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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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あれ、なんかデジャブが...

ついにブックマークが100人到達しました。



つまり100人という大人数が私の小説を読んでくださっているということです。文章にするとすごいですね。



みなさま、本当にありがとうございます!

 飛んでいる<夜鬼>を狩りながら、おそらく<巣>であろう異物に近づく。



 ここまでくると敵の攻撃はそこまで苛烈ではなくなっている。ゆっくりと見る時間はないが何なのか観察はできるだろう。



「まあ、概ね予想通りか」

 "卵ですか?"

「多分な」



 粘液を滴らせている殻を持った丸いそれは、近づけば少し鼓動の音が聞こえてくる。



 間違いない、これが<巣>だろう。そう認識した時点で、俺はアルカマに<魔力>を込めていた。



「<円撃>」



 卵は粘液を纏っていたが、それごと叩っ切る。



 パキィ!



 意外と刃はすんなりと通り、中から大量の...説明のできない何かが溢れ出てきた。



 かなり臭い。腐敗しているのか、いやおそらくまだ未成熟なのだろう。



 しかしこうして出てきたとしても足がつく場所はない。



 未成熟ゆえに空も飛べず、何かはそのまま落下していった。あの一際大きいやつが母親だったのなら、ある意味母親の元に帰れたのかもしれない。



 そしてそのすぐ後だった。



「うっ」



 明かりが戻った。急に戻った上にすぐ近くにシャンデリアがあったためにかなり眩しい。



 すぐに本棚を降りる。目を瞑っていが地面に着く頃にはかなり目は慣れていた。



「...ふう。死体の確認もできたな」

 "これで問題は解決ですね。お疲れ様です、ソルス"



 ぐしゃぐしゃになった大きい<夜鬼>の死体の上にそれは落ちていた。



 もちろん落下の衝撃でぐしゃぐしゃに放っているが、俺たちにとってはぐしゃぐしゃの方が好都合だ。



 "<巣>は無くなりましたから、比較的安全に安全区域にいけますね"

「とりあえず戻るか」

 ”はい”



 ============================================



「お、戻ったな」

「マイゲス。そっちはどうだった?」

「散々だったぜ。なんたってずっと<夜鬼>どもが湧いて出てくんだからな、しかもお前がいなくなって処理できる人間が減ったのも結構やばかった」

「被害は?」

「それは私がお話ししますね」



 マイゲスたちはどうやら無事のようだ。



 だがいかんせん怪我がかなりひどい。回復はある程度した様子だが、少なくともまともに戦えるようには見えない。



 特にマイゲス。倒れた状態から全く動いていない。



「カミラ、薬の使用状況は?」

「全員1本は使用しました。や、やっぱり薬が少なすぎて回復が間に合ってませんね」

「だからって...ここで立ち止まるわけにはいかないわ。せめて、せめて安全区域までは」

「メーノさん!?倒れててっていたのに!」



 これはかなりひどいな。早く安全区域に移動しないと不味そうだ。



「メーノの言うとおり、ここで立ち止まるのは流石に危険すぎる。<巣>は潰したがだからと言って魔獣が湧かないわけではない。特に俺たちは揃いも揃って血を流しているのだから、その匂いに釣られて魔獣がやってくるだろう」

「移動しか、方法はなさげのようですね...」

「ああもう、シートさんまで!」

「マイゲス、動けるか?」

「せめてあと10分は欲しい。それだけあれば満足に動けるようになる」

「危険性のことを考えると5分が許容範囲内」

「いえ2分です」

「...だ、そうだ。できる限り回復してくれ」

「あいよ」



 俺も1本回復薬を飲む。元々1回でいけると思ってこんな装備で来たわけだが、まさかこんなことになるとは。



 今回は無理だろう。薬が少なすぎて何もできない。



 もう少し回復できるのであれば話が別だが、残り数本で探索を続行したくはない。



「せめて2層目は突破するぞ。チェックポイントは作っておきたいからな」

「流石にな。またこいつらの対応をしなけりゃならねえのは面倒だし」



 魔獣の強さには2種類ある。すなわち質の強さと数の強さだ。



 大概の場合どちらかに属するわけだが、<夜鬼>は後者の数の強さ。



 空を飛んでいる以上ある程度の強さは保証されているものの、個体のとしてはあまり強くない。首を飛ばせば死ぬし、死ななくても羽を貫けば死ぬからだ。



 だがそれはあくまでもそれが狙える時の話だ。それが狙えない時、数でこちらに勝っているときは話が変わってくる。



 速度と攻撃力を両立したその体から繰り出される爪の一撃。シンプルだが非常に強力であるそれを何度も受け流すと言うのは手だれであっても至難の業。



 そもそも数で負けている時はどんな魔獣であったとしても撤退することを念頭に入れておかなくてはならない。なのにそれをもう一回やるというのは、とてもじゃないがしんどい。



 今回攻略できたのも半分まぐれだろう。単独になった俺の方に、あるいは4人になったマイゲスらの方へ集中して向かってきていた場合、確実にやられていた。



 それがなかっただけであり、もしそれがあったのなら攻略はできない。もっと人数を連れてくるべきだろう。



「ここのマッピングは終わっているか?」

「ソルスが帰ってくる前に、お、終わらせました!次来るときは迷いません」

「だとしてもだが...とにかく一つ確認したい」

「はい?」



 だがそれは叶わないだろう。俺たちが個人的にきている場所なのだから。



 そして、だ。



「安全区域、見た感じあるか?」

「...言いたいことはわかります。前の時と同じでないかと聞きたいんですよね?」

「さすがだな。それで、どうなんだ」

「答えとしては...半分あたり、半分ハズレだと思います」



 ん、半分だけか。どういうことだ?



「詳しく説明してほしい」

「そうですね。端的に説明するなら...」






「安全区域、2つあります」

これからも、まあ終わる気配のないこの物語をよろしくお願いします。

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