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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第一章 未狂理解不能
39/402

やっぱりテンプレートは(ry

ちゃんともう一つの話も投稿します。


ただ、間に合わなそうなので18:00に投稿します。

「せーのっ!」



 ドンッ



 部屋中に響く音。しかし、ドアはびくともしない。



 これでもショゴスとメェーちゃん、それと僕の計3人で思いっきり押しているんだけどね。うんともすんともいわない頑丈さは、やはり条件付きなのかそれとも摩擦が強すぎるのか。



 どちらにせよ、今は開けられないことを教えてくれていることは事実だろう。



「はあ...はあ...はあ...」

「ぜ、全然開かないね...」

「...コレ、どうやって脱出スるんです?」



 ショゴスが素朴な疑問を生み出す。ただ僕もわからないからなんともいえない。



「はあ...はあ...やっぱり、あのドラゴンかなあ」

「可能性は...あるかも,,,」



 とメェーちゃん。実際のところどうなのかはわからないが、条件達成によってこのドアが開くと仮定すると、その条件の可能性は十分にある。



 だってどうみてもラスボスだし、条件の中でもダントツで難しそうだし、何よりも強そうだからね。



「いヤ、ドラゴンを倒しても開かない可能性はありますよ?」

「そこなんだよなあ」



 いかんせんヒントがなさすぎる。だからドラゴンを倒すことが徒労に終わるかもしれないのだ。



 しかも、だ。



「メェーちゃん、薬を探している最中に食料とか見つけた?」

「う、ううん。なかったけど...」

「籠城モ無理、と」



 そう、食料がない。つまり、飢えというタイマーがすでに動いているということなんだよね。



 しかもさっきまで全力疾走の繰り返しだったり、全身火傷だったり皮をひっぺがしたりで体力を多く消耗している。



 お腹はなっていないけど、今めちゃくちゃ腹が減っているのは事実。メェーちゃんやショゴスは最悪の場合食わなくても大丈夫だろうけど、人間である僕は餓死する危険がある。



 確か三日三晩が限界だったような覚えがあるが、そもそも2日も絶食したら動けないことは確実なので大体2日がタイムリミットだろう。



 ...うーん、ならさっさとドラゴン倒した方がいいのかなあ。



「メェーちゃん、あのドラゴンって倒せる?」

「え!?ど、どうだろう...」



 言葉が詰まるメェーちゃん。まあ初めてみる存在だろうからしゃーない。



「ショゴスはどう?」

「ふム...」



 少し考えるショゴス。もしかするとショゴスにしかできないこともあるかもだしね。



 ただ、少なくとも僕はドラゴンに対して何もできないだろう。何か戦闘で使えるスキルはないし、そもそもステータスが低い。精神値だけは高いんだけど、それ以外が絶望的に低い。



 つまり、必然的に戦闘をショゴスとメェーちゃんに任せることになるが、よく考えてみると僕って召喚師サモナー(クトゥルフ神話)なんだよね。



 実はショゴスとメェーちゃんに戦闘を任せるのはあながち間違いじゃないのかも...



「アのー、私はあまりドラゴンについて知らないんですが」

「ん、どうかした?」



 ショゴスが口を開く。何かいい案でも思いついたのかな。






「その、ドラゴンって生物なんでしョうか?」

「まあ、そりゃ生物だろうけど...あ」

「???」



 そうか、ショゴスは地球上に存在する全ての生物の細胞を持っているとされる神話生物じゃん。なんで今まで忘れているかなあ。



 それと全ての生物の細胞を持っているから、その生物に擬態できるという能力も持っている。だからあの時、間接的に壁に擬態できたんだからね。



 そしてドラゴンは、まあ基本的に生き物だと思っていいだろう。ドラゴンが機械とかはないし、ちゃんと意思を持って僕を追いかけていたんだからな。



 あと、地球上にドラゴンはいない。それはつまり、ショゴスはドラゴンに擬態できないことを指す。だって、ドラゴンの細胞を持っていない。



 だが、見方を変えると...



