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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
300/402

壁は破壊してはならない

ついに300話です



じゃんじゃんいきましょう

 扉を開ける。図書館からの入り口の開け方は前見てわかっている、自分で開けてさっさと入る。



 先ほど司書から聞いた情報が正しければ、やはりこの入り口から入ろうとした者は存在しないとのことだが、ふむ。



 そうなると、メーノの提起したことが引っかかる。



「あれって、1人が片方からもう片方に行く時に1回ってカウントして、その度に<魔法陣>内部に蓄積されている<魔力>を消費していって、0になったら自壊するっていう魔法なんだけど」

「それが?」

「私が残しておいた<魔力>は2回分なのよね」

「...2回消費して通ろうと思ったら、<ダンジョン>の中に入れないのか」

「そういうこと。こっち側に戻ってきちゃうはずなの。なのに消えてるのは...」



 考えられる一番わかりやすい可能性は、<ダンジョン>から出て、入ってきたということ。



 しかし司書さん曰く、



「入り口はここしかありません。この<ダンジョン>が踏破されたことはありませんが、それに関しては探査しましたからわかるはずです」

「私のスキルでも、い、入り口はこの図書館にしかないと」



 一体どういうことなのかわからないが、たった一つ言えることはある。



 少なくともこの<ダンジョン>にヌトは関わっている。



 ヌト、一体どんな神話生物なのかはわからないが、だがどうもあのおぞましい姿をした怪物たちとは違うような気がする。



 直接危害を加える意思がない、というのが正しいか。彼らなら<銃>なんてなくても俺たちを転がすことくらいできるはずだ。



 なのにしないのは、一体どういう...?



「そ、そろそろ着きますよ」

「最短だとほんと速えな」

「広いだけですからね、も、文字通り探索を無視すればこれくらいは...」



 顔を振って意識を戻す。今思考すべきは目の前の<ダンジョン>攻略だ。ヌトについては後でいい。



 最短であるから魔獣にも会わないのだろうが次からはそうはいかない。



 俺たちは入りなおしている。となるとギミックは全て復活している...



 ============================================



「見えました、あれですね...<完全射出>」



 暗闇の中、何にも邪魔をされない火を纏いながら突き進む矢。



 そして程なくして、暗闇は消え失せてしまった。



「こんな簡単だったのか」

「後々から攻略法がわかることは多いですから」



 にしても簡単すぎる。やはりシートは俺たち<勇者>の中でも群を抜いて秀でているな。



「あとは最短ルートを進むだけか」

「そういえば、安全地帯は他にもありますがどうしますか?」

「おお、そういやそうだったな。元々俺らがここに来たのは探し物が理由だったな」



 本来の目的、それは<神話生物>についての記述を探すことだ。



 ...しかし。



「いや、最短ルートで行く。地下3階から下もそうだ」

「あくまでもヌトを追うのね」

「ああ。逃しておいたら酷いことになる可能性がある」



 一番の最悪の可能性は<反聖教>に渡って<銃>を制作、量産されることだ。



 戦争は人が死ぬ。だがそうなればもっと多くの人が死ぬだろう。



「<銃>を互いに撃ち合う世界...考えたくもありませんね」

「流石にそれは止める。そのためにやつを逃すわけにはいかない」



 硬く拳を握りしめていると、目の前に階段。



 もう着いたのか。急ぎ足ではあるがそれにしても近いな。



「カミラ、3階からの最短ルートは絞れているか」

「...もうしばらく時間がかかります。ちょっとだけ待っててください」

「わかった。なら、その間は休憩としようか」



 2階から3階の間、安全地帯にだどりつくまでにかかった時間は1時間。



 俺たちは前回この道のりを約2日使って進んだ。もちろんだがたった1時間で進んだ暁にはスタミナの消耗が酷くなる。



 HPとは違う別の体力...数値に現れないステータスであるスタミナ、これを回復させるための<ポーション>はあるが最近開発されたばかりのため量産化されておらずそこまで手に入っていない。



 1人1本分。それを今使うのは勿体無いだろう。



「ソルス、今のうちに、き、聞いておきたいんですけど」

「何をだ?」

「えっと、この<ダンジョン>は前調べた通り5階まであります。このペースで走り切ることは可能だと思いますが魔獣の強さがそこら辺の<ダンジョン>とは差をつけています...攻略のスケジュールはどうしましょうか?」

「ふむ...」



 確かにこの下を進むにはあまりにも速すぎる速度だ。



 2階であれだけ難しかった、ということは3階以降はさらに難易度が上がる。



 湧く魔獣、いわば下級の<神話生物>とでもいうべき魔獣もさらに強くなるだろう。そうなれば間違いなく途中でバテる。



「3、4はできれば1日で攻略したい。5は<ダンジョンボス>がいるだろうから問題ないだろう」

「早っ」

「しょうがないだろう。俺たちは追う側、逃げる側はその間にいくらでも準備ができてしまう」

「それに俺たちゃ本当にここにヌトがいるかもわかってねえからな。せめて早めに行かねえとトンズラされちまうかもしれねえ」



 かなり無理があるスケジュールなのは重々承知の上だ。



「だがもちろんこれはあくまでも目安だ。正直これで攻略できると思ってはいない」

「ですよね」

「だがこれを目指して攻略していくことに変わりは...」

「あー、ご、ごめんなさい、話の途中なんですけどお伝えしたいことが」



 ...急だな、だがカミラが話を遮るというのは、よほど需要なことなのだろう。





「3階以降なんですけど、わからなくなりました」

「...今なんて?」

「わからないんです。ジャミングって言うんですか?なんかこう、ぼやっとしかわからなくて、最短経路がわかりません」

とりあえず明日までは連続で投稿して、その次からは平常運転に戻ります

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