう。



 持っていた本をメェーちゃんに手渡す。



「「へ?」」



 同時に2つの声。メェーちゃんとショゴスの声だが、さっさと本題に移るとしよう。



「ショゴスを思いっきり口の中に放り込め!」

「は、はいい!」



 急かすために強めに言い放つ。しかし急かされたとしてもメェーちゃんであることには変わりない。



 思いっきりぶん投げられた(ショゴス)は、スッと口の中に入るどころか、喉の奥へと向かっていく。



「ようし、細胞は手に入ったならそのまま...」



 不意に、チャージが止まる。チャージ中にやった作戦なんだから、チャージが止まったっていうことは...!



「やばっ!ショゴス!さっさと擬態を開始して!」



 叫ぶが、もう遅い。思わず目を瞑るが、ドラゴンにとってそんなことは関係ない。



 溜められた空気は肺で熱され、そのまま僕たちの方へ...



 ...



 ...



 ...こない。



 目を片目だけ開いてみる。そこには、白目を向いて静止しているドラゴン



 パアァァン!!!



 瞬間、目の前のドラゴンが弾けた。肉片が僕たちの方へ...こない。



 なぜか吹き飛んだドラゴンの肉片が元あった場所に戻っていく、ように見えるが何かに引っ張られている。



 僕にはその引っ張っているものが()()()()に見えるのだが、はてさて。



 肉片が、まるでパズルのように元に戻って。ついにはドラゴンの形を取り戻す。



 刹那、体のあちこちから黒い粘性の液体が飛び出し、ドラゴンの体を絡め取っていく。



 すでに死んでいるのか、あの力強い咆哮は聞こえない。ただただ蹂躙されるのを待つのみとなっていた。



 ずるずると壁に寄りかかりながら座る。緊張の糸が切れて、思いっきり脱力する。



 とりあえず、勝ったってことだよね?



「......」

「ん〜!」



 呆気に取られているメェーちゃんの隣で体を伸ばす僕。いやはや、超巨体であるドラゴンの口の中に本を放り込むことは僕にはできなかったからね、メェーちゃんがいてくれて本当によかった。



 そう思いながら撫でていく。



「...えへへ」



 そうそう、もっと喜んでもらったっていいんだよ。メェーちゃんはすごいことをしたんだからね。



 もちろんショゴスもすごい。そもそもショゴスがいなかったら倒せていたかわからなかったからね、ショゴスも今回の立派な立役者だ。



 ...ふう。なんかこう、さっき脱力したばっかりだけど。抜けた気力が戻らないくらい、ずっと緊張しっぱなしだったな。



 というか、見知らぬ部屋にいるって気づいて取ろうとした行動が脱出て。よく考えてみると、意外と僕もすごいことをしているのかもしれない。



 と、いつの間にかドラゴンが消えていた。我ながら思いついた作戦...ショゴスを体内に入れて、半強制的に細胞を入手させたのがうまくいったのが功を奏したみたいだ。



 破裂した時、一瞬だけど()()()()()()が見えた。体の中で細胞を入手した後、そのまま擬態を始めたんだろうな。体の中で膨張を始めるもんだから、硬い鱗も効かなかったのだろう。



 そして、やってくるショゴス。何食わぬ顔、をしていそうな感じでコチラに向かってくる。



「ショゴス、ただいマ戻りました」

「うむ、ご苦労だった」



 いやしかし、初見でドラゴンを倒したのはすごいような気がする。しかも全員ほぼ無傷だし、何よりメェーちゃんという可愛くて強い存在が仲間に加わったのだからね。



 さて、あとは帰るだけですな。



 立ち上がってドアの前まで移動する。メェーちゃんとショゴスもついてくる。



「えっと忘れ物は...ないな、うん」



 ここにある金貨全部持っていくとかの考えは、まあない。



 だって、ねえ。この金貨全部持って行ったら、それこそなんでも食べられる......



 ......よし、持っていこう。



 ============================================




 よし、ポケットと<インベントリ>がパンパンになるくらい入れてきた。



 とは言っても、まだ半分以上残っているが。



 いやあ、まさか<インベントリ>に上限があるとはね。よくよく考えてみると、そりゃそうなんだけどさ。



 まあでも、これで本当に忘れ物はない。



「よっ」



 ドアを押す。すると、触れた瞬間に消えるドア。



 押そうとしていたもんで、体制を崩す。



「うわっ!ちょま」



 しかし誰も待ってくれず、ドアの向こうの光は眩しくなり...



 ...



 ...



 ...



 はっ!



 目を覚ます。どうやらベットの上で寝ていたみたいだ。



 ここは見知らぬ部屋...ではないな。



 なるほど、自分は今夢を見ていた...という風にもならない。



 なぜなら、部屋の壁の模様が最初に起きた部屋の壁と同じだから。



 ふむ、とりあえず<インベントリ>を確認する。



 ーインベントリーーーーー


 金

 人形(メェーちゃん)

 (ショゴス)


 ーーーーーーーーーーーー



 よし、夢じゃないっていう確証はある。



 僕はあの場所でしか<インベントリ>に金を入れてないし、何よりメェーちゃんがいるのがその証拠だろう。



 あれ、そういえば<インベントリ>の中にメェーちゃんとショゴスって入れたっけか。



 確かに入れてなかったような...



 コンコン



 ノックの音。あれ、確かこの部屋にはドアはなかったはずだけど、ってあるわ。



 一番最初のあの部屋にはなかったんだけどなあ、一体どっちが現実なんだろうか。



 キイィーという音と共にドアが開く。



「マリアちゃーん、ご飯の時間で...」



 聞き馴染みのある声が聞こえる。この声は...



「あ、おはようございます。マn」

「マリアちゃん!」



 すごい勢いで走ってくるマナさん。さながら肉食獣のようだったが...どわああ!?



 ギュッと抱きついてくるのはちょっと卑怯じゃないですかねえ!



 というか当たって...女の子でしたね、僕。



「よかったあ!!心配したんだよお!」



 と涙を流しながら言われましても。



「あはは...ところでなぜここにマナさんが?」

「わあ冷静」



 まあそりゃ目の前に涙を流しながら抱きついてくる女性がいたらね、皆冷静になりますわ。



「えっとねえ、とりあえず今は朝食食べよっかあ」

「あっはい」



 マナさんが扉の奥にいき、レストランとかでみるようなワゴンに食事を乗せて持ってきた。



 なんかめっちゃ豪華なのですが。全部見たことのない料理なのは確かだが、少なくとも村では食べられないものだろう。



 そしておもむろに<インベントリ>からテーブルと椅子を取り出して、座ったんですけども。



「さあ、一緒に朝ごはんを食べようねえ」

「いや、その前に今僕の置かれている現状について話してほしいのだけど」



 すぐに冷静なツッコミ。マナさんは結構マイペースだから、こういうことを先に言っておかないとまずい気がする。



「...なんだか少し成長したみたい。わたしたちよりも年上、じゃあちょっとおかしいかな?」



 うん、精神年齢に関しては年上だろうしな。



「まあ、いっかあ。えっとね大部分を省略していうとねえ」






「マリアちゃんは、私の義妹になりましたあ!」



 ファッ!?

とりあえず、投稿できたわけですが...



このままだと投稿遅れの癖が治らなさそうなので、遅れた場合はその日の18:00にもう一本出すことにします。



遅刻、ダメ、絶対。

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