遅れ=連続投稿 の概念
夜鬼は神話生物の1種で、その中でも旧神の類に使われる生物です。
主にノーデンスが扱いますが、今回はどうなのでしょうか。
「クソっ!敵が多すぎるぜ!」
「悪態のつく暇があったら手を動かしてください!」
切る。斬る。截る。
とにかくキル。殺し尽くす。
暗闇の中を、明かりめがけてやってくる<夜鬼>を殺す。
「ほんといい趣味してるわねこの<ダンジョン>!」
「ランタンやはり消しましょうか!?」
「そんなことしたら俺ら全員攻撃当てらんねえぞ!!」
どうせあいつらは闇の中を見ることができるのだろう。俺たちにとって明かりというのは消すと何もできなくなってしまうものなわけで、消すことは絶対にあり得ない。
「ですがこの量です!まず間違いなく<巣>があるのでしょう!」
「それも相当巨大なものね!カミラ!まだ見つからないの!」
「まだです!2つの作業を同時にしているので、もう少しかかります!」
...流石にまずいな。今のカミラへの負担が酷いことになっている。
カミラはこのパーティの大黒柱。まず一番大事な探索での任務というのは、生きることだ。
次点で次の目的地を示すこと。そして<ダンジョン>のマッピングや<巣>の捜索。
<巣>。今までは単に巣やら住処やら言われていたが、研究によって<魔力>の集まったところにできると判明し再定義されたこの場所は、魔獣が文字通り湧き出てくる場所だ。
この<巣>の形態は魔獣によって様々だが、主に2種類あるとされる。魔獣に過剰な<魔力>がたまった場合と空間に過剰な<魔力>がたまった場合だ。
ただどちらにせよ危険因子であることに変わりないのか、<巣>と再定義された頃同時にカミラが<巣>を探すことができるようになった。
がそのためには意識的にマップを見て魔獣の出所を特定する作業が必要。いつもなら彼女のやらなくてはいけないことのいくつかを肩代わりできるのだが...
関係ないな、やるしかないだろう。この状況を生き残るためには安全区域にいくよりも<巣>を潰した方が早いだろう。
「カミラ!<巣>を優先しろ!カミラは俺たちがっ!」
立て続けに3体屠る。本当にしつこいししぶとい。
「守ることに専念することでなんとかする!」
「わ、わかりました」
と啖呵を切ったはいいものの、誰かを守ることは自分の命を守ることの数十倍は難しい。
特にこんな状況では絶望的としかいう他ないだろう。
...カミラ以外の人間が俺だけならの話だが。
「こいつらっ!本当に数が多いな!」
「しょうがないでしょう!嘆く暇があったら手を動かしなさい!」
「シートまでんなこと言うのかよ!」
互いに愚痴をこぼしつつカミラに近づかせないように<夜鬼>を落としていく。
明かりがランタン1つとはいえ、長くこの暗闇にいれば否が応でも目が慣れていく。
いつしか<夜鬼>の声にならない声を認識できるようになり、体の色と暗闇の色の違いすら見て取れるようになった。
最もそれで処理速度が上がるとかは全くなく、むしろ頻度は上がっていくばかりだ。
守りを固めて10秒も経てば、自分たちが1人で対応しなければいけない魔獣は最高5匹にまで上昇した。
「まだなの!」
「大体の位置は絞り込めました!」
「あとは位置だけか!」
もう時間はなくなりつつあった。狭いこの場所であるから対応できてだけの今の現状、長く続けばまず間違いなく持たない。
決断は、今しかないらしい。
「カミラ!マップデータをこっちにくれ!」
「ソルス!?」
驚きつつ回すカミラ。
どうやらそれが最善だと判断したらしい。
「何するの!?」
「カミラを頼む!!」
受け取ってすぐに脳内の地図と照らし合わせる。且つ暗闇がある程度見える事に賭けて駆け出す。
彼女が俺たちに提示するそれは脳内の記憶として現れる。おかげで記憶と比べることが可能。
...位置はやはり近かった。俺たちはどうやら知らず知らずのうちに近くにきていたらしい。
「まだ刃こぼれはしていないな!!」
"もちろんです。私をなんだと思っているのですか?"
制限時間は2分。おそらくそれが4人で猛攻を耐え凌げる時間の限界。
それまでに...<巣>の核を壊しにいく。この猛攻を終わらせる。
そんな意志を持っているからなのか、<夜鬼>は俺に集中してやってくる。俺を殺さなくてはいけないと判断したのだろう。
実際それは正しい。<巣>を壊しに向かっているのだから。
昔黒酢とか飲んでたなあ。




