料理は果てしなく難しい
とりあえず300までは毎日投稿しますか。
まずは小さい器に<コケ・コッコーの卵>を割り入れかき混ぜる。
白身をしっかりと切りつつ、ある程度混ぜたらそこに<モーモのミルク>を適量入れさらにかき混ぜる。シートは<ゴールドナゲット>が苦手、というか調味料全般があまり好きではないためあえて入れない。
こうしている間にフライパンの中にある余分な<フライサラマンダーブラッド>を再利用するために<濾過装置>に入れていく。少しだけは残しておいてフライパンに引くために使うと無駄が少なくなるな。
「こんなものか」
しっかりと混ぜられたら温まっているフライパンに入れる。火はあまり強くせず、ゆっくりと火を通す。
そもそも卵自体火が通りやすく、これでも1分もあれば大丈夫なのだが。
それはともかく、少したったらフライパンの上で皿にかき混ぜる。いい感じにふわふわとしてきたらその状態のまま皿の上へ。
...今日は40点だな。あまりうまくできなかった。
"見た目以上に難しいのですよね"
「火が通りやすくて焦ってしまったかもしれないな」
いつもより火の調節が完璧だった分、それ以外が疎かになってしまった。
別に<調理>の進化先である<料理人>を狙っているわけじゃないが、<サバイバルシェフ>だったとしてもこれくらい朝飯前にならないとな。
「うまかったわ、ごっそさん。皿はどこ置いときゃいい?」
「そこの水の近くに置いておいてくれ」
「うい」
と、どうやらマイゲスが食べ終わったらしい。
ナイスタイミングだ。
「帰るならスクランブルエッグをシートに持っていってくれないか?」
「それくらいはお安いご用だぜ」
これでシートにも配られると。そしたらあとは俺か。
俺は...どうするか。
うーむ、確か冷凍している<ライス草>が余っていたはず...あったあった。
それならば。とりあえず<ライス草>を解凍するためにフライパンの上に乗せる。
そこに水を少し入れ蓋をして火の上に。時間をかけないために火は強めに。
これで解凍できるからその間に色々と作る。
余った<シノビタヌキの肉>を細切りにして<コケ・コッコーの卵>を溶いたものに入れる。
そこに<岩塩>と<ゴールドナゲット>を少量ずつ入れて混ぜる。<キャベツ草>もちぎって少々。
これらを行っているうちに解凍が完了したのでそのまま今作ったものを投入。そして一気に混ぜる。
コーティングさせるように混ぜながら炒めて、全体に火を通していく。うーん、いい匂いだ。
パラパラとしてきたら皿に装って...完成、即席チャーハン。
どれどれ味は...ヨシヨシ、いい感じだ。思いつきで作ってみたが意外といける。今度から冷凍<ライス草>が余っていたら作るとしよう。
「ご馳走様...って、なんかソルスだけいいもの食べてない?」
「自分で作っているからな、自分だけ少し豪勢にして何が悪い。それに、そっちの<ライス草>はなくなっているんだろう?」
この<ライス草>はとても積もなく美味しい。それだけでなくパンのように水分を奪ってくるわけでもなく、また腹にたまる。
1塊に握って携帯食にすることもできまさに最高の食料だが、そんな人気ゆえに俺たちも争奪戦が起こる。
何せ<岩塩>を少し入れるだけで味が変わり、何か他のものと一緒に食べればさらに美味しくなる。俺が食卓に着く頃にはなくなっていることもしばしばあるくらいだ。
「まあそうだけど」
「それを予想して俺は残っていた冷凍<ライス草>を使うために即席でチャーハンを作らせてもらった」
「そ。いつもあなたには感謝してるし、バツにいいけどね。あ、これ私含めて3人分のやつ」
「そこのマイゲスの皿の上に置いておいてくれ。茶碗も別で重ねておいてくれよ」
食べ終わった皿を重ね、フライパンを軽く水で洗ってしまう。しっかりと洗うのは<ダンジョン>から出てからだ。
皿も同じく洗って再利用するために軽く水で流してしまう。もちろん流した水も<濾過装置>に入れて別の容器にとっておく。
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ふう、全部終わったな。
「終わりましたか?」
「ああ。それで、今日はどうするんだ?」
朝食が終われば全員でミーティングだ。
確か昨日物資が少ないために一度帰らなければいけないということになったはずだが。
「昨日決めたことと、そ、そう大差ないです。一度帰って物資の補給をすると同時に、ソルスとマイゲスが言っている用事を済ませに行きたいと思っています」
「ソルス、あとどれくらいだ?」
「日数にして3日だが、ちょうどいいくらいではある」
「なぜですか?」
「そこで戦闘すっかもしんねえからな。少し周回する分も含めてこれくらいがちょうどいいってことだろ」
次回、一旦帰還




