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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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狩人の夢

あれやりたいんですよね。武器かっこいいし、楽しそう。

「...ははは」




 見知らぬ場所。しかしどこか見たことがあるような場所。




「はっはっは!やっぱあいつらこれねえじゃねえか!」




 この声は聞いたことがある。シウズ王国王宮魔法使いのガウス様だ。最も姿は見たこともない獣のような姿になっている。




 しかし確か数ヶ月前にあの<魔王>によって殺されていたはずだが...




「さて、ここからどうしましょうか。このまま悠々自適に生活するのも悪くありません」




 何をした後なのだろう。何かから逃げてきた後のように見えるが。




「ああ、せっかく過去に来たのです。おそらく今ほど魔法が発達していないでしょうから、魔法を教えるのも悪くありません」




 過去に来た?ということは、ここは過去のどこか、いやメッキョ、過去のメッキョに俺はいるのか。




「やろうと思えば帰ることはできますが、帰らなくて良いでしょう。特に何も未練は...」




 ....なぜ俺はここにいる?いや、おそらくは夢だ。ここは夢の中であり、何かを見ているだけに過ぎない。




 おそらく俺がしゃべったりしたところで彼に話しかけることはできない...




 ...そうか。そういえばガウス様は死んだ。一体なぜ死んだのかはわからないが、




「...なんだ?血生臭い匂いがする」




 匂い、俺は感じ取れない。




 そう思った瞬間、路地に積まれている木箱から煙が出てくる。




 そしてその中から...何かが出てきた。




「ああ?」




 人形の、何か形容し難い存在。




 魔獣とは違う<神話生物>の一種であり、俺はこいつを知っている。




「んだよ、俺に喧嘩売ろうってか?」




 あの<魔王>はやつのことを<ティンダロスの猟犬>と言っていた。それが今ここにいる。




「...いや待てよ。こいつがあいつの言ってた犬ってやつか?ハハ、案外弱そうだな」




 ...本当にこいつは王宮魔法使いなのか?普通見たことのない魔獣が現れたら少なくとも警戒はするだろう。




 しかしその素振りすら見せない。彼はかなり強いと聞いていたが、それは嘘だったのだろうか。




「ま、敵としてやってきてるんだ。少しは遊んでやる」







「よ......?」




 勝負は一瞬だった。




 <ティンダロスの猟犬>が口と思われる部位から出した棒状の何か、おそらく舌であろうそれがガウスの頭を貫いた。




 あっけない最期だったな。まさかこれほど弱いとは思っても見なかった。




 メーノに報告したらきっと怒るだろう。彼女は彼を尊敬していたから...




「っ!?」




 ()()()()()。それを理解してすぐに逃げた。




 そんな、目が合うはずがなかった。これは俺の夢、ただ見ているだけのそれに干渉はできないはずだ。




「...ス......」




 そのはずなのに、奴はすでに目の前にいて。




「......ルス...............ソルス.........」




 ============================================



「ソルス!!」

「はっ!?」




 飛び起きる。そしてすぐに立って周囲の警戒。



 ...みんな以外、いやとにかく奴はいなかった。



「やはり夢、か」

 "ソルス、どうしましたか?"

「ああ、いや...」



 全員集まって俺のことを見ていた。テントの外にいることとテントがないことを考えると、俺はどうやら寝過ごしてしまったらしい。



 珍しいな。俺は大概寝過ごしなんてしないのだが。



「...とりあえず、起きてよかったわ。あんた、何かから干渉受けてたのよ」

「干渉?」

「ほんとびっくりよ。私が起きた時点でソルスいつも起きてたのに、今日に限って起きてないのよ。しかもうなされてるし。変だと思って調べたら夢になんか干渉されてたのよ」



 そういう、ことだったのか。



 だから俺はあんな夢を...



「一体どんな夢を?」

「...もし俺が見たあの夢が本当に干渉されていたものなら、念のため言わない方がいいだろう。言うことでその情報がトリガーになって皆まで干渉されては困る」

「それも、そうですね。浅はかでしたか」

「いや、俺を心配してくれたその気持ちは確かに受け取った。ありがとう」



 しかしそれほどうなされていたとは。ただ目の前で彼が殺されて、それで...



 ...それは、まあうなされるか。自らが死ぬ夢なんだからな。



「ん?おいソルス」

「なんだ?」

「お前の手の甲についてるそれってなんだ?」



 手の甲...?



 そう思い見てみると、そこには記号のようなものがあった。



 黒い、何かこびりついたようなそれは、なぜか見ることであの顔を思い出してしまう。



 これはつまり、呪いということか?



「メーノ、消せそうか?」

「...無理ね。多分相当強い呪いよ。消そうと思ったら<魔法陣>が必要になる」

「どれくらいでできる?」

「正直<魔法陣>っていってもかなり強めにしないと効かないし、多分描くのに1日解除に1日ね」



 そのままにするしかない、か。

そういうことです

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