「ドラゴンの細胞さえ持っていれば、ドラゴンに擬態できる。そうすれば、ドラゴンも倒せる。ってことか」

「な、なるほ...ど?」

「......なんでマスターがそンな結論を弾き出せるのかはひとまず置いといて。細胞は入手することがでキるでしょうか」



 おいおい、僕はクトゥルフ神話が大好きなんだぞ。流石にコレくらいはわかって当然だろう。



 で、だ。肝心の細胞だが、ショゴスのことだ。血の一滴でもあれば大丈夫と考えると...



「...メェーちゃん、できる?」

「わ、私!?で、できる...かもしれないけど、確証は...」

「ならばやってくれ。やれないと、僕たちの命がやばい」

「......う、うん...」



 うーん、ちょっと気まずい。メェーちゃんの僕に対する好感度とか下がっちゃっただろうか。



 流石にないと思いたいが、あったとしてもやってもらう他ない。ドラゴンはこっちに攻撃をしてきていないが、やれないわけではないのだ。



 別に、細胞の取得に関するスキルとかいう限定的なスキルを持っているのであれば話は別だがね。



「...?」



 さて、あとは作戦会議だな。どうやってあのドラゴンから細胞を奪うか...



 ============================================




 扉のあったはずの場所から、部屋の中央よりコチラ寄りの場所にいるドラゴンを覗き見る。この部屋にいることがわかっているのか、それともわかっていないのか。



「グゥゥゥゥ」



 寝ているらしく、まるで唸り声のようないびきをかくドラゴン。もうすぐ死ぬことを、このドラゴンは理解しているのか...



 わからないが、わかったところで何かあるわけではないだろう。



 よし、メェーちゃんたち。行ってきて。



 そう思考すると、液状になったショゴスとそれに乗るメェーちゃんが行動を開始する。



 ぬるぬると這いつくばって(?)動くので、音は立たない。最も、音でドラゴンが反応するのかはわからないが、リスクケアは重要だろう。



 どんどん進み、ついには体の近くまでくるメェーちゃんたち。目の前には、ただただでかい鱗。いわゆる魚の鱗とか、そんなの比べ物にならないサイズだ。



 目を見開いて見守る僕。思わず唾を飲み込むほど、緊張の瞬間である。



 手を広げるメェーちゃん。そして、



 ガシッ



 とつかみ、思いっきり引っ張る。



 暴れることを予想して足を支えるためにショゴスはメェーちゃんの足を支えている。






 しかもドラゴンも暴れない。痛みなんか感じないのか、ずっといびきを......ん?



 いびきが、聞こえてこない。



 すぐにドラゴンの顔の方を見る。が、やはり予想通りというか。



「ギャオオオオ」



 起きてた。というかめっちゃ怒ってるようにも見える。



「も、戻ってこい!」



 すぐに呼びかける。つかんでいる手を離し、すぐに宝物庫の方へ駆け寄るメェーちゃんたち。何ならショゴスは本形態になってメェーちゃんに掴まれている。



 煙を出すほどの猛ダッシュにより、ドラゴンに追い付かれなかったメェーちゃんたち。もちろん僕はすでに部屋の中だ。



 とりあえず全員で部屋の隅の金貨の山の影に隠れる。コレで扉側からは見えないだろう。



「危なかった...怪我とかない?」

「うん...ごめんね、取ってこれなくて...」

「大丈夫大丈夫。まずは試してみるところからって言ったでしょ?ショゴスも大丈夫そう?」

「おかげさまデ。メェーちゃんの機転によるものでスがね」

「よかったあ...」



 よし、とりあえず全員無事みたいだ。こういうのは生き残ることが最優先事項だからね、死んじゃあいけない。



 ズドォォン



 次取れればそれでいいんだからね。そのためにも、すぐに作戦会議を...ん?



