意識 復活 方法 [検索]
前回より短めです
暗く、
暗く、
暗い。
世界があまりにも暗すぎて、
もう、
何も見えなくて。
でも、
ずっと走ってる。
何かから逃げてるわけじゃあない。
その逆、
何かを追っている、自分。
いつの間にか、
それを見つけて、
いつの間にか。
それに見られてた。
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スッ、という感覚。
何かが戻ってきて、何かが帰ってきてないようなそんな気がする。
ゆっくりと、意識が戻り。
思考がクリアになっていく。
「はあぁぁぁ、すうぅぅぅ」
周りに聞こえるくらい大きな深呼吸。肺の中に溜まっていた古い空気を、まるで追い出すかのように吐きながら、周りにある新しい空気を飲み込む。
...うん、だいぶ元に戻ってきた。
少し、振り返ろうか。
確か、僕はナントカ盗賊団...そうそう、<バンデット盗賊団>に捕まったらしくて、ショゴスを呼び出して何とか脱出したんだっけ。
それで<シウズ守護騎士団>に助けられて...ゴブリン迎撃戦。
やることがない僕はマナさんに色々教えてもらっていたら、気を失ったんだよね。
まあ頭がパンクしたんだろうな。精神が圧倒的20代近くといえども、肉体は5歳のまま。つまり脳みそも5歳準拠だったもので、記憶領域が足りずに、パッといっちゃったんだろうな。
...こういう思考ができるのに、なぜ意識を失う前の自分は思いつかなかったんだろう。魔法とかよりもわかりやすいと思うんだけど。
疲弊してなかった、といえば嘘になるはず。でも頭は回っていたんだからね。これくらいは思いついたっていいと思うけど...
まあいいや。
ゆっくりと、瞼を開く。勢いよく開いて強い光を見たらまずいしね。
ん、天井は豪華...というか、普通の家ではなく、豪邸の家っぽい。それも洋風の豪邸っぽいけど、正しいかな?
首は...うん、動くから少しだけ周りを見渡す。
体には布が掛かっているのが感触からわかるし、このふかふかしている床は、ベットといったところか。このベットも洋風か。
もちろん壁も洋風の豪邸っぽい。おしゃれな暖炉もあって、メラメラと燃える炎が僕を温めているのがわかる。
意識を失ってた期間はわからないけど、なるほど。今は寒い時期だということだな。
体を、起こしてみて...っと。体は問題なさそうだね。
少し体をほぐしながら体そのものの確認。身長はそこまで変わらず、腕や足の大きさや数も変わらずと。
よしよし、そんなに長く気を失っていたわけではなさそうだ。
あとは...<ステータス表示>かな。
ブォンと、音。<メヌー・リング>も出てきたし、世界を渡ったわけではなさそうかな。
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[名前] マリア
[性別] 女性 [年齢] 6
[職業] 召喚師(クトゥルフ神話)
HP 9/9 MP 20/20
ーステータスーーーーーー
筋力 9
体力 9
敏捷 11
知性 42
精神 212
魔力 54
ースキルーーーーー
言語 Lv7
召喚 (クトゥルフ神話) LV5 (2)
魔術 Lv5
応急処置 Lv1
対意識 Lv10
(<魔王>の種[発芽前] Lv100 (MAX))
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おん、筋力と体力が下がってら。あと精神がまた上昇してて、魔力がほんの少しだけ上昇しているのかな。
あと年齢が5から6になってる。そんなに時間が経っていないような気がしたんだけど、まあ6歳になっているからね。一年位は経っているみたい
そして新スキル、[対意識]。まあ気絶ばっかりしてるもんだからついたとか、そういう感じでしょ。
一応確認はするけどね?
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対意識 銀
レアスキル。そもそも取得するのが困難なスキルだが、持っておくと何かと便利というわけでもないスキル。
取得できるのは狂人な肉体を持つものか、はたまた狂人のどちらかだろう。
意識に直接作用するスキルや魔法に対して耐性がつく。
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oh...スキル説明すら味方しないのか。
というか狂人な肉体てなに?強靭の間違いじゃないの、これ。
まあ僕は狂人ではないし、多分狂人な肉体を持っているんだろうな。筋力と体力9だけど。
ま、このスキルを何か深掘りする意味はないし、<インベントリ>の確認をするか。
ーインベントリーーーーー
本
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おうけい、ショゴスはいるのね。
...そのまま呼び出しちゃうか。
ポチっとな。
すると出てくる、青白い光。
消えると、手元には黒い本。
『ショゴス、聞こえる?』
そう呼びかけてみる。
すると、その本の表紙に人間の口が出来た。
『オオ、メザメマシタカ』
口が返答を行う。よしよし、なんか暴走していたりっていうわけじゃなさそう。
『うん、今いる場所はわからないんだけどね』
というと、本から口がなくなり、代わりに目が出来上がる。
キョロキョロと周りを見渡す目玉。不気味と感じるか可愛いと感じるかは人それぞれだろう、僕は可愛いと思う。
そして目が消えて、また口が出来る。
『ワタシニモワカラナカッタデス』
『わかった。ありがとうね、ショゴス』
『イエイエ』
とそんなやりとりを交わしながら、ベットから体を動かして降りてみる。
降りる分には問題なさそう。それに体の不調も感じないから、このまま探索もできそうだ。
ただ、いかんせん本が重い。
今までは持てたはずなんだけどな、筋力が減ったのが原因だろうか。
本をベットの上に置く。
『あー、ショゴス?その状態で歩けたりってする?』
まあ出来るだろうけど。実際やってたしね、牢屋で。
すると本が少しだけ浮き上がった。
いや、本の裏表紙にまるでモップのような触手が生えてる。
これで歩いていたのかあ。
『うん、ありがとう。そのままついてきてね』
といっておく。本に口がないので喋れないっぽいけど、どういった方法かはさておき、僕の声は認識しているからね。
ぐうーーっと体を伸ばす。かなり痛いから、軽いほぐしでは足りないくらい凝っていたんだろう。しょうがないといえばしょうがない、一年位意識を失ってたんだからね。
周りを見渡す。この洋風の豪邸の一室にあるのは、5歳児には確実に大きすぎるサイズのベットだけだ。もちろん、ドアも含めて。
壁に手をつき、流れるように触りながら部屋を一周。特に隙間とかはなさそう、隠しドアっていうことではないか。
あとは、ベットの下かな。
覗いてみる...と、そこには、何もない。
うっそでしょ、地下への道もないのかい。
閉じ込められた......?




