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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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幕間(大嘘)

ちなみに前話と大体同じくらいのタイミングです

「かなり降りてきましたね」

「そうだねえ。もう50くらい降りたかなあ?」

「え、もうそんなに降りたの?」



 この世界で距離を表すとき、数値は大体だがkmで直すことができるはず。



 ってことは...大体50km。



 僕たちそんな降りてたっけ。もう2日も階段だから全く気づかなかった。



 上を向く。確かに空がかなり小さいところにあr



「危ない!」

「うぇ!?わわわ!」



 危うく落ちそうになってしまった。リーシャが僕の腰を捕まえなかったらそのまま真っ逆さまだっただろう。



「危なかった...」

「安易に上を向いちゃダメだよお?ここお、1人分の幅しかないんだからねえ?」

「わかっていたつもりでしかなかったわけだね...助けてくれてありがとう、リーシャ」

「いえいえ」



 それにしても深い。すでに50kmも外周を降りているというのにいまだに底は見えず、目下にはただ奈落が広がっているのみだ。



 地球の深さは確か6400kmくらいだったはず。この星は確か円盤だったはずだけど、地球のサイズでそれならこの星の裏側までの距離は一体どれくらいなんだろうか。



 と考えて気づいたけどそういえばここ<ダンジョン>だったわ。そういうこと一切関係ない無法地帯なんだから、限界なんてあるはずがない。



「ちなみにこの<ダンジョン>はどれくらい深いの?」

「ん?んーと...どれくらいだったっけか」

「確か600くらいだったような」



 え、それは本当ですかエリカの姉貴。



「まじ?それ食料足りるの?」

「足りるぞ。まず間違いなくな」

「なんで?」

「それは、着いてからのお楽しみだ。もうすぐのはずだからな」



 もうすぐ。それってどのくらいなのだろうか。



 25km先って言われても信じるよ僕は。



「...そういえば、()()があったな」

「アレ?」

「この<ダンジョン>で最も有名なギミックだよお」

「待って、それ僕だけ知らないのね」



 多分メェーちゃんやクトゥグアも知らないのだろうけど。



 でも知ろうと思えば知れるはずだ。僕は教えてもらわないといることすらないから、そういう意味で一番知らないのは僕だろう。



「ギミックと言ってもすごくシンプルなものですが...あ、着きましたね」

「え...っとと」



 また落ちかけた、が流石に自分だけで踏みとどまることはできた。ショゴスのおかげである。



 ただまあそれは今重要じゃない。今一番おかしいのは目の前の光景。



 少し広めの場所がそこにある。



 それだけ。



「これ以降の階段は...」

「ないよ」

「えっと、つまり」

「こっから自由落下(フリーフォール)だな」



 これがかの有名な落下アスレってやつですか。まさか現実でやることになるとは思いませんでしたよ。ええ。



「安心しろ。ここの自由落下時の障害物の配置は覚えてる。私の後を辿るように移動すれば問題ないぞ」



 それができるなら苦労はしないんですよね。空中機動力、絶対アンジェリアさんが1番高いと思うんですよ僕。



「...もうすぐ太陽が沈む時間帯だな。ここで1夜過ごすには狭いから、本当に暗くなる前に降りようか」

「いや今までの踊り場の方が狭かったような」

「ここからは魔獣も湧くんだよお、にしても今日は湧いていないような気がするけd」






 ゴーーン......ゴーーン......



「え?」

「っとこれは...」



 急に音が鳴り響いた。それも空間そのものから。



 空気を構成する物質1つ1つが音を発しているかのような、そんな響きが数回繰り返され、



 "生きとし生ける生物の皆様にお伝えします。世界のバージョンが更新されますので、2時間以内に睡眠取るようお願い申し上げます。もし睡眠を取らなかった場合の被害につきましては保証しかねます。繰り返します..."



 心の中に直接聞こえてくる。



 なんかゲームの更新のような感じで言ってくるけど、なんだこれ。



「これは仕方ないな。すぐにテントを立てようか。設営も早めにな」

「はーい」



 ってみんな普通にテントの設営してる。



「ねえリーシャ、さっきのって何?」

「あれ、マリアは知りませんでしたか?あの通知は時折あるもので、名前を<更新>といいます。色々とこの世界に改変が加えられるのですが、その間は生物のすべての活動が停止してしまうみたいで、睡眠をとっていないとこの世界から消滅してしまうんです。だからマリアもすぐに寝れるようにしておいた方がいいですよ」

「改変って、具体的にはどんなのが起こるの?」

「一番多いのは強すぎる魔法の弱体化とか、逆に使われない魔法の強化でしょうか。あ、更新が長い時は追加システムもあったりしますね」

「な、なるほど...」



 まじでバージョンアップだこれ。



 まるでゲームみたいだなあ、ああでもよくよく考えてみたらこの世界って裏でイスの偉大なる種族が運営してるんだっけ。ならまあ有り得ない話じゃない。



 中心となるAIがいたりだとか、そういうこともあり得るだろうしね。



「ちなみに何が変わったとかはわかるの?」

「基本的には<インベントリ>に差異が書かれているパンフレットが入ってきますね。それの分を開けておくのもまた大事なことでもあります」

「はえー」

「ちなみに更新が長引くと一緒に<インベントリ>の中に希少なドロップ品が入っていたりするので、みんなできるだけ長くなるのを祈りながら寝るんです」

「詫び石あるんだ」

「え?」

「いや何も。まあ確かにそれなら早めに設営した方がいいね。アンジェリアさん、僕も手伝えることある?」

「ならそこにロープを張ってくれ」

「はーい」

ということは、<勇者>も同じ状況というわけですね。

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