 ズドォォン



「何...この音」



 ズゴォォン



「音が...変わったよ...?」



 ズゴォォン!



「音ガ強く...まさか!」



 ドガシャーン!!



「うわっ!」



 ものすごい轟音、それと砂煙。



 それらと同時にくる振動が僕らを襲う。



 金貨の山に隠れたところで、所詮は積み上がった屑鉄。この惨事では役に立たない。



 すぐにダッシュして入り口からさらに離れる。この動きによって入り口から見えようがもう関係ない。



「こんなことやってくるやつ、ドラゴンしかいないもんねえ!」



 砂煙が晴れ、ついに見えたのは赤色の竜。



「グオオォォォ!!」



 まるでようやく見つけたぞと言わんばかりの咆哮を弱者に浴びせ、そのまま僕たちを睨みつける。



 恐怖、というよりかはおじけずくの方が正しいか。自然と後ずさってしまう。



 まずいぞ、こんなことになるとは。見た感じ、ドラゴンは宝物庫を守っているというように認識していたからね、この宝物庫は安全地帯だというふうに無意識に考えていたんだ。



 だが、そもそもそういう前提が間違っていた。奴はただのラスボス。真後ろの扉を開くための条件に過ぎないということか!



「ちっ、この状況をどう乗り越えろというんだよ!」



 なんていう愚痴を漏らす。が、そんなことを口走るなら一生懸命考えなさいっていう話でもある。



 実際メェーちゃんは涙で目が隠れてるし、ショゴスも本形態のまま誤魔化そうとしている。



 つまり、この状況で動けるのは自分自身。しかし、僕には対抗手段はない。



 何か、この状況を打開する方法を考えるだけだ。



 ドラゴンは、僕たちに近づいてくる。ドシンドシンという音を立てながら、僕をすくませにくる。



 奴は、僕がどれだけ頭がいいかわかっているのだろう。なんたって僕はドラゴンの攻撃を生き残っているのだから。あの時の僕は裸だったから、自分の<ドラゴンブレス>を生き残ったのは体の硬さではなく頭の柔らかさだと。



 だから踏み潰そうとしているというわけだ。考えつつ、ドラゴンの方を見る。



 ゆっくりとコチラに歩み寄ってくる。が、その動きはあまりにも遅すぎる。まるで時間そのものが遅くなったようにも感じられる。



[思考加速]が働いているのだろう。現に、僕自身もスローモーションになっているのが自覚できる。



 このタイミングでの発動はとてもありがたい。僕自身もどうやって発動すればいいかわからないんで、いつか発動できるようになればいいんだけど。



 まあいい、目の前のことを最優先に考えよう。



 そう、あいつは僕が頭がいいと思って、僕を踏み潰しにきているのだろう。



 ...これ、別にわかったところで何もできないな。



 よし、別のことを考えよう。



 今、この状況でドラゴンを()()にはどうすればいいか。



 そもそも僕たちがドラゴンを倒すには、ショゴスの擬態にかけるしかない。



 でも、鱗が取れそうなのかどうかの実験で怒らせてしまったんでね。今は擬態ができないだろう。



 だが、逆に言えば擬態さえできれば勝ち目がある。ということに賭けるしかない。



 じゃあ、どうやって細胞を取得するかだよなあ。



 ドラゴンの隙をつくしかないけど、そんな隙って......あ。



<ドラゴンブレス>の前、確かなんかのチャージ音がしていたよな。シュゴオオオオっていっていたような気がしたけども。



 まさかだが、思いっきり吸った空気を放出している感じなのか、あれ。



 つまり、<ドラゴンブレス>前のチャージが隙の可能性が...?



 賭けるか。その可能性に。



 ならば、今やるべきことは一つ。



 なんとかして、<ドラゴンブレス>を使わせることだな。



 じゃあどうすれば使わせることができるか。



 単純、誘えばいい。

ドラゴンが強いイメージしかないのって、なんなのでしょうね。